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近未来、人類は『想念災害』と呼ばれる脅威に直面していた。
ディーズとは即ち「D」s。Disasterであり、Deityであり、Devilであり、そしてDreamである。
十数年前、瞬く間に普及し、今や世界を支えるに至った、人の意思を物理法則に上乗せする「簡易超能力発生装置」通称「ドライバー」。それは、使用者がいないときも人の意思の受け皿となり、人の夢想する架空の存在すらも「実在」として具現化させてしまう厄介な性質を持っていた。『想念災害』の始まりである。
既にドライバーは世界中に行き渡っており、世界を支える技術である。時々脅威になるからという理由だけでは、今更人類はそれを手放せなくなっていた。
いつどこで発生するかも知れない『想念災害』に対し、人類は対『想念災害』用ドライバー『デバイス』を開発。デバイス使用者『アクター』を選抜し『想念災害』に対抗した。
しかし、ここに一つ問題があった。
意思から生じた災いである『想念災害』に対抗するために必要なのは意思である。つまり『デバイス』は意思を持ち自ら使い手を選ぶ武器になってしまったのだ。
これは、そんな『デバイス』に選ばれ、ろくでもない目に遭う羽目になる青年の物語である――。
始まるかどうかは知らないけど。