「ASSAULT」
今回辺りから、バトル中心になると思います!!
皆さん!感想とかお願いします!!!
それでは、最新話をお楽しみください!!!!
1
バルセギア王国
王宮ゼンガルド・アルヴィネア。
その王の間にて。
玉座の前でフォレモスはひざまずいた。
「我が君主。フォレモス只今帰還致しました」
そして、玉座の方に視線をあげる。
玉座には、一人の男が座っていた。目のあたりに覗き穴がそれぞれ五つつずつ十字に開いた仮面を付け、荒々しく銀色の髪が伸びている。唯一王らしく見えるのは、その身に纏う黒に金と赤の装飾の施されたマントのみ。
これがバルセギア王国国王のドゥルガルド・バルセギア?世だ。
ドゥルガルドは、低い声で言った。
「で。首尾はどうだった?」
すると、フォレモスはニヤリと笑う。
「はい。実験は成功です。魔女を捕食致しまして3日。なんの副作用もなく、魔の力を手に致しました。ごらん下さい!」
そう言って、フォレモスは手を横にする。するとその手に炎が灯る。
それを見たドゥルガルドはゆっくりと頷いた。
「よし。ならば早速地下に捉えてある魔女7人をいただくとしよう。直ちに料理させよ。血は、酒に混ぜて持ってこい」
「御意」
そう言ってフォレモスは、ふわりと消えた。
ドゥルガルドは玉座の後ろに隠れているものに声をかける。
「貴様もどうだ?共に魔を司らぬか?」
しかし、その者は首を振って言った。
「あいにく既に極を収得している身。魔を内に抱えるには容量に余裕がないものでしてね」
すると、ドゥルガルドがフッと笑う。
「まぁ、よい」
ドゥルガルドの呟きにその者も静かに笑う。
そして、そっと言った。
「・・・・そろそろですな」
×××
魔女殺しの事件から3日。
アパルエナ城の中は、慌ただしかった。
あの後、ことの終始を王に報告した。
王はそれを聞いてひどく慌てていた。
何故そんなに慌てるのか分からない俺にフィエラが説明してくれた。
どうやら魔女の捕食は、その力を奪う術らしい。この世界で魔法は珍しいものではないが、人間の持つ魔力量的に大量の使用は不可能となっている。しかし、魔女は特別な修行と生まれながらにしての才能故に普通の人間の何倍もの魔力を保有している。魔女からこの力を奪えば、奪った者は自分の魔力と魔女から得た魔力の両方が内で混ざり未だない莫大な魔力の器を得ることになるそうだ。
そんな力を最近仲の悪い隣国が得たとなるとこちらとしては、脅威にしかならないということだ。
なら、こっちも魔女喰えばよくね?って思うのだが、魔女は数が少なく見つけにくいらしい。境界の魔女が例外なわけで殆どの魔女は人前に現れないらしい。
そしてなにより、この国の王は人道的で例え魔女でも人間は食べらんない。と考えている。
まぁ、そんな訳で城の中は、戦争の準備やらなんやらでごった返しとなっている。
エレナは、あの後しばらく食べ物が喉を通らない状態が続いたが、昨日ようやく食事が可能となった状態である。
たしかにあんたもの見れば、食事なんでできやしない。俺は戦場でいろんなものを見てきたから、そこまでダメージはなかった。しかし、気分はそれなりに冴えないものだった。
エレナの専属兵士故に特にすることもないので、俺は城壁の上を散歩した。
今日は良い天気で相変わらず2つの太陽が輝いている。
エレナに聞いた話だが、西の方がリェウリア。東の方がウァンメアというらしい。
発音むずっ。
そんな事を考えながらふと遥かにある国境の方に目を向ける。
?
空に鳥の群れのようなものが見える。数は鳥の群よりはるかに多くてまるで雲のようだ。
俺は近くを通った兵を呼び止めた。
「アレ何?」
すると、兵士も不思議そうな顔をして双眼鏡を取り出して使う。
そして、
「敵だ!バルセギアが攻めてきた!!!!!!!!」
兵士は双眼鏡をほっぽりだして叫びならが走って行った。
敵?
俺は、兵士の落としていった双眼鏡を使う。
まず見えたのは、ドラゴンだった。いや、ドラゴンよりは鳥っぽい。ワイバーンかな?その数二百以上はいるだろう。そして、その上には黒い甲冑の騎士達が多数。
なるほどね。確かにバルセギアの連中だ。
その時、場内と国内の至るところで敵襲を知らせる鐘が鳴り響いた。
城下町が慌ただしくなって行く。
俺は急いでエレナのもとに向かった。
エレナの部屋に飛び込むと、エレナが短い悲鳴を漏らす。
「脅かさないでよ!」
「んなこと言って、悠長にしてる余裕ねぇぞ?」
俺は、エレナの手を引いて王の間に走った。
兵士達の間を縫って走る途中、俺は先日会った騎士のゼネルアを見た。一瞬しか見えなかったが俺は違和感を覚える。
今、あいつ・・・・笑ってなかったか?
そんなうちに俺とエレナは王の間に到着する。
その時、
物凄い爆音が外から聞こえてくる。
「始まったか・・・・」
王が呟いた。俺はエレナを王の間に残して元来たルートを駆け戻る。王の間は、特殊な造り故に守りは万全。たしか魔法結界的な仕掛けもあるとかなんとか・・・・。
戦場へと駆ける俺の内にふつふつと熱いものが湧き上がってくる。
これは、興奮だ。
やはり俺は、戦場でこそ生きることが出来る。戦場こそが俺の生きる場所なのだ。
そう思いつつ、俺は呟いた。
「さぁ。仕事の時間だ」