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私の声は誰にも聴こえないし届かない  作者: 轟 十六夜
戦いの幕開け
3/20

俺と彼女はここで出会う

「はーい皆さん静粛に。」

と、教室に入ってきた幼女が言葉を発した瞬間さっきまで騒がしかった教室がある意味静かになった。

「あのーどこから来たのかな?ここは教室だよ。職員室は体育館を出たとこにあるよ。」

一人の女子生徒が幼女の方に向かい背を低くして語りかけた。

「ち、ちがいます!」

すると幼女は女子生徒の手を振りほどき頬を膨らませた。

「ならお姉ちゃんかお兄ちゃんがいるのかな?ここにはいないみたいだけど・・・。なら魔法科にいるのかな?魔法科は別の棟にあるよ。」

と女子生徒が優しく言いて幼女を追い出そうとすると、幼女はもう限界だったのか、頬を真っ赤にして声を荒げた。

「そ、そうじゃなくて。私は先生です先生!」

その言葉を聞きクラスの皆が頭に「?」を浮かべた。

「ですから!先生なんです!」

その先生?は何とか弁明しようとするが誰一人として聞く耳を持たなかった。

「んー。お姉さん達をからかっちゃだめだよ。」

と、女子生徒が幼女のおでこをめっと手のひらでぺシっとたたいた。

「なっ違います!何度も言ってますが、せ·ん·せ·いです先生!」

その先生?はそう言うと鞄から財布をだした。

「まーだ信じられないというのなら!これを見てください。」

先生?が見せたのは免許証だった。

 それをみて陸奥はいや教室にいる皆が驚愕の声をあげた。

 なんよりこの先生陸奥たちより軽く20歳も年上だからだ。

「わかりましたか。皆さん私はあなた方より20歳も年上なんですよ!」

とよう・・・先生が胸を張った。

-なんか胸がないから背伸びをしているようにしかみえない・・・現実て悲しい。

 陸奥はその現実を深くかみ締めた。



「ということで皆さんこれから自己紹介を始めたいと思います。まず私ですね。西城響(さいじょうひびき)といいます。好きなものはビールです。それじゃあみなさんどんどんやっちゃてください!」

と響が言うと廊下側から自己紹介が始まった。

「私は十文字長門(じゅうもんじながと)です。好きなものは甘いもの。あとは・・・子供です。」

と、いったのはさっき響を追い出そうとした人だ。

 響を見ながらニヤリといったため、響は背筋を震わした。

-西城先生御愁傷様です。それにしても十文字というのか変わってるな。ま、ここにいる奴は皆変わってるか。

 それからも自己紹介をして、とうとう陸奥の番がきた。

「弥生陸奥と言います。好きなものはラーメンです。」


自己紹介が終わると一通り学校探検をしてこれから学校生活のなんたるかを聞き放課後になった。

 陸奥が帰ろうとして教室をでた。

「ああ、ちょっとまって。」

すると恭介が陸奥を帰ろうとしてたのを止めた。

「なんだよ。」

「いや連絡先を交換しようと思ってさ。」

-え、忍者なのに!

