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私の声は誰にも聴こえないし届かない  作者: 轟 十六夜
戦いの幕開け
15/20

戦い

カキィンと陸奥の刀と咲耶の造り出した刀のすすりあう音が響く。

「はぁっ!」

陸奥の速さに流石は神といったところかみついていってた。

「最初とは比べ物にならないほど強くなっておりますね。」

「そう、ですか!」

二人は相手の攻撃に警戒しながら喋った。

「最初に言っておきます。神を倒すにはそれ以上か、それと同等の技を繰り出すしかありませんよ。」

「はい!」

そう言うと陸奥は刀を交えさせながら静かに氣を溜めた。

 陸奥が咲耶の隙を探しながら戦ってると咲耶は言った。

「隙を探さず、真正面から来てください。」

咲耶はまるで陸奥の心を読んだかのように言った。

「!はい。」

そう言うと陸奥は後ろに飛び構えをした。

「そう、来ましたか。」

すると咲耶もとまり構えた。

「行きます!名刀桜吹雪奥義」

桜龍(おうりゅう)

陸奥に刀の周りに桜が集まりその姿がまるで龍のようになった。

「はぁっ!」

陸奥はそう叫び咲耶に斬りかかった。

「っ!本当に強くりましたね。」

そう言うと咲耶も陸奥に斬りかかった。

だが、咲耶は龍に食べられるかのように斬られた。

「かっ・・・はぁ・・。ふ、ふふ。陸奥さ、ん、強く・・・・・なりましたね。貴方に最期のこの力を授けます。」

そう言うと咲耶は陸奥に力を与えた。

するとその姿は龍に食べられるかのように刀の中へと消えていった。

「咲耶さん。」

陸奥は涙を流した。

 すると何処からか声がした。

『ふふ、何を泣いているのですか?』

「え?」

陸奥は咲耶の声がして辺りを見回した。

『私はこの刀に食べられたのではなく取り込まれたのです。』

「それじゃあ、まさか!」

陸奥は刀の方を見やると驚いた。

『その、まさかです。私は刀の中に入ることにより何時でも貴方と会話出来るのです。いえ少し違いますか。ちょっと柄の部分を見てください。』

咲耶がそう言うと陸奥は柄の方をみた。

するとそこには桜のようなものがあった。

「これは?」

陸奥が聞くと咲耶が答えた。

『それは私の魂です。それが無くなれば、と言うよりはこの刀が再起不能になれば私は神として、本来奉られてる場所か、天界に帰らなければなりません。』

「そう、何ですか。」

『その間は何時でも召還出来るのですよ?まぁ非常時位しか機会は無いでしょうが。』

「そうですか。」

陸奥は涙は出さなくなったが少し恥ずかしくなった。

「それなら、早く言ってくださいよ。」

陸奥が言うと咲耶が答えた。

『すいません。陸奥さんの驚く顔が見たかったので。』

「な、」

陸奥は一瞬怒りそうになったがすぐ諦めて呆れた顔をした。

「まぁ、いいですけど。」

陸奥たちが話してるといきなり世界にノイズがかかった。

「これは?」

陸奥が聞くと咲耶が答えた。

『どうやらもう終わりのようです。最後ですからこの世界とこの自然を感じながら終えましょう。』

「そうですね。」

そう言うと陸奥は瞑想をした。

 次はノイズだけでなく世界も自然も崩れていった。


*

『はっ。』

狂歌は氷魔法と水魔法の組み合わせでポセイドンