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第5話

「みなさんこんばんは。ハルトです。今回の生配信は大人気オンラインゲームのファンタジークロニクルインフィニティーで昨日から配信された新たなクエストに挑戦です。今回、一緒に挑戦するメンバーを紹介します。」


「やっほー、みんな、VTuberの巫女音だよ。ハルトくんと共に頑張りますよ。そして、もう1人このゲームで知らないものはいない、超有名なこの人も参加ですよ」


「みなさんこんばんは。アレンです。見てくださいこの装備、このクエストのために配信されたガチャに出る新装備を全部装備してみました。」


「流石、トップランカーですね。アレンさんの登場でコメントが凄い速さで流れていきますよ。」


「ん?」


「どうしました?ハルトくん」


「おい、アレン」


「なんですか?ハルト」


「100万以上課金しないとコンプ無理とかコメント来てるんだが」


「100万ってマジですか?」


「えーと、ダブりなし、過去のレアアイテムも手に入る特別ガチャだそうです。アイテム数約5000個、最初の1回は無料、11連3000円、1回限り1万円で110連引けるみたいですね。1万出すと確実に今回のクエスト用装備が2つ手に入るみたいです。」


「ちなみに何回引いたんですか?」


「アレンのことだ。どうせ全部引いたとか言うんだろ?」


「流石、ハルト、僕のことよくわかってますね。」


「いや、冗談で言ったんだが、マジか」


「廃課金勢って、金銭感覚どうなってるんですか?」


「何を驚いているの?僕の尊敬する声優さんが言ってました。『課金は呼吸』だと」


「ごめん、ついて行けない」

「ハルトくんと同意見」



「それじゃ気持ちを切り替えて、新クエストに挑戦しますよ。」

「OK」

「トップランカーの実力をお見せしよう。」


新ダンジョンに入った3人は奥へと進んでいく。


「巫女音さんは最近ハマっているものあります?」


「最近は紅茶にハマってますね」


「紅茶ですか」


「アールグレイとか美味しいですよ」


「ハルトくんは何かハマってます?」


「そうですね、最近は昔のアクションゲームとか」


「あぁ、この前の配信でやってたやつですね。ハルトくん最後の方、叫びすぎて声が枯れてましたね。」


「アレは当たり判定がおかしいんですよ。」


「ハルトくん、コメントが凄いですね。」


「ゲームの実況しろってコメントが多いな。」


「そうですね。そうしたいのはやまやまなんですけど」


「あれ見てどう実況しろと?」


アレンが一人で無双していた。


「私達出る幕ないんですよ。なんなんですか、あのガチャ装備」


「ダメージの桁数が違いすぎて、ワンパン状態。俺達、ただ後ろをついて行くだけなんで実況しようにも、実況出来ないんですよ。」


「ハルト、巫女音さん、凄いぞ、この装備」


「そりゃ凄いだろうよ。公式までこの配信を宣伝し始めたからな。ついでに切り抜き動画にして、通常装備との比較動画まで載せ始める始末」


「配信に便乗して、全力でガチャの宣伝する有能な公式」


「巫女音さん、この配信トレンド入りしましたよ。」


「なになに、FCI配信、アレン無双、公式が有能、おまけの2人」


「巫女音さん、俺達おまけって言われてますよ」


「おかしいな。私達も結構有名なはずなんだけど、あっ、そろそろボス部屋みたいですね。」


「そうですね。でも俺達、出番あるんですかね?」


「ハルトくん、出番作るものだよ。そして私達もトレンド入りしないと」


ボス部屋に入り、ダンジョンボスが現れた。


「見せてやろう、この新装備の力を」

廃課金装備によりボスのHPがどんどん減って行く。


「「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」」


「これでトドメだ。裁きのジャッジメントソード


「ハルト、巫女音さん、クエストクリアだ。やったな。」


「いやー、みなさん新クエストクリアしましたね。」


「私達、雑談しかしてませんでしたけどね」


「ってこんなんで終われるか」

「流石にこれはないです」


「ということで第2回、新クエストクリア目指します。俺ハルトと巫女音さんの2人だけで挑みます。アレンは後ろから付いてくるだけだからな」


「行きますよ、巫女音さん」

「ええ、私達の実力見せてやりましょう。ハルトくん」


それから2時間後

「なんとかクリア出来た。」


「なんなんですか、あの課金装備の性能」


「あまりにもダメージが与えられなくて、2人とも1万円のガチャ引くことになるとは思わなかった。」


「装備すれば、普通に4桁行きますもんね。ガチャやるまで連続攻撃してやっと4桁だったというのに」


「バグかチートでしょ?あれ」


「ということで」


「今日の配信はこれで終了です。」


「いやー楽しかった。」


「ガチャ引かないとただの縛りゲーになるとか聞いてませんよ。」


「じゃあみなさんまた見てくださいね。」


「チャンネル登録、高評価お待ちしてます。」


「では、次の新クエストも一緒に」


「アレンは1人でRTAでもやってろ」


