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最終話 漆墨真魚と前に進むとき

『チェックメイト』


 いたずらっ子のような笑みを浮かべた逸成がクイーンを弄びながらそう告げる。


『むぅ……』

『あはは。そう拗ねないでってば』


 拗ねた私の様子を見て笑う逸成に、私は仕返しの一つでもしてやろうと切り札を使った。


『そのこさんに言いつける』

『あ、それだけは勘弁!』


 先程までの態度からは考えられないくらいに厚い手のひら返しをした逸成に私はついつい笑ってしまう。


『さっきのは逸成が悪いね』

『えー、ボアネまで空海勢なの?』


 そうぼやきながらも逸成は丁寧にごめんなさいと謝罪した。


『ごめんね。拗ねる空海が可愛かったからつい……』

『え!? か、かわっ……』


 突然の褒め言葉に頭が働かなくなる。

 逸成が可愛いって……。

 そんな私を見て、逸成は反応が大げさだなぁと微笑みを浮かべてみていた。


『……逸成も格好いいよ』

『ホント? ありがとう』

『だから、結婚しない?』

『んー、空海がチェスで僕に勝てたらね』



 ──夢を見た。

 私が“彼”……逸成とチェスをする夢。

 気分は良い。悪い気は全くしない。その理由もやっとわかった。

 その気分に呼応するように、あの頃のことが甦ってくる。

 あの頃は毎日のようにチェスをしていた。時にはバックギャモンやトランプゲームでも遊んだけど、一番多く遊んだのはチェスだろう。


「……また、負けた」


 夢の世界でも、現実でも、逸成に勝てそうにもない。

 私は休憩を終えて、再びオンラインチェスのサイトに入ろうとした。


「あ、日付変わってる」


 明日──もう今日であるが──も学校だ。早く寝ないと学生としての本業を全うできない。

 PCの電源を切って、私は再びベッドに転がる。

 早く朝にならないかと、明日をとても楽しみにしている自分に気が付いた。


■■■■


「おはよう。逸成」

「おはよう真魚さん」


 翌日、ボアネに断りを入れてまで早くに学校に来たのに、逸成はもう自分の席に座っていた。

 私と逸成は少し机を寄せてくっつけ、鞄からチェス盤を取り出す。


「先攻はどっちにする?」

「逸成でいいよ」

「わかった」


 駒を並び終えて早速、逸成はポーンを動かす。

 私もそれに応えるように駒を動かした。


 それから始業のチャイムが鳴るまで、私と逸成は周りを気にせずにチェスに興じた。

 それで逸成の実力が校内に知れ渡るのだけど……それはまた別の話、ということで。


「……負けた」

「勝ちました……けど、僕も油断したら負けてたよ」

「! ホント!」

「嘘は言わないよ」


 たぶん初めて、逸成に追いつけそうな場所に立った。

 それがとても嬉しくて、私は久しぶりに心の底から笑えた気がした。

 これが読者様のお目に見える頃、私は中間考査を終えバイトに疲れて力尽きていることでしょう──これ書いてるのは第1話投稿日です。シュレーディンガーの小説。


 完結です。とりあえず後書き反省会でもします。

反省点

・チェス描写が少ない

・視点コロコロ変えるくらいなら三人称で書け

・前話の短歌の下り無理矢理組み込んだ感強くね?

・すれ違いタグは詐欺では?

・あらすじも詐欺では?

 他、『文章力の拙さ』『構成力の欠如』など多岐にわたりありますが、とりあえず上記四つを特に意識して改稿していく予定です。時間があれば。

 ……まあ上から二つ目は放置ですけど。


 ではここまでお読みくださった読者様に感謝を!

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