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魔王軍襲来(3)

 「……この俺を……本気にさせた罪は重いぞ!灰も残さず消滅させてやる!」


 奴は巨大な身体を怒りで震わせながら口から白く発光する灼熱の炎を吐き出した。

 俺は再び七枚の盾__『堅牢なる七盾(アイアス)』を発動して周りへの被害も全て防ぎきる。

 そして今度は闇を鎌に纏わせて奴の鱗をまるで紙のように容易く切り裂く。傷口から大量の鮮血が飛び散り奴が絶叫をあげる。


 「……お、のれえぇぇ……!」

 「……あまり時間をかけるわけにはいかないんだ。悪いが次で決めさせてもらう」


 俺は魔力を鎌に流し込み、鎌がだんだんと濃い波動を身に纏うと同時に魔力を流し込んでいる俺の身体の至る所で『闇化』と『光化』が同時に発動し、俺の身体が闇と光に変化する。


 「__ふざけるな、下等種如きが!竜種の頂点たるこの俺が貴様などに敗北する筈がないのだ!滅びるが良い__『竜の息吹(ドラゴンブレス)』!」


 奴の口から青白い魔力の塊が純粋な破壊力となって吐き出される。

 竜種専用の魔法『竜の息吹(ドラゴンブレス)』は他の魔法では防ぐことは叶わない正に竜の名に相応しい技だ。

 だが俺にはあの神様(笑)から貰い受けた装備がある!俺は身に着けていたボロ布で『竜の息吹(ドラゴンブレス)』を受ける。

 奴は最初、自らの勝利を確信して口元をにやけさせたが、それは直ぐに驚愕へと変化した。


 「__生憎、このボロ布は特注でね。『竜の息吹(ドラゴンブレス)』を無効する。これで終わりだ__『光闇斬ライトダークスラッシュ』」


 光と闇の魔力を纏った斬撃が刹那の内に走る。一瞬で奴の背後に動いた俺が振り返る時、奴の首が少しずつズレて胴体から落ちる。

 首が地面に音を立てて転がったと同時に胴体もゆっくりと地面に崩れ落ちた。

 俺は歩いて落ちた首の下に向かった。首だけになってもなお奴は生きていてまるで化物を見るかのように俺を睨みつけていたが、俺は鎌を無慈悲に振り下ろして止めを刺した。


 止めを刺して肩の力が抜けたのかドッと疲れがこみ上げてくる。駄目だ、少し休もう。

 薄れていく俺の意識の外で街の人々の歓声が聞こえていた__







































 __魔力の暴走により身体構造が著しく変化しています。これに耐えうる身体になる為、これより異常進化を行います__


 そんなメッセージと進化特有の感覚によって目が覚めた。

 だが目が覚めたのは良いが身体が一切動かない。まるで金縛りにあっているかのようだ。さらにあの進化特有の感覚がいつもより強い。熱は身体を焦がさんばかりで痛みに至っては身体中を引きちぎられているかのような感覚がある。

 なんとか耐えていると不意にそれが収まった。身体も動くようになったので立ち上がってみることにした。問題ない。

 次に身体のあちこちを動かして体操をする。問題なく動く。

 次にステータスを確認した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 種族 ファウストアンノウン(異常進化種族)(一個体種族)(進化の限界)

・一個体種族につき詳細不明。

 職業 Fランク冒険者

 レベル 1

 名前 シンゲツ


 ATK 625 → ????(不明)

 DEF 615 → ????(不明)

 INT 610 → ????(不明)

 RES 590 → ????(不明)

 SPD 600 → ????(不明)


 魔属性魔法『不明(アンノウン)』を会得。

・常時発動する魔法。ステータスの項目の能力部分を本人すら閲覧不可能にする。また相手に偽のステータスを見せられる。


 特技『魔力暴走』を会得。

・魔力を暴走させて一時的に魔法の威力を底上げする技能。但し暴走すると身体に有り得ない程の負荷がかかるため、使用時間は数分が限度。


 特技『闇の加護』を会得。

・闇属性の加護を受けた証。闇に溶け込むことが可能となる。


 特技『光の加護』を会得。

・光属性の加護を受けた証。光に溶け込むことが可能となる。


 武器『黒鋼大鎌壱式』が魔力の暴走による影響を受けて『新月壱式_不明の鎌_』に変化。

・見た目はさほど変わっていないがよく解らない何かを感じる。『不明(アンノウン)』の魔法がかけられている。

 詳細不明。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ……いったい俺の身体はどうなってしまったんだ?

 ほとんどが詳細不明のステータスになってしまって、進化の限界に到達している。

 やっぱり警告を無視して戦った代償がきたのか。けどくよくよしていても意味がないな。

 よくよく考えれば『不明(アンノウン)』のステータス偽装はかなり優秀みたいだし、武器が変化したのも嬉しい。さらに闇と光の加護も得られているんだ。これで絶望するやつは相当な欲張りだな。


 そんな感じでひとり結論を出していると、部屋の扉がノックされた。返事を返すと勢いよく扉が開かれ__いや、あれは吹っ飛ばされの方が適切か。て向こうから物凄い表情をしたカグヤとフィーがいた。

 ……こりゃ怒られるな。自業自得だが。

 主人公がさらに最強になりました。

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