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「MALICE」

近々、挿絵をつけてみます。

あまりうまくないかもですが、そこはお許しを!!

きちんと投稿できるのかな?


それでは、最新話をお楽しみください!!!!


黄金の光がフロアを満たす。

ゼネルアは、何事かと拳を止めた。

「うおおお!!!!!!!!!!」

俺が叫ぶと、光が一気に手元に収束した。

そして、俺の手には黄金の光の大剣が握られていた。


フロアにいた全員が驚いている。


フィエラすら戦いの手を止めてこちらを凝視している。


しかし、俺は誰の視線にも反応することなく、地を蹴った。


一瞬だった。

一瞬にして、ゼネルアの腕が消し飛んだ。

「うがあああ!!!!!!!」

吹き出した血を見て、ゼネルアが苦痛の叫びをあげる。


この剣の威力を目の当たりにし、俺は確信する。

これは極なのだと。


「俺が極を・・・・」


俺は、苦痛にもがくゼネルアに向き直る。


今なら、殺せる。


だが、俺はその剣を降ることはしなかった。何故か分からないが俺はこの男に留めがさせないと思った。それが同情なのか、それとも強者の奢りかは分からない。

仕方なく、代わりに大声で叫ぶ。

「フィエラ!一度引く!!!」

俺言うなり、エレナを抱き上げてダブルに飛び乗った。

フィエラはそれを見て頷き、自分のワイバーンに飛び乗った。

「また、来る」

そうだけ言って、俺はダブル、エレナと崩壊した壁の間から外に飛び出した。

フィエラもエレナのワイバーンも後に続く。


敵城を発つ際、微かにフォレモスの声が聞こえた。

「また、お待ちしておりますよ。アスマくん」


妙に耳に残る声に鳥肌がたつ。


俺が忘れようと頭を降っていると、エレナがそっと俺の首に手を回した。

「ありがとう。また助けてくれたね」

エレナがニコリと笑う。

「はっ!俺は仕事しただけだ。別にテメェに思い入れがあったわけじゃ・・・・」

最後まで言えなかった。


一瞬何が起こっているのか、わからなかった。

すごく簡単に言うと、俺の頬にエレナがキスしたのだ。


時間が止まった・・・・・・ように錯覚する。

「止めろ。撃ち殺すぞ」

俺は、邪険な物言いでエレナを引き剥がす。

すると、隣から笑い声が聞こえる。

「アラアラ?関心しませんなぁ〜見せつけてくれちゃってぇ」

フィエラだ。

いつの間にか、隣に来ていたようだ。

「バカか」

俺は、その一言で全てを切り捨てる。

エレナは、まだ俺にピッタリとくっついていた。

俺は、ため息をつきつつ皆に言う。

「一度降りよう」

異論は、無いようだ。

皆の反応を確認した後、俺はダブルを着陸させた。



地面に降りた俺は、まだ握っていた黄金光剣を光に戻した後、内にしまう。

「まさか。異界の者が極に覚醒するとはな」

振り返ると、フィエラが鎧を外しながらこちらを見ている。

「まぁな。俺も驚いてる」

俺は、当たりを見回した。

いい場所に降りた。周りは森で、自分達のいる場所はちょっとした草原。

少し休むには丁度いい。


俺がゆっくりと伸びをした時、不意に視界が歪む。

「あ?」

続いて体から力が抜けていく。


あ。フロー使い過ぎた。


意識が薄れ、俺はその場に倒れ込んだ。

遠くでエレナとフィエラの声が聞こえる。ダブルの鳴き声もした。

でも、その声や鳴き声はどんどんと遠ざかりやがて消えた。



少し休むか。



そう思った時、完全に意識が途絶えた。









アスマ達の去った場内でフォレモスは、薄笑いを浮かべた。

「何故奴らを逃がした?」

救護班の手当てを受けながら、ゼネルアが問う。その姿は、元の人間のものに戻っている。

ゼネルアの言葉を聞いたフォレモスは、首を降る。

「わかってないですねぇ。彼らはなんでここに来たと思います?」

「秘宝を取り返すためだろ?」

「そう。ならばまた来るでしょう?彼らは彼らの目的を果たす為に。・・・・そりに深追いは無意味。極に覚醒したアスマくんはいわば脅威。それに加えて守りと弓の極使いもいる。追跡班程度一瞬にして壊滅させられることぐらい、火を見るより明らかなこと。それにこちらも痛手を負っている。今は、内側に目を向けることが先決ではないかと?」

それを聞いて、ゼネルアはため息をつく。

「まぁ。その通りだと思う」


その時、

「ギャハハハハハ!!!!!!幹部が二人揃ってボロ雑巾みたいになりやがって!情けねぇなぁ!!!!」

突然にフロアに大声が響く。

二人が顔をあげると、そこには銀髪赤眼の少年が立っている。

「レザックくん。今までどこに?」

フォレモスが聞くと、レザックと呼ばれた少年はニヤリと笑う。

「本当は駆けつけたかったが、アンタらいるなら大丈夫だと思ってよぉ?王の護衛をしてたぁ!」

それを聞いて、ゼネルアは鼻で笑う。

「てっきりまた、昼寝でもしているのかと」

すると、レザックはその場から消える。

そして気が付くと、ゼネルアの正面に立っていた。

レザックはゼネルアに顔を近づける。

「あんま見くびんなよ?俺が出てりゃ、あんな奴ら瞬殺なんだよ。あ?」

そう言われて、ゼネルアは苦い顔になる。

「レザックくん。そのへんにしておきなさい」

フォレモスが言うと、レザックは今度はフォレモスの前に一瞬で移動する。

そして、拳を突き出した。

が、フォレモスには当たらない。

レザックの拳はカクリと軌道を変えてフォレモスから反れてしまう。

「私には、当たりませんよ?」

フォレモスが笑うと、レザックは舌打ちする。

「ったく。面倒くさいやつだな。・・・・・・それより、子供扱いすんな」


そう言って、レザックはフォレモスから離れた。

そして、ふと思い出したように言った。

「あぁ。そう言えば王からのお知らせだが、・・・・・・もうアレ始めるってよ?」


すると、二人は微笑する。

「なるほど。このタイミングでですか」

「いいと思うぞ?そろそろだとは思ってたからね」



フロアに不気味な空気が流れる。




闇は直ぐそこに迫っていた。






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