「ASSASSIN」
今回は、テスト終了してテンション上がった為か少し長くなってます!
その分楽しめる内容になっていると思います!
それでは、最新話をお楽しみ下さい!!!!!!
1
「盗まれた秘宝ってどんなもんなんだよ?」
俺は、早足で廊下を歩くフィエラの後を追いかける。
すると、フィエラは急いでいる為かなり早口で話した。
「世界には4つの秘宝がある。秘宝はそれぞれ偉大なる神の力を宿しているとされ、いづれも世界を変えてしまうほどの力がある。秘宝はそれぞれ4つの国に預けられ厳重に保管されている。盗まれたのはその一つで、大地の秘宝[ヴェガラ]だ」
大地の秘宝か・・・・。
「ってことは、そいつを使いこなせればこの世界のあらゆる自然は思いのままってわけか」
「端的に言えばの話だがな」
急いでる割には、ご丁寧に俺の呟きに答えるフィエラ。
そして、フィエラは少し黙って、後に大きなため息をついた。
「しかし、まさかゼネルアが敵と通じていたとは・・・・・・」
秘宝が盗まれてから、ゼネルアは行き先も告げず姿を消した。
まず、疑うべきだろう。
宝物庫から出てきたゼネルアの目撃情報もいくらかあがっている。俺自身も出て行くのを目撃してた。
フィエラには残念な話だが、あれは黒だ。
俺達二人は、王の間に着く。
王の前に跪くと、王は頷く。
「二人に頼みたい任務がある」
俺達は、顔を上げた。
それを見た王は、落ち着いた様子で話始めた。
「秘宝が盗まれた件についてだが、二人にはそれの奪還作戦を行ってもらいたい。作戦の概要は特には問わぬ。何をしてでも秘宝を取り戻してくれ」
その時、
ガシャン!
王の間にある窓側割れ、何かが飛び込んで来た。デカい。五メートルくらいはありそうなものだ。
「陛下!」
フィエラは、素早く王を背に庇う。
俺は、M1911を構える。
乱入してきたのは、羽の生えた黒い人型の生き物だった。
「なんだコイツ!?」
すると、フィエラが叫んだ。
「敵のガーゴイルだ!陛下をお守りしろ!」
ガーゴイル・・・・あの架空の生き物かよ。この世界ほんと何でもありだな。
でも、丁度いい!刃のある奴探してたんだ!
俺は、銃をしまい代わりにサバイバルナイフを構えて飛び出した。
ガーゴイルの視線が俺に向けられる。
グオオオ!!!!!
ガーゴイルの砲口で、俺以外の守護兵達が硬直する。
俺は、素早く懐に滑り込み顔面に一閃。そのまま反撃を避けるために背後にスライドする。予想通りガーゴイルは無造作に爪を振り回した。俺はすかさず、その背に飛び乗って頭をメチャクチャに刺しまくった。
ギャアアア!!!
ガーゴイルの手が伸びてくる。
俺は転がるようにして背が降り、距離を取る。
ガーゴイルは、唸り俺を睨む。
あれだけ刺して死なないのか・・・・まるでゲームだな。
俺は、M1911でガーゴイルを撃つ。
ガーゴイルの胸部と首、右脹ら脛から血しぶきが上がる。残弾残り1。変え用マガジンも1。
俺は、再び接近戦を試みる。しかし、激怒したガーゴイルに近づくのは難しい。ガーゴイルは、叫びもの凄い勢いで突っ込んできた。
俺は、その脇をすり抜けることで突進をかわす。
ふと見ると、フィエラの腰に鞭がある。
いいこと思いついた。
「フィエラ!その鞭よこせ!早く!」
すると、フィエラは良くわからないという顔をしつつも、俺に鞭を投げた。
俺は鞭の先に手榴弾を結びつける。
その時、ガーゴイルが再び突っ込んできた。
今度はしっかりと俺を見ている。
これはかわしずらいだろう。
俺は、ギリギリまでガーゴイルを引き寄せて目を一瞬だけ閉じる。
そして、直ぐに目を開けた。
フロー状態に入ったのだ。
突然の雰囲気の変化と、ヒリつくようなプレッシャーにガーゴイルが一瞬怯む。
俺は、素早くガーゴイルの腕に飛び乗り、一気に駆け上がる。そして、ガーゴイルの首に手榴弾をつけた鞭を巻きつけた。ガーゴイルが手を伸ばして来るが俺は、躊躇わず手榴弾の栓を抜いた。ガーゴイルの腕をスレスレでかわし、ガーゴイルから飛び降りた。
刹那
ガーゴイルが首が大爆発する。爆風で俺は転がる。
急いで体勢を立て直し、ガーゴイルを見る。
これは、勝った。
煙が晴れてきてガーゴイルの姿が見えて来る。
ガーゴイルは立っていた。
マジか!?
しかし、よく見ると、その体には胸から上が無かった。ガーゴイルは、ゆっくりとその場に崩れ落ちた。
「フッー」
俺は、長いため息を付いた。すると、周りから歓声が上がった。
フローの使用で消耗した俺は、膝を付く。
すると、フィエラが肩を貸してくれる。
「本当、何をするかと思えば、無茶なことを」
しかし、その顔はどこか嬉しそうだった。
「これが俺の戦い方だ」
俺は、そう呟く。
王は、驚きと喜びの表情で俺を賞賛した。
「アスマを直ぐに手当てしてくれ。ところどころ負傷している!」
王は、直ぐに兵達に指示を出した。
すると、ふとフィエラが言った。
「王よ。そう言えば何故ガーゴイルはここに?この間には、特別な結界が張ってあるはずでは?」
すると、王は無言で考えつつガーゴイルの死骸に近づく。そしてそこである物を拾い上げた。
それは、一つの封筒だった。
そこには、バルセギアのマークが貼り付けてあった。
「こやつらの仕業だろう。もはや奴らの魔を持ってすれば、結界を破ることなど容易いということか・・・・」
王の呟きは深刻さが強く込められたものだった。
俺は、割れた窓から外を見た。
魔女が死んだ今、帰る方法は分からない。仕える王国も危機なようだ。俺に今出きるのは、王とエレナを守ること。戦うことだ。
皮肉なことだな。
分かってはいたが、俺にはいつも戦いが付いて回る。
まぁいい。それが俺の生きる道なら、例え異世界だろうと貫いてやる。
そして俺は、ため息をつきつつゆっくりと目を閉じた。