俺、転生
__某月某日、俺は死んだ。
横断歩道を渡っていたらトラックが突っ込んできた。
吹っ飛ばされて近くの建物にぶつかって身体中がグチャグチャになって即死だったらしい。
なんで『らしい』かと言うと目の前の少女が俺の死の様子を詳細に語ってくれているからだ。
「__以上がキミの死の様子だけど……質問はある?」
少女が長いピンク色の髪と瞳を揺らしながら俺に訊ねてくる。
俺は迷わずに手を上げながら答える。
「なんで俺は死んだのにこんなところにいるんだ?」
「……あ~、うん。……えっと、ね?なんて言うか……その~、非常に言い辛いことなんだけど……」
少女はバツが悪そうに所々口ごもりながら先を続ける。
「……神様ってさ、役割とかが細かく決まっててさ、……ぶっちゃけるとかなり暇なんだ。……でさ、それで__」
取りあえず長かったから要点だけを纏めると、
神様は殆どが仕事がなくて暇。
↓
暇潰しに卓球をしよう。
↓
目の前の少女の打ったスマッシュが俺の世界に干渉。
↓
トラックに当たり暴走。
↓
運悪く暴走する先に俺がいた。
↓
俺\(^o^)/
と、言うことだった。
「……そ、それでさ。お詫びに私から特別に転生させてあげるね。なにか要望は__「スケルトンで」……へっ?」
少女が気まずそうに言った提案に俺は速攻で食いついた。
少女は俺の要望に一瞬だけ心から驚いたような表情になったが、次にはおかしなものを見る目で喋った。
「……ほ、本当にソレで良いの?」
「ああ」
「じゃ、じゃあ次はひとつだけ能力を__「光属性魔法を使えるようにしてくれ」……あ、う、うん」
これにも速攻で返答する俺。
地味にロマンだったのだ。アンデットで光属性魔法。
「え、え~っと。それだけならこっちでサービスして強くするね」
「別に強くしなくてもいいんだが__「お願いだから断らないで。私がクビになっちゃう」……わ、解った」
なにやら凄い形相で説得された。
そんなにおかしい要望なのか?アンデットで光属性魔法。
「ちなみにどんなことをサービスしてくれるんだ?」
「う~ん。先ずは全ステータスの上昇補正。次に進化後のステータスの上昇率の増加。最後に専用装備の計三つだね。」
そんだけサービスしても大丈夫なのか?
そう思った俺は少女に聞いてみると「キミの要望があまりに小さすぎるからこれぐらいしないと駄目だよ」と返された。
「さてと、今から転生を開始するから動かないでね~。動いたら変な次元とかに飛ばされるから」
ちょっ!?
さり気なく恐ろしいこと言わなかったか!?この神様。
とかなんとか考えていると足元が勢いよく光り出した。
次元の狭間とかに飛ばされたくはないので直立不動の姿勢でじっとしているとだんだんと視界が白く染まってきた。
そして聞こえる少女の声。
「転生に成功したら連絡するからね~」
それを最後に俺の意識はブラックアウトした。