「MADNESS」
いやぁ
今回は、いろいろな話が混ざりに混ざってるんで、理解しづらかったらゴメンナサイです!
でも、頑張って書いたので、良かったと思って貰えたなら幸いです!(-^〇^-)
では、最新話をお楽しみ下さい!!!!
1
少し離れた所で雷を更に激しく大規模にしたような音が響く。
突然の爆音に俺達は身構えた。
「あぁ~。破られちゃったかぁ」
サーリャが呑気な声をあげる。
「何が起きた?」
フィエラが窓の外を見ながら聞く。
すると、サーリャは後ろ頭をかきながら答える。
「私さ~。極の研究してることもあってさぁ狙われてんのよ。やっぱり極について詳しい人物って貴重なのよねぇ。あ。あと私美少女だし?狙われるのも当たり前かなぁ?」
悠長にボケをかますサーリャに俺は、鋭い視線を向ける。
「んなことはいい。さっきのは、何の音だ?」
俺の苛立ち気味な口調にサーリャは、肩をすくめた。
「半径三キロ圏に張ってある結界が破られたみたい。あの結界破れるのは極使いだけだから、今回はなかなか面倒くさそう」
「どこの連中だ?」
「バルセギアだろうね」
また、バルセギアか。バルセギア悪者過ぎるだろ・・・・。
俺は、ベッドから降りて装備を整え始めた。
すると、
「まだダメ!」
エレナが俺の背にヒシッと抱きつく。
「あ?」
「まだダメ!もう少し休まなきゃ!」
俺の苛立ち全開の声にも諸ともせず、エレナは俺を離さない。
「んなこと言ってたら、逆に殺されるだろ?あいつらが来て、俺達がいるのがバレたらどっちにせよ戦闘だろ」
そう言うと、エレナは手の力を緩め代わりに頬を膨らませる。上目づかいな目線がなんだか見ていてどぎまぎする。
いちいちあざとい。
この世界は、フィエラ以外あざとい女しかおらんのか!!
俺が白い目でエレナを見ていると、フィエラが言った。
「アスマ。お前は、姫を守れ。私は、ワイバーン達と迎撃にあたる」
すると、サーリャもニヤリと笑う。
「んじゃ、私も行こうかな?」
「「え?」」
サーリャの言葉に思わず俺とエレナは、声をあげる。
すると、フィエラはため息混じりに説明した。
「サーリャは極使いなんだ。だから、まぁ並み以上に戦えるんだ」
だから、余裕こいてたのかよ・・・・。いちいちお決まり展開すぎるだろ。
2
元の世界
バミューダトライアングルの海域。
無数の捜索隊のヘリコプターに混じり、一機の個人ヘリコプターが飛んでいた。
ヘリコプターの中では、ひとりの若い男が足を組みソワソワとしていた。
男の名は、霧原 明日露。見た目は二十代前半、サッパリとした赤色の短髪に爽やかで色気のある容姿。かなりのイケメンだ。組んだ足も長く身長もかなりある。
霧原は、ヘリコプターの操縦席に向かって声をかけた。
「シャカ!本当にこの辺か?」
すると、操縦席に座っている男が答えた。
「そのようですな!ガクラ殿より送られた座標はここに間違いないでしょう!」
この操縦席の男、名をシャカと言う。
日焼けした筋肉りゅうりゅうの肉体に彫りの深いハードボイルドな容姿。オールバックヘアーにサングラスまでしていてかなり迫力がある。
年齢は三十代後半に見える。
シャカは、続けた。
「しかし、明日露殿!もう感じておられるとは思いますが、この海域・・・・時空間の乱れで次元ゲートの位置が特定出来ません!」
その時、明日露の持つスマホに連絡が入る。
「はい?明日露です!」
ヘリコプターの音に負けないよう大きな声で話す。
すると、向こうからもかなりの大声が聞こえる。
『もしもし?明日露?あのさ!今、俺既にあっちの世界飛んでるんだわ。だから、無理に調査しなくていいぞ?暇なら、来てもいいけど!』
「いやいや。いきなり言われても、もう調査場所来てるし!つかよぅガクラ!お前、既にいるって、次元ゲートどこにあったんだよ?」
明日露は、少しひきつり気味な表情で言う。
すると、向こうから一言。
『自分で開いた!!』
「テメェは神か!!」
『神より上ですが何か?』
そこまで聞いて、明日露は少しため息を付く。
「まぁ。その・・・・わかった。俺達は引く。あとは任せた。・・・・でもよガクラ!お前そろそろ他の世界とか回れよ!全然収拾ついてないだろ?」
しかし、向こうは無言だった。
「聞いてんのか?」
『あぁ悪い。それよりさアスマくんだっけ?なかなか興味深いよ?』
いきなり関係ない話をされたが、霧原は厳しい表情になる。
「極を手にしたとは聞いたが・・・・」
『そうだな。でも、まだまだ伸びしろがある。まぁ、見守るとしようや。俺達がやるのは事後処理だし』
そして、向こうはいきなり通話を切った。
霧原は、やれやれとため息を付く。
「シャカ!すまない。帰ろう。既にガクラが向こうに行ってるようだ」
「了解!」
シャカが微笑しながら返事して、ヘリコプターが引き返し始める。
遠のいていく調査場所を窓越しに眺め、明日露は渇いた唇を舐めた。
やれやれ。
今回の物語は、なかなか面倒くさそうだな。
3
サーリャ宅付近。
「やることが多すぎやしねーか?なぁフォレモス?」
中年の男がフォレモスに声をかける。
「確かに最近予定が詰んでますな。でも、一通り終われば楽になりますよ」
「だといいがな」
二人の周りには複数のバルセギア軍の兵が集まっていた。
フォレモスがその中心に立って言った。
「皆さん!注目!」
すると、一斉に兵達がフォレモスに跪く。
それを中年の男だけは、気だるそうに寝転んだまま眺める。
「皆さん!これより、作戦の確認を致します!今回の作戦は、サーリャ博士の誘拐です。殺害は禁じます!しかし、抵抗するなら多少の傷はおおめに見ます」
そう言って、フォレモスは確認するように辺りを見回した後、続けた。
「では、役割分担!第一から第八小隊は、作戦地帯付近の包囲。第九から第十二小隊は、ドルギドムさんと突入。サーリャが極を使用した際は、ドルギドムさんに任せて一時退避なさい。私と第十三小隊は、総指揮と連絡を。残りの第十四から第十九小隊は、増援準備の為、私達の所で一時待機。・・・・以上です。突入のタイミングとサーリャ確保の手順は任せます。では、各自持ち場へ!!!!!!!」
フォレモスが言い終わると、兵達は素早く持ち場へとかけて行った。
残されたのは、フォレモスと第十三小隊、そしてドルギドムと言われた中年の男だった。
ドルギドムは、よっこらせと立ち上がる。
「ひさびさに腕がなるなぁ。でも、相手が女ってのはイマイチだ」
そんなドルギドムの呟きにフォレモスがそっと言った。
「大丈夫ですよ。さっきマジックソナーを飛ばしたのですが、どうやらあの家にいるのはサーリャだけではないようです。少しは楽しめるかと・・・・」
すると、ドルギドムの目がギラリと光る。
「そりゃぁ、いい」
持ち場に向かうドルギドムを見送りながらフォレモスは、呟いた。
「さぁて、彼相手にどれほどの健闘を見せますか?アスマくん・・・・」