「その時は私達が後ろから実況しますよ。」


「そうか、では巫女音さんの事務所と話をしておこう」


「あれ、これやること確定?」


「あっ、ハルトくん、公式がガチャ装備ありなしのダメージ比較を載せましたよ」


「はえーよ、マジ有能だな。このゲームの公式」


「じゃあ、最後に合わせましょうか?」


「「「まったねー」」」


生配信が終了した。




「巫女音さん、アレンお疲れ様でした。」

「お疲れ様です。」

「お疲れ様」


「しかし、アレン、どんだけお金持ってるんだよ?」


「あのガチャコンプするだけで数ヶ月分の家賃払えますよ。」


「さぁ、使っても減らないんだよね。」


「羨ましい」


「流石、石油王の称号は伊達じゃない。」


「そういえば、ハルト、何か相談があるって言ってなかったか?」


「珍しいね。ハルトくんいつも相談聞く側なのに」


「女性の意見も聞きたいし、巫女音さんにも聞いてもらってもいい?でも、このことは他言無用でお願いしたいんだけど」


「もちろん」


「実は…」

2人に今日あったことを説明した。


「ハルト、それなんてラノベ?」


「今時、クラスメイトが社長令嬢とか政略結婚とか、ラノベくらいしか出てこないよね?」


「ですよね。なんとなくそう言うと思ってたよ。でも2人とも本当のことなんだって、信じて」


「まぁハルトくんの人柄は知ってますから信じますよ。」


「ハルトは困ってる人がいたら、見過ごせないタイプだから。」


「ありがとう2人とも信じてくれて」


「それでハルト、その子の親の会社ってなんて名前なの?」


「KITAGAWAコーポレーション」


「日本の有名な会社じゃないか」


「そう、調べてみたけど経営が悪化してるどころか、ここ数年、黒字続きなんだよね。」


「ハルトくん、その会社、私の先輩が働いてるんだけど、ちょっと聞いてみようか?」


「いいんですか?」


「ちょっと席外しますね。」


「巫女音さんお願いします。」




「ハルトは会社に何かあるって考えてる?」


「まぁなんとなく」


「僕もそう思うよ。ただ一つ疑問なのが、我が子をそんな政略結婚の道具みたいに扱うかな?って」


「それは俺も思った。」


「僕もいろいろ伝手があるから、調べてみるよ。」


「ありがとう。助かる」


「ところでハルト」


「なに?アレン」


「君、その子に惚れてるの?」


「はぁ?」


「えっ?なにその反応、僕はてっきり惚れてるのかと」


「惚れてはないかな」


「なのに結婚するって言ったの?」


「まぁ成り行きというか」


「ただいま2人とも」

巫女音が戻ってきた。


「巫女音さん、どうだった?」


「先輩に聞いたら、社内でいろいろ噂流れてるみたいだよ。」


「噂って?」


「一つは1年後くらいにある会社と合併するんだってさ」


「ハルトも言ってましたね。」


「ただね、そこの会社、かなりのやり手らしいんだけど、ブラック企業らしくてさ、先輩も転職考えてるって」


「ブラック企業か、他には?」


「ハルトくん的にはこっちの方が気になるかな?その言ってる社長令嬢、社長の実子じゃないって噂があるんだって」


「はっ!?」


「驚くよね。私も先輩から聞いて驚いたよ。」


「なるほどね。道具みたいに扱ってると思った理由はそういうことか、」


「じゃあ彼女はそのこと…」


「たぶん知らないだろうね。もし最初から知ってたら誰にも相談せず、運命を受け入れたかもしれない。」


「……」


「ところでハルトくん、その子のことをどう思ってるの?」


「巫女音さん?」


「結婚したい程、好きなの?」


「結婚したいかと言われるとわからないです。その見た目はタイプですけど、事情を知ったから、放っておけなくて」


「ハルトくんが助けたいって気持ちはわかる。だけど、その子との結婚はやめなさい。今のハルトくんは捨て猫を見つけて、可哀想だからとエサを上げてるだけ。もしハルトくんが心から好きになる人が現れたら、きっと後悔するよ。」


「…………」


「僕も巫女音さんと同意見だよ。ハルト」


「アレン」


「ちょっと言い過ぎたかな。ハルトくん、ごめんね。」


「いえ、自分でもわかってるんです。オレが彼女と結婚するのは違うって。でも彼女はハルトのファンで俺の言葉に希望を持ったんです。だから俺は彼女に出来る限りの協力はしてあげたいって思って」


「わかった。何か困ったことがあったら言ってね。」


「巫女音さん、ありがとうございます。」


「ハルト、僕も協力するから」


「アレンもありがとう」


「じゃあ、私はこの辺で2人ともおやすみなさい」


「巫女音さん、おやすみなさい」


「ハルトおやすみ」


「アレンもおやす、いやおはようの方が正しい?」 


「おやすみであってるから」


「それじゃあ、おやすみ」


翔はパソコンの電源を落とし、そのままベッドに倒れ込んだ。


「巫女音さんの言う通りなんだよな。明日、もう一度光希さんと話してみよう。」


そして翔はそのまま眠りについた。

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