と陸奥が思っていたら声にだしてたらしく恭介が苦笑した。

「いやいや最近の忍者はこういうもんだぞ。」

「そうなんだ・・・。」

-なんかがっかり。

 陸奥はあからさまにがっかりそうな顔をした。

「それにしても最近の生徒手帳はすげぇよな。」

その言葉に陸奥は首を傾げた。

「そうか?」

「おうよ、だって生徒手帳に通信機能までついてんだぜ。」

その言葉に陸奥はますます疑問を抱いた。

「それって、珍しいのか?」

陸奥がきょとんとした顔をすると恭介があたりまえだろというような顔をした。

「そりゃあな。お前さんは驚かなかったのか?」

「まぁな。俺の友達にそういうの詳しい奴がいてさ。ちっちゃい頃からそういう機械とかはあんま珍しいとは思ったことあんまなかったからさ。」

「へぇ、そうだったのか。」

「ああ、そうだよ。逆に忍者が使ってんのが驚きだ。」

と陸奥は冗談めかして言った。

「そうかい。じゃまた明日な。」

恭介はふっと笑うと手をあげはしっていった。

「おう。」

-最近の忍者はハイテクだな

 陸奥はその背中を見ながらそんなことを考えた

-今度こそ帰るか

と玄関からでた瞬間それは目に入った。

 それはどこかで見たような。でも、初めてみるそんな矛盾が生じてしまうほどに美しい人だった。

ー新藤狂歌たしかそういってたっけか。なんだろうか・・・。あそこだけ時が止まってるような・・

・そんな感じがする。おっ、と帰るんだった。

 と陸奥が帰ろうとした瞬間。

『あ、あの。』

と、後ろから声をかけられた。 

 その声はどこかで聞いたことのある声だった。

-そう、あれは入学式で・・・。

 陸奥がそんなことを考えながら振り向くとそこには狂歌がいた。

「は、はいなんですか?」

狂歌は近くで見ると入学式の時よりも一層綺麗だったため陸奥は背筋をピンとはってしまった。

『ええと。新入生代表で挨拶していたのをみたので同じ代表として挨拶しようと思いまして。あ、そうだ連絡先を交換しませんか?同じ新入生代表として。』

-この人やっぱりどこかで見たことあるような。

「はい。いいですよ。」

「ありがとうございます。ではまた。」

「はい。」

-新藤さんやっぱり見たことある気がする。ま、いいかもう帰ろう。

 と陸奥が帰ろうとした瞬間。

「ちょっと。そこのあなたまた懲りずにナンパしてたの?あの言葉忘れたのかしら?それとも新入生代表で調子にのったのかしら。あまりうぬぼれないことね。」

-いやなんていうか。今日は本当に声をかけられるな。俺を家に帰さないという新手のいじめでもしているというのか。

「いやあっちから声をかけられただけですよ。」

「そう、でも端から見れば新藤さんをタブらかして連絡先を交換したようにしか見えないけどね。それに何度も言うようだけど、普通科の分際で魔法科とあまりなれなれしくしないことね。」

「ああわかったよ。」 

陸奥はちょっと苛ただしげに言うと、女はそう、といい帰っていった。

-よし帰れる。

と陸奥が一歩踏み出そうとしたとき後ろからまた声をかけらた。

「あ、弥生さんですか?」

陸奥が振り返ると後ろに皐月がいた。

「北条さんですか?こんな時間まで何を・・・。」

と、陸奥が自分で言いながら時計をみるとその針は午後の6時と示されていた。

-嘘、だろ。

「えーと私は閉館時間まで図書室で本を読んでいましたけど。そういえば弥生さんは千葉さんと何をしていたのですか?」

皐月が言うと陸奥は首をかしげた。

「千葉?」

「あ、知らなかったんですか。さっき話してた子、千葉榛名(ちばはるな)と言うのですよ。」 

皐月がちょっと驚きながら言うと陸奥はふーんというようにうなづいた。

「へぇ~そうなんですか。」

「はい。あ、そうだ連絡先を交換しませんか?なにかあったらすぐ連絡をとれるように。」

皐月が言うと、陸奥はうなづいた。

「はい。良いですよ。」

「それでは、また今度。」

「はい。」

-よし家に帰れる。



と家に着いたのは午後の8時

-なんか今日はめっちゃ声かけられたな。重い荷物をもってるおばぁちゃんとか、商店街のおじさんとか...おばさんとか・・・。エルフの子を囲ってた獣人族だったり...。と、しかもよく見たらそのエルフの子普通科の教室にいた子で連絡先を交換したり、もう疲れた。

「っ!」

陸奥が家に入ると魔法の気配がした。 

 家の中を見渡すと、天井に火の文字が浮かんでいた。

 そこには

〔汝の中に眠りし力が

  暁の晩に永き眠りから 

   醒めるであろう                

    其のとき

     我々は其の力を奪う

                            

                漆黒の騎士団〕

天井にはそうかかれていた。


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