入学式
桜にパトカー、ここまで合わないものなんてあるのだろうか
陽南高校入学式当日
近年、入学式や卒業式という学校の大規模な行事などではテロ
に備え、厳重な警備態勢をとっての事である。これは、未来を担う子供たちには平和な日常を過ごし、少しでも未来の治安改善を目指すという大儀の元岐阜県が定めた条例であるが、この御時世、生徒も生徒である。毎年陽南高校には繁華街にいるギャングとさほど変わりのない風貌の生徒が入学してくる。
これでは、犯罪者を警察が警備する形になってしまい、滑稽以外の何者でもない風景である。
「平和40年度、入学式を始める!起立!」
2053年は和暦に直すと平和40年
平和という年号は当時の天皇が平和を願ってつけられたものである。
その思いとは裏腹に起立の号令で起立する生徒などいなかった。
「生徒諸君!君たちはこの荒れ狂う世を少しでも変えていこうと思いこの学校にきた来た事と
私は思っている。しかし、校内でも恐ろしい犯罪行為が日常的に起こっていることはもはや明確
このことは包み隠さず生徒諸君に打ち明けるべきだと私は解釈し、今この場所で諸君に話しをしているわけだが
どうか、頼む!この高校生活三年間、どうにか心を悪に染めずに有意義な学校生活を送り、大いに青春を謳歌していただきたい!
話は以上だ。」
学校長の話はいかんせん長く生徒に苛立ちを覚えさせるというのは
もはや、セオリーであるがこの学校いや、この御時世
生徒に苛立ちを覚えさせる=新たな犯罪因子を生むこと
この公式が成り立つこの世界では、これもまたひとつのセオリーである。