143話 ルーズベルトの秘策
※間に合いましたのでこれが本年最後の投稿になります
2018年も良い年でありますように
アメリカ合衆国 ワシントン ホワイトハウス
日本で御前会議が行われている丁度その時、ルーズベルトはご機嫌であった。
「ホワイト君、君たちのお陰で日本を嵌めることができそうだ」
「おめでとうございます、大統領閣下もこれで安心でしょう」
「ふふふ、それは君たちもだろう」
ハリー・ホワイト財務次官補と一緒に同席している目付きの鋭い男も大統領に祝いの言葉を述べた。
「朗報にご機嫌な大統領、記事に出来ないのが残念です」
「私と単独インタヴュー出来るんだ、大特種として本社に報告できるよ、ミスタ・ゾルゲ」
ドイツの新聞フランクフルター・ツァイトゥング紙の特派員という肩書きを持つリヒャルト・ゾルゲの言葉に上機嫌で答える大統領、勿論ゾルゲの正体は新聞記者などではない。
「スターリン同志書記長に朗報が送れるほうがより大きな喜びですよ」
「まさか日本の首相の側近にコミンテルンのスパイが居ようとは彼らも考えては居まい、それでコノエを操り海軍に仕掛けさせる。勿論宣戦布告には間に合わないようにして、騙まし討ちということでこの国の世論は一気に開戦に傾き、私の支持に廻る事になる」
「在アメリカ日本大使館の中にも同志はいます、送られてきた開戦通告を遅らせる事など容易い事です」
「確かサイオンジとか言ったな? 日本の元老で公爵だと聞いたが」
「筋金入りの共産主義者です、役に立つと思い外務省に送り込んでおいたのが功を奏しましたな」
「見事だ、これが成功すれば米国とソ連は世界の頂点に立てるだろう」
ルーズベルトの機嫌は益々良くなり、手応えを掴んだホワイトとゾルゲはホワイトハウスを辞した。
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「彼らは行ったな。グローヴス大佐」
「はっ! 部屋の掃除の方も出来ております」
「うむ、マンハッタン計画の方は進んでいるかね?」
「人選は済んでおります、実験用原子炉はシカゴ大学で組み立てを計画、実験成功後はハンフォードに研究所を設けプルトニウムを生産します、同時にロスアラモスにも研究施設を計画しております」
「言うまでもないがこれは我が国の最高機密だ特に、共産主義者達には知られてはならない」
「勿論です、我々のアドバンテージを渡すような事にはしません」
「其の意気だ、で完成する新型爆弾……原子爆弾は実際に使うのかね?」
「勿論です、どの位の威力があるか調べると同時にアメリカが新型爆弾を持っていることを知らしめれば各国が我が国の真の力を知るいい機会にもなりましょう」
「では、どこを攻撃するかね?」
「キョウトが良いと思われます、回りを山に囲まれていますので爆弾の効果を掴むのに丁度良いかと、それに日本の元首都ですからな、与えるダメージは大きいでしょう」
「成る程それは楽しみだな」
「大統領閣下、共産主義者共がこの爆弾の事を知ったらどうするでしょうか?」
「彼らは知る事は無いよ、永遠にね」
「では?」
「開戦がなった時点でFBIに共産主義者共を拘束させる、今は泳がせて置いて何処まで食い込んでいるのか調べている所だ」
「お見事です、いずれはスターリンの頭上に核をお見舞いしたい物ですな」
「君も中々言うね。私もそう思って居たんだよ」
各陣営の様々な思惑の中確実に新たな戦争が起ころうとしていた。
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