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第五話『かっ、かなちゃん! ほぅら怖くないよー』


 うわぁ、これは……奏音大丈夫かな?


 奏音の周り……と言うより身近に頭部が薄なった幼稚園の園長先生は居るけれど、これほど見事なスキンヘッドの男性は居ない。


 もしかしたら私が知らないだけで、ご近所にいるのかもしれないけれど、私よりも更に交友関係が限定されている五歳の奏音はテレビの芸能人位しか見たことがないだろう。


 しかも、お父さんよりも身体が大きくて歴戦の猛者感満載のゴリマッチョ……


 ちらりと奏音の様子を確認すると、恐怖に顔がひきつり今にも泣き出してしまいそうに目がうるうるしてる!?


 やばい、初対面で奏音に泣かれるのはこれから先生と生徒となるのに印象が悪すぎる!


「はじめまして! 奏音の姉の由紀と申します! ディートヘルム先生ですね、ほらかなちゃん、ちゃんと先生にご挨拶できるかな?」


 なるべく笑顔で奏音にディートヘルムを幼稚園の優しい先生と同じだよー、怖くないよーと態度で訴えてみる。


「……三ツ塚 奏音です! 五歳です! で、で?」


「ディートヘルム先生」


「デートヘルムせんせい」


「よく出来ました!」

 

 涙目を堪えながら自己紹介ができた奏音の頭を撫でながら笑うと奏音が嬉しそうに、にぱっと笑う。


「カナト様と仰るのですね、これからよろしくお願いいたします」


 奏音と視線を合わせるようにその場にしゃがみこんだディートヘルムが優しい声で奏音に接しようとしてくれているのがわかる。


 どうやら初対面はなんとか無事に切り抜けることが出来たらしい。

     

 ホッと胸を撫で下ろす。


「では最後に、ユキ様の教師役ですが……」


 自分の名前を呼ぶ声に反応して、顔を上げる。


「ユキ様は『肝っ玉母ちゃん』と言う大変めずらしい職業の為、詳しいものが貴族出身者である侍女や下女におらず適正な教師を見つけることが叶いませんでした」


 ……まぁね、予想はしていたけどさまさかの教師なし。


「ですからとりあえず下女長の下で実践を通してご自分のジョブスキルを研鑽していたきたく存じます」


 やって覚えろってやつですか……はいはいはいはいわかりました~やってやろうじゃないのさ!    


 それから私達はそれぞれの教師についてこの世界で生きていくために自らのジョブスキルを鍛えるための学習が始まった。


 はじめこそディートヘルムを怖がっていた奏音も、毎朝欠かさずに迎えにやってきてくれるディートヘルムに懐いたようで、ディートヘルムに肩車をしてもらうのが最近のお気に入りだ。


 でもねかなちゃん……スキンヘッドをペチペチ叩いているのを見るとお姉ちゃんはハラハラするのよ……


 


  

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― 新着の感想 ―
[一言] うーん… どうやら、この世界じゃあ、「主婦」くらいにしか思わないのね…
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