表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独対策課  作者: 宙色紅葉(そらいろもみじ) 週1投稿


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/127

【後日談3-4】カプッ!

「元々、涼君には触れたかったんです。悪いこともしたかったんですけど、でも、はしたないって、涼君にヤラシイ子だなって思われたらいやだなって、内緒にしてたんです。でも、そしたら、副作用が来てしまって」


 関原を布団に入れてやらないまま、酷く恥ずかしそうに言葉を出す。


「どうしようもなくなって、俺にばれないように、コソコソ俺の体を弄ってたのか。でも、それなら、素直にしたいって言ってくれりゃよかったのに。どうすっかな。やるのはいいけど、避妊具持ってねーぞ、俺」


 今から買いに行くのは、少し面倒だな。


 そんなことを思いながら、ポリポリと頬を掻いていると、ムニエルの手がニュッと布団から伸びて、無言で戸棚を指さした。


 中には、今、必要なものが入っていた。


「なんか、良さそうなのかっておいたんです」


 取り出して、マジマジと箱を見る関原にムニエルが小さく声をかける。


「気合十分じゃん」


 笑われると、「むにゅん」と訳の分からない呻きを上げて、再びウツボのように布団の中に引っ込んで行った。

 関原が隣に潜り込むと、変わらず威嚇をしながら彼と距離を取る。


「涼君、ヤラシイの嫌ですか?」


「別に。むしろいいと思うけど、何をそんなに気にしてるんだ? ヤるって言ってんのに逃げてるし」


「だって、流石に恥ずかしいですし、男の子の涼君より、欲が強いみたいだから」


「そんなことはないと思うけど」


「ありますよ。だって涼君、プラトニックですもん」


 性欲が大きく爆発したのは今回が初めてだが、それ以前からも、ムニエルは関原に対して、そういう欲があった。


 ただ、ムニエルから言い出すのは酷く恥ずかしくて、関原が誘ってくれたらな、と、連夜、彼の動きを観察していた。


 しかし、関原はムニエルをキュッと抱き締めるとスヤスヤ眠るばかりで、体に軽く触れてくる気配すらない。


 天使だった頃には、関原は自分の体にペタペタと触れていたので、自身に対して何もしてこない彼が意外だったし、多少ガッカリもしていた。


 ムニエルは、関原は恋人に対して、あまり触れ合いを望まない人なんだと勘違いしていた。


 今は二人揃って布団に潜り込んでいるから、ちょっぴり恥も薄れたムニエルが、胸中に渦巻く寂しさのままに、関原の頭を抱き締め、無防備な胸の中に彼の顔を埋め込む。


 柔らかさに包まれた関原が、不満げなムニエルに笑みを溢す。


 それから、甘そうな肌にカプッと甘噛みをした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