Act1-4~名探偵~
俺は少し考えたいことがあったので、ふくたんにあった次の日、つまり昨日は〇一日思考に使った。そして、今日俺はまずふくたんの調査結果を聞こうと思い、ふくたんを少し呼びだしたのだった。
「よう、ふくたん調子はどうだい?」俺は軽く挨拶からは始めることにした。
「そんなあいさつは不要だよ。なんてたって今は、仕事中だから。おふざけは、今はおあずけだよ。」こいつ、仕事になると性格かわるんだな、新発見だ。なら、こっちもそれ相応の覚悟で臨ましてもらうとしよう。
「オーケイ、それでどうだったんだ?調査の結果は。」
「まず、はじめにちょっと耳の痛い話もあるけど、それも含めて言うことになるが、いいかい?」ほんとに、きれいに性格が変わるやつだな。でも、耳の痛い話って何なんだ?
「あぁ、お手柔らかに頼むよ。」そういうと、福角は手帳を出してパラパラとめくってから話し出した。
「最初に、小倉さん・・今は対象って言うけど。対象の小学校時代については、多分、君も知っているよね?まぁ、あえて言うことがあるとすれば、対象に対して恋心を持っていた人が十五人もいたってことだ。その人たちのリストは後で渡すよ。そして次、これは君も知らないだろうけど、対象の今つまり、中学に入ってからの詳細だ。まず、1年のときに陸上部に入部、その際のテストにて県下ナンバーワンと呼ばれていた「大北真紀」にやすやすと勝利した。この理由が、対象が大会に参加しなかったことにあるけど何より天才だからね。それで・・・」「ちょっと待て、なぜお前、駿が天才だと知っているんだ?」おかしい、そのことは公言していないはずだ。
「それについては、気にしないでまた今度教えてあげるからね。」ふくたんの、口調になって頼んできた。まぁいいか、そのことは後で聞くとしよう。
「ごめん、話の腰を折って・・・続けてくれ。」
「ええっと、どこまで言ったっけ・・・・・よし。それで、その後すぐだね、「佐久間蛾狼」に告白されてる、もちろん振ったらしいけどね。ほかには・・・って言うより耳が痛い話ってのは、これなんだけど・・・・・・・・・その、対象ってね、受けてたみたいなんだ、いじめ。首謀者は、さっき出てきた大北、でも分からないように裏からやっているっぽいね。ひどいことに対象の親友だなんてほざいてる。理由、というより動機は、妬みだね、当然といえば当然だけど、自他共に認める県下ナンバーワン選手が、突然出てきた対象に負けたんだから。こんな感じ、細かいことは資料渡すからそれで。以上、お仕事終わり!」と、ふくたんらしく締めた。
「ありがとう。・・・・その、申し訳ないけどその、大北だっけそのひとについて・・・・・・」俺は、気になったことを調べてもらおうと思い切りだすと。
「そういうと思った。調べてあるよ、大北のこと。」すごい、こいつやっぱり(名)探偵として一流だ。
「そうか。なら聞かせてくれないか。」
「うん、まず大北真紀十四歳、家は中流家庭という人だ。そして彼氏がいて、「伊賀当夜」と言う野球部の期待のホープって言うような人。多分、君が知りたいのは、こういうことだろ?そう、いじめについてだ。やっぱり、天才は嫌われるからね、結構な数の敵が痛んだ。大北はそういう連中をまとめて、いじめをやってるらしい・・・・・・・うん、こんなもんだ。真剣には調べなかったから、曖昧だったり、情報が少なかったりするけど、そこは謝っておくよ。ごめんね。」
「いいや、そんなことはない。頼んでもない人まで調べたんだ、俺はすごいと思うよ。ありがとう。」本音だった。今なら声を大にして言おう、こいつは最高にいいやつだ。
「でも、後のことは任せてくれ。これは、俺のタタカイだ。落とし前は自分でつけるよ。手伝ってくれてありがとう。感謝する。」そう、自分のタタカイなんだ、自分で決着つけないといけないのだ。
「分かったよ。でもやっぱり心配だからね、これをあげる。」そういって、渡してくれたのは、大振りのナイフというよりヒ首みたいな形をした木刀だった。
「これは・・・・?」
「護身用に使って、一応芯として鉛が入った特別製だよ。・・・・・・・僕が、心に決めた人だから元気でいてほしいんだよ。」
「ありがとう。大事に使う・・・・というより、使うような事態になりたくないけどね。」そういって、茶化しておいた。福角の最後の言葉も聞かないで。
「それじゃ、頑張って。応援してるよ。」福角の応援か、監視されそうだな。
「おう!いっちょ頑張ってきますか。」そういって、一路、大北のグループの一人に話しを聞きに行くことにしたのだった。