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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
3章 昭和編
163/231

147話 連合艦隊波高し

 連合艦隊に激震が走った。


 山本五十六大将の突然の更迭と新長官の名前を聞いての事である。


「山本長官が何故降ろされるのだ? 一体中央では何が起こっている?」


「何故あの男が長官に? ハンモックナンバーから言えば有り得ない、それ以前に兵学校の期が下過ぎる」


 海軍兵学校の成績ハンモックナンバーが上位の者だけがなっていた司令長官職にそれ以外の者が任命されるのは前例が無かった。


「あれが成れるのなら、もっと適任者は居るはずだ、古賀大将、小澤中将や山口少将も居るんだぞ」


 それでも着任する新長官を出迎える準備をするのであった。


>>>>>>>>>>>>


柱島泊地 連合艦隊旗艦 長門


「草鹿よ、長門なんて始めてだな」


「俺は何度か有るけどな、確かに縁がないなお前さん、いや長官殿でしたな」


「まあ、公的で無いところでは気楽にいこうや」


「そうして貰うと此方も助かる。だがいきなり過ぎて大混乱だぞ」


「其れを言うのはあの人に言って欲しいな」


「やはりあの人の仕業か? まあ……こんな無茶するのはあの人らしいな」


「まあ、成るようになるさ、さて挨拶をするとしようか」


 右舷側に止まった短艇ランチから舷梯を上ると旗艦総員及び麾下各級指揮官たちが出迎えて一斉に敬礼を送る。舷門で兵曹がサイドパイプを2回鳴らす。


 そうして新長官は着任するのであった。


>>>>>>>>>>>>>


 長門 作戦室


 ここには連合艦隊司令部要員が集められていた。


「皆揃って居るかね。この度司令長官を拝命した木村だ。諸君も色々思うところはあると思うが力を貸してもらいたい」


 この言葉で各役職の紹介が始まった。なお主な陣容はこうなっている。


 連合艦隊司令部

司令長官 木村昌福大将

参謀長 草鹿龍之介中将

参謀副長 白石萬隆少将

首席参謀 有近六次中佐

作戦甲参謀 中島親孝中佐

作戦乙参謀 千早正隆大尉

航空甲参謀 樋端久利雄少佐

航空乙参謀 吉岡忠一大尉

水雷参謀 渋谷龍穉少佐

情報参謀 実松譲少佐

防備参謀 庵原貢少佐

通信参謀 星野清三郎少佐


 山本長官の時からそのまま残った樋端少佐、木村と欧州での戦いからの参謀を勤める有近、星野以外は各部署から集められていた。其の人選もどうやら木村が{あの人}と呼ぶ総研の所長が行った物である。少将だった木村は特進で一日に時間を置いて2階級昇進した。これも前例の無い事であり、他の者たちも多くは昇進して着任している。


 参謀長には流石に司令長官より年長者を着ける訳にいかず、同期の草鹿が中将に昇進して勤める事となった。


「早速ですが旗艦をどれにしますか? 大和と武蔵がもう直ぐに竣工します、其のどちらかを旗艦にする予定でした」


 参謀長の発言にうなずく参謀たちだが司令の木村は違っていた。


「いや、大和と武蔵は第二艦隊に配属しよう、連合艦隊旗艦にすると柱島に置きっぱなしになりかねん、もったいないと思わんかね?」


「では長門のままに……」


「いや、長門達も二艦隊に送る。戦艦は纏めて使いたいからね、旗艦は夕張で構わないだろう」


「流石に狭すぎるだろう……」


 新装備のテスト艦として幾度も近代化改装を行ってはいるが既にかなりの艦齢に達しており、元々五千五百トン型と呼ばれる軽巡洋艦の大きさしかないのだ。手狭に過ぎると言うものである。


「長官がそう言われると思いましてこれはいかがでしょうか?」


 首席参謀の有近中佐が書類の束を取り出した。


「ほう? これはもしやあの人が用意したのかな?」


「はい、きっとこうなると言われまして、既に大神を出て柱島に向って居るそうです」


「手回しの良い事だ、ではこの艦にしよう」


 こうして、新生連合艦隊司令部は始動した。太平洋を舞台とした戦いは迫ってきている。ひたすらに準備が必要になるのであった。


ご意見・感想ありがとうございます。

ブックマーク・評価の方もしていただき感謝です。

あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…

読んでいただくと励みになります。


※感想返しが遅れております、申し訳ございません。

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