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狩谷 登
入学式が終わり生徒が次々と教室へ向かう中
金髪にピアスいかにもな風貌をした少年、狩谷登は生徒の列の最後尾を
少し大きめのまるで、外の世界の音を遮断するかのようなヘッドホンで音楽を聴きながら
ゆっくりとけだるそうに歩いていた。
狩谷登には両親がいない。それは彼がまだ5歳の時
街のギャングに家を包囲され、人質だった彼をかばうようにして
金品を受け渡し自らも焼身自殺で命を亡くした。
そして、後日焼け跡からは何も残らなかった。
そう、kyouwaの6文字のダイイングメッセージを残して・・・