第1章 2 その少女は自らのために
ーふわぁぁぁ よく寝た!
ところでここはどこだ?
アンティーク調の部屋に
そのとき背後から声が聞こえた
「やっと起きたのね、全然起きないから蹴りをぶち込んでやろうかと思ったわよ」
声の主はあの少女だった
「どうしたのよ?まだ寝ぼけてるの 腹に一発入れとく?」
「まじで止めてくれ死にかねん」
「つーか 俺はどうなったんだ?あのとき何が起こった?この世界について教えてくれないか?」
しばらくの沈黙の後 ハルの顔面に情けも容赦もありゃしない一発が入った
「おい、今なんで殴った」
ハルが聞くと
「拳で殴ったんでしょ、見て分からないの?」
と答える 少女
「いや、そうではなくてだな殴った理由を聞いたんだが?」
少女は若干鬼の形相になりながらも答える
「とりあえずこんな時には一言お礼を言うのが筋ではないのかしら
名乗りもしないで質問攻めにするとかデリカシーのない剣士ね…もうちょっと」
「ん?何で俺は剣士って呼ばれてるんだ?」
「人の話を聞けェェェェェェェェー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドゴッ! ハルに一撃入れた少女は涼しげな顔で再び話し始める
「剣士と呼んでる理由はその服装! 私の名前は『ラスク・ロベリア・コリン』よ!覚えときなさい!」
「そしてその能力は使えるわ その能力を私のために使いなさい!」
は?能力?初めて聞いたんだが?まあ とりあえず自己紹介かな?
「俺は『ハルト』だハルでいいよ でもって質問いいか?能力って何のことだ?分からないんだが」
「あなた 自分の能力に気づいてないの!?」