友達作り
共和建設に入社して二週間
なんの、変化もなく事務所でゴロゴロしていた登に初仕事が舞い込んできた。
作業着に身を包む登は懐かしい匂いとぬくもりに心を満たしていた。
その、作業着は共和曰く登の父がきていたものであるらしいが
下はいわゆる盆短で上は所々血痕が残っている少し丈の長めの作業着だが
登は何より自分の父がこんなものを着て生計を立てていたことに驚いた。
「やはり、似合うじゃねぇか!登、これから初仕事に向かってもらう。」
にやりと口を開きながら喋る共和の顔は、どこか意味ありげな雰囲気をかもし出していた。
「で、初仕事は?」
堂々としつつつも、少しビビリ気味な口調で登は聞いた。
「初仕事は、お友達作りだな!」
「え?」
登は緊迫した雰囲気とは裏腹のお友達作りというほんわかした単語に腰を抜かした。
「意味がわからないけど」
「実はこう見えて我が共和建設は人材不足なんだ。というわけで!街には今行き場所がないギャングチルドレンがわんさかいるわけだから
その中から面白そうなやつを一人でも良いから引き抜いて来い!」
共和は笑いながら喋っていたが、というわけでといわれてもどういうわけなんだよと
半ば疑問を感じている登の顔はさっきよりも引きつっていた。