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「AWAKENING」

今回遂に主人公が主人公らしくなります(笑)


あれ?いままでも主人公らしかったですか?


まぁ。あれですよ。私的な感想です(笑)

それでは、最新話をお楽しみ下さい!



「舐めんな!!!!」

俺は、剣を拾って飛び出した。

すくい上げるような横降りをかますが、ゼネルアには当たらない。

「何故なら、君は足を滑らせるからだ」

ゼネルアが言った直後、俺は足下に違和感を覚える。


キュッ


スリップだ。

慌てて、そのままゼネルアの横をつんのめりつつ駆け抜ける。そして、剣を床に突き立てることでこけるのを防いだ。


事を確定しそれに至る因果を操作する極。チートも良いとこだ。


「なら!!その口が開く前にぶっ殺してやる!!!!」

俺は、フローを発動する。

一気に思考、胴体速度、肉体速度が高速化する。

俺は、素早く正面に入るが左右にブレるフェイントから、脇をすり抜けて背後に回る。そして一閃。

しかし、その攻撃はゼネルアが素早く背に回した剣に阻まれる。

「!」


見切られただと?


しかし、動揺はミスを呼ぶ。そう考えて、俺は気持ちを切り替える。

すぐさま、ゼネルアが振り返る前にその背に次々に剣撃を与えた。

だが、ゼネルアはそれを顔だけ振り向いた状態でどんどん捌く。

「ちぃっ!」

俺は、唸るように吐き捨て、飛び退く。

すると、俺と入れ替わるようにダブルが前に出て、突風を巻き起こした。

ゼネルアが後ろに飛ばされそうになる。

それを見たフィエラは、光の矢を無数に放った。

光の矢は、突風と共にあらゆる方向からゼネルアに襲いかかった。


その時、

突然の爆発と共に突風と光の矢がかき消された。

「ゼネルア殿。苦戦しているようですな。助太刀致しますぞ?」

妙に高い声がフロアに響く。


見ると、ゼネルアを庇うようにして一人の男が立っている。

フォレモスだ。

「出やがったな!気違い仮面!」

俺が叫ぶとフォレモスは、笑う。

「これは、久しぶりですね。アスマくん。・・・・出来れば君とは、事を交えたくはなかったんですがねぇ」

小馬鹿にした様な口調が実に腹立たしい。


すると、フィエラが前に出る。

「この者は私が相手する。アスマはゼネルアを!」

俺はちらりとフィエラを見て頷いた。


「おやおや。私の相手は、そこのお嬢さんですか 」

フォレモスがクスリと笑う。

「あまり舐めてると、その首が消し飛ぶことになるぞ?私はこう見えて騎士だ!」

フィエラは、そう言って弓を引いた。

「そうですか。・・・・ならばわたくしも、研究した魔術をご覧に入れましょう!!」



ひとまず、気違い仮面はフィエラに任せるとして・・・・。


俺は、改めてゼネルアに向き直った。

「ゼネルアさんよ。あんたやけに良い反射神経してんな?本当に人間か?」

そう言って、ゼネルアを睨む。

実際、フロー状態に対抗するだけの反射神経を得るには、同じくフロー状態に入る他無い。

それだけフロー状態の人間の覚醒度は絶対的なのだ。

それにヤツの使う極もあくまで因果を操るだけで、フロー状態に直線対抗できる反射神経を得る説明にはならない。


なら、何故反応できた?


すると、ゼネルアは笑みを浮かべた。

「アスマとか言ったよね?良い目してるよ本当に。そう私、人間じゃないんだよ」

「は?」


言っている意味が理解出来ず、思わず疑問の声をあげてしまう。


しかし、俺はその後未知の光景を目にする。


ゼネルアが見る見るうちに、姿を変えていったのだ。例をあげるなら、特撮ヒーローもので、人間に化けていたモンスターが本性を表しているような状態だ。


「私はねぇ。アークオーガと言う生物と人間のハーフなんだ。アークオーガは、並ならぬ反射神経と怪力で知られる壊神。その血を受け継ぎ、更には最強の極まで手にした私は正に神!」

そう言いながら、ゼネルアは変身を終える。

突出した筋肉で衣服と鎧が弾けている。青黒い肌に真っ赤な口と黄色い目が不気味さを際立たせる。尖った耳に逆立った髪、サーベルの如く伸びた爪。体長もワイバーンを越す大きさとなっている。これは、モンスターと呼ぶ他無い。


「キモイな。神って言うより、筋肉団子だな」

俺は、そう言って地を蹴った。

無駄なモーションを省いた動きだ。これなら更なるスピードが期待出来る。

俺は、正面に入るフリをして、左に飛び退く。そこに予想通りゼネルアの巨大な拳が落ちる。俺は、その影に入り、脇したに潜り込む。そして、剣を降った。


捉えた!


