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第7話 復讐に備えて……


 「よしこれでまたレベルが上がったっと……」


 襲い掛かって来た魔獣の死肉を噛み千切りながら自身のステータス画面を開いて現在の自分のレベルを再確認するユート。

 あのクズ3人に裏切られてから死の間際に覚醒した《暴食》のスキル。その恩恵によって今のユートは覚醒前とはもはや比較にならない程の圧倒的な戦闘力を手にしていた。


   〇 名前 ユート・ディックス

     LⅤ 244

     種族 人間族

     職業 拳闘士

     HP 946

     ⅯP 905

     攻撃力 880

     防御力 878

     素早さ 866



 ステータス画面に表示される今のユートのレベルがこれだ。


 この数日間に彼は自分の目覚めたスキルをより詳しく知る為にすぐには王都に戻らずこの魔法の森で生活を続けていた。虐げられていた頃よりも更に過酷な環境で過ごす事に精神的に苦痛が一切ないとは流石に思えなかった。だがその都度に力を付けた自分があのクズ共を殺戮する事を頭の中で想像すると気分が落ち着いた。


 どうやら自分のスキルは相手の生き物の肉を一定量体内に取り込むことで相手のレベルを自身に加算させる事が出来るらしい。つまり必ずしも相手を殺さなければレベルアップしない訳でなく、一定量の肉を喰うだけで相手のレベルが自分のレベルに足される。だがこの力を取り込む能力は一個体に着き1回しか発動しないらしい。つまり同じ個体の肉をどれだけ食おうがレベルが上がるのはその個体に着き1度だけと言う事だ。

 

 次にスキル覚醒に伴い表示できるようになったステータス画面、最初は扱い方が良く分からなかったがこの数日間でこのステータス表示を自分の意志で自在にコントロールできるようになった。具体的に言えば自分以外のステータスをも確認できるようになったのだ。

 この魔法の森で何度目かの戦闘で襲い来るモンスターのレベルや攻撃力などの情報が表示された。この能力はかなり役立つと言えるだろう。何しろ戦闘前から相手の力量を見極められ、更に言えば勝負の決め手となる弱点などの情報があれば自分に筒抜けとなるのだから戦闘を有利に進められる。


 そしてステータス画面の備考欄に『レベル上昇に伴い新たな能力が追加される』と記載されていたようにLⅤが200を超えると新能力が目覚めた。

 その能力名は『スキル喰い』と呼ばれる力だ。この力は通常通り他者の肉を一定量取り込むと発動する。通常であればレベルが加算されるのだがそのレベル加算の恩恵を放棄する事で発動する。この力は他者のスキルを喰って自分のスキルとして奪い取る力だ。この能力でスキルを奪われた者は完全な無能力となりスキルを失ってしまう。

 この能力の説明を呼んでいた時には我ながら体が震えた。何故ならこの世界の住人達は全員がスキルと言うギフトを持って生まれて来るのだ。例えどんな役に立たないスキルでも〝スキル無し〟と言う人間は存在しない。だがこの《暴食》のスキルはどんな人間でも持つそのスキルを搾取してしまう。つまりこの能力でスキルを奪われた者は世間一般で侮辱されているユーズレス以下の存在に成り果ててしまう。


 ユートはこの『スキル喰い』の力をあの幼馴染達へと使うつもりだ。

 あの3人がギルド内でゴールドランクの地位を得れた一番の理由は間違いなく極上なスキルがあったからこそだ。事実同じパーティーに居たからこそユートは分かっていた。アイツ等は恵まれたスキルに依存していて碌に鍛錬すらしていなかった。

 セゴムは《剣聖の加護》のお陰で強制的に実力以上の戦闘力が発揮されていた。クジィも《無限の魔力》のお陰で魔法を使いたい放題、ネムも《鉄壁の護り》があるからこそモンスターの攻撃も無視して後方支援に専念できていた。

 

 だがもしも……もしもこのスキルにどっぷり依存している3人がそのスキルを失ってしまったらどうなるか? そう考えるとユートはゾクゾクとしながらその瞬間に立ち会う日を楽しみにした。


 もう少し待っていろよ僕を……〝俺〟を裏切ったクズ共が。お前達にもうすぐ現実を教えてやるよ。与えられた幸福に浸り努力を怠り続けたお前達はスキルしか価値の無いゴミだって言う真実を。本当のユーズレスがどちらなのかをな……。


 そう遠くない復讐の日に胸を馳せているとまたユートを狙って新たな〝餌〟が現れる。

 獰猛な牙と低い唸り声と共に距離を近づける魔獣を前にユートはもう一切怯えもしない。それどころか並の冒険者では腰が引けるその怪物を前に舌なめずりをする。


 「さあもっと俺を強くしてくれよ。来るべき復讐の時に備えてな……」


 この魔法の森はユートにとって手軽に戦力を上げられる理想郷だった。

 今やユートはこの多種多様な怪物の巣くう魔法の森で捕食者のピラミッドの頂点に君臨していた。



 

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