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「CIRCUMSTANCE」

実は現在テスト期間まっさ中なんですよね(笑)


でも勉強頑張りながら、書いてます!



それでは、第三話をお楽しみ下さい!!!!!


世界各国を飛び回っていた俺にとって城や大聖堂は、たいして珍しいものではない。

しかし、目の前にある城はこれまで見てきたものとは格が違った。


デカいし、何つうか、ヤバい。めちゃくちゃ綺麗だ。世界文化遺産のサグラダファミリアが鼻で笑えるレベルの偉大さを放つこの城がこのアパルエナ王国の城なのだ。

巨大な三本の塔による三角形の城壁に囲まれその内側には繊細な作りの西洋風の城が建っている。城壁や塔の装飾もさることながら、城自体の装飾やデザインが幻想的である。流石は、魔法の世界という感じである。


馬車の中から思わず見とれている俺の横で、クスリと笑い声がする。

エレナだ。

「んだよ?」

俺の不機嫌な言葉にエレナは、ニコッと笑う。

「いいえ。なんでも」


そこで俺は、さっきから遺憾に思う事柄を口にする。

「つか、テメェ何してんだ」

そう言って俺は、エレナを見る。

エレナは、俺の腕にヒシッと抱きついて体を密着させている。

馬車に乗せられてからずっとこうなのだ。

「何って?ねぇ?その私を救ってくれた運命の勇者様にくっついてるだけよ?」

「何が勇者様だ。アホか。運命とか気持ちワリィ!ってか、さっきまで脅されてたの忘れたのかよ!?」


そう。俺は先ほどまで銃でこの少女を脅して、この世界の事情を聞こうとしていたのだ。


が、エレナはすました顔でこう言った。

「でも、実際には当てなかったじゃない?例えそれが厄介ごとを避けるためでも、私はいいよ?何よりはじめに助けてくれたし」

そう言って、上目づかいにこちらを覗いてくる。


ダメだ・・・・俺こういうの苦手なんだ。

「はっ。どうだかよ」

俺は、吐き捨てるようにそう呟いて窓の外に顔を向けた。




数十分後。


俺は、エレナに引きずられるようにして王の前に連れて来られた。

王は、五段程高い位置にある玉座に座っていた。見た目はまさに物語にでる王様だ。長い髪に口を覆う髭と金の冠。赤いローブを身にまとう姿は、かなり厳格そうに見える。

部屋一面に張り巡らされた赤いジュータンと、実際に王の着ているローブを見て俺はアホな感想を感じる。


こいつ赤好きなんだな。


そんなことを考えていると王が言った。

「私の名はエリヌエス。この国の王だ。話は先刻、使いの者から聞いた。娘を救ってくれたこと感謝する。何か褒美を取らせよう。何か望みはあるか?」


面倒くさい。つか、褒美とかいらねぇ。金って言っても、どうせこっちと向こうじゃ価値違うし。


しかしまぁ。ひとまず何か答えなくてはならない。

俺は、少年兵らしく堂々とした態度でその場に跪き言った。

「まことこの身に余るお言葉。恐縮であります王よ。わたくし偶然にして姫君を助ける形になりましたが、けして褒美をいただけるには値しない働きと存じます故、どうかお気になさらず」

すると、王は愉快そうに笑った。

「はっははは!遠慮など要らぬぞ少年?その謙虚かつ年の割に堂々とした態度気に気に入ったわ!どうだ?褒美とは別に私臣下に加わらぬか?実力も申し分ないと聞く」


どんどん話が面倒くさくなっていく。


俺は、ひとまず褒美の話から順に片付けることにした。

「まことありがたきお言葉です。王よ。・・・・ではと言っては何ですが、褒美の希望を述べてよろしいでしょうか?」

すると王はニコニコと笑いながら頷いた。

「よい。述べよ」


俺は、正直褒美はいらん。ならば、今必要なものを貰う。それは情報だ。


「王よ。わたくし実は、異界からこの世界に迷い込んだ者でございます。故に世界の事情があまりつかめておらず、まだ少々混乱しております。つきましては、どうかこの世界のことについていろいろとわたくしめにお話願いたく存じます。そして、先ほどの臣下へのお誘いですが、わたくしがもとの世界に戻るまでの間でしたら喜んでお受けいたします」


ひと通り話終えた俺は、フーッと息を吐いた。

内容はあたり触りないはずだが、異界の者ということで偏見を食らっていないといいなと思う。

そう思った時、王が口を開いた。

「ほう!異界の者か!!どうりで見ない格好をしていると思った。よいよい!この世界のことだな?それについては娘に語らせよう。私は普段は政治やらで外に出る機会が少ない故、あまりこの世の事情を詳しく話して聞かせる自信がないのだ。娘なら普段からあちこち出歩いてるものだからいろいろと話せるだろう。それでよいかな?」


俺は、コクリと頷いて頭を垂れた。


王は、それを見て満足そうに笑い。続けた。

「そして、臣下に加わる件。その条件をのもう。これより少年お前はもとの世界に帰還するまで、私の臣下となれ」

「はっ!!!」

威勢良く返事をした俺は、やれやれと胸をなで下ろした。


その語王の間を出る際、王が思い出したように言った。

「まだ名前を聞いていなかったな。少年!名をなんと申す?」

俺は振り返って、言った。

「アスマ・リエンです。アスマとおよび下さい」

すると、王はうむと言って頷いた。

「おぉ!それとだな。アスマよ。お前はこれより1日ほど軍人見習いをした後、娘の専属兵になれ。世界の話はその時、聞くがいい」




なんであの女の専属兵なんだ・・・・・・・・。




こうして俺の異世界ライフは幕を開けた。


いったい、俺はいつ帰れるのだろう。





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