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高校生である私が請け負うには重すぎる  作者: 吾田文弱
序章 その男 影と裏あり
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プロローグ


 四高高校。“創造” “友愛” “奉仕” “規則”。


 この四つの理念の元に、教育を育んで行くことを定めたのが、この高校の名前の由来となったそうだ。

 学科は一般的な普通科から、特進クラス。スポーツ科も含めた三学年十クラスからなる、そこそこ大きな学校

だ。


 偏差値も県内でも一、二を争う名門で卒業生の三分の一くらいは県外の難関大学へ進学しているほどだ。

 そのような名門にて、この私——海野蒼衣(うみのあおい)は二年間一つも単位を落とすことなく、僭越ながら学級委員も二年連続推薦という形で務めさせていただいてる次第だ。


 容姿はまさに典型的な委員長タイプのルックスだと思ってもらって構わない。

丸い(ふち)の眼鏡に化粧っ気のない顔(とはいえ、清潔感はある)。リボンを規定の通りに結んだブレザー、スカートも膝が見えないくらいの位置で穿いている。


 お陰で先生たちからのこれと言ったお咎めなどもなく、むしろ模範生として信頼されてしまっているくらいだ。


 手短ではあるけれど、私が過ごしてきた高校二年間は私にとっては等しく平凡——平々凡々と言い直してもいい。


 あえて例えるならば、人間が肺呼吸をし、魚類がえら呼吸で酸素を供給するような、極々当たり前の、一般的かつ世間的な女子高生が送るような生活を送ってきたのだ。


 三年生に何の問題もなく進級し、当然のように学級委員に推薦された私は、最後のこの一年間も何事もなく平凡に送り、卒業する。


 ——筈だった。


 予感というものは末恐ろしい。


 いや、今ここで私が語っているのは今や過去の話だ。ここはもう、すでに恐ろしい(・・・・・・・)という言い方が適切だろう。


 そう、単刀直入となってしまったが私は予感がしていたのだ。それも決して良い方のではなく、ほんのわずかではあるけれども、その時は悪い方に天秤が傾いていた。


 いっそのことはっきりと悪いものだと審判を下しておくべきだったのだ。優柔不断極まりない。


 さて、たらたらと語るはこれでお仕舞いにしよう。前置きが長くてはこちらとも気怠くなってしまう。


 思えばあの時だ。私が予感を感じたのは。


 三年生に進級し、私が学級委員に推薦された数日後のホームルーム前のことだった。


 クラスの担任に呼び出され、『ある事』を伝えられたのだ。


 そのある事をきっかけに——私の平凡で平穏な日常は少しずつ瓦解してゆくことになった。


はじめまして、文弱と申します。

初投稿作品となりますので、至らぬところ多々あるとは思いますが、何卒よろしくお願いします。

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