と思ったがまたして、よけられる。

「君は動けない。何故なら、周りを瓦礫に囲まれるからだ」

「何!?」


刹那。

宙から、瓦礫が落ちてくる。天井が崩壊したものだろう。

俺は、フローをフル活用してその瓦礫を交わして行く。

しかし、全て交わした後に気が付く。

ゼネルアの言った通りになったと。


俺は周囲を瓦礫に囲まれてそこから出られない状態になる。

「くそが!」

叫ぶと同時に頭上からゼネルアの拳が降ってきた。


マジか!!


目を見開き、なんとか交わせないか考えるがどうにもならない。

その時、

「アスマーーーー!!!!!!」

エレナの声が聞こえ、俺を光の層が包み込んだ。


ガン!


ゼネルアの巨大な拳が光の層にブロックされる。

衝撃こそ来たが、ダメージはなかった。

エレナの極だ。

俺は、すかさずM1911を取り出して発砲した。

乾いた音と共にゼネルアの腕から血しぶきがあがる。

しかし、浅い。

厚い筋肉に阻まれて致命傷にはいたらなかったようだ。


が、ゼネルアは驚いていた。

「むっ!?」


そして俺は思い出す。

この世界の住人は、銃を知らないのだ。


だが、だとしても致命傷にならないのであれば、さして意味もない。


そう考えていると、ゼネルアが遠ざかって行くのが分かる。

「どこへ行く!!?」

すると、ゼネルアは笑う。

「君をつぶす前にあそこの姫様を潰そうと思ってね。あのシールドは厄介だからな」

「テメェ・・・・」

俺は、歯ぎしりしどうしたものか考える。

が、考えるより先に頭上に何か来た。

ダブルだ。

ダブルは、直ぐに俺を掴みあげて瓦礫から脱出させた。

「そっか。お前がいたな。・・・・ありがとよ」

着地した俺は、周りを見た。エレナがゼネルアの攻撃を交わしながら、逃げ惑っている。ワイバーン達は、なんとかしてゼネルアを止めようと攻撃するが大して効いてない。

「ちょこまかと・・・・・・」

ゼネルアが苛立たしげな呟きを漏らす。


奴は、俺が瓦礫から抜けたことに気が付いてない。

なら、今がチャンスだ。

だが、ヤツはガーゴイルと違ってかなり肉体的にも能力的にも強い。俺の持つ武器程度で倒せるとは思わない。


そこでふとあることを思う。

俺も極が使えれば・・・・・・。と。


改めて、己の無力を感じつつもどうにか、手はないか考える。


そうしているうちにもどんどんエレナは追い詰められて行く。


その時、エレナが転けた。

ゼネルアがそこに思い切り拳を振り下ろした。


ガチン!!!!


エレナは、シールドを張ってなんとか防ぐが、シールドに少しずつ亀裂が入っていく。エレナの顔も苦痛に歪んでいる。


もう保たないのだろう。


「っっっ!」

俺は、飛び出した。


何か打開策があった訳ではない。無意識だった。ほぼ反射に近い。

別にエレナを助けることに思い入れなどない。だが、それでも俺を飛び出させたのは兵士のプライドだろう。

俺の兵士としてのプライド。それは、何が何でも任務をこなすこと。例え命の危険があったとしても。それでもし、命がついえるなら寧ろ本望だ。それは、沢山の命を殺めた罪の償いとして甘んじて受け入れよう。


俺は、フロー状態切れかけにも関わらず全速力で走った。

そして、エレナのシールドが破壊された瞬間にエレナを突き飛ばし変わりに自分が拳の前に躍り出た。


死んだ。

間違いなく死ぬ。

こんな化けもんの全力パンチ、受けて無事な筈がない。

まぁ。いい。エレナは守れた。任務はきちんとこなした。あとはフィエラがどうにかしてくれるだろう。


俺は、もう避けれないほど近くにある拳を見る。




本当にこれでいいのか?




突然として、そんな疑問が全身を駆け抜けた。

何故だ?と思った時、ふと遠い日の記憶が脳裏によぎる。それは、とても昔のこと。でもとても大事なことだった。戦いの中で無意識にも心の底にしまってしまったのだろう。だが、思い出したおかげで俺は決心した。

そして、強く心に誓う。


俺は、まだ死ねない!!!!


直後、俺の全身から黄金の光が溢れ出した。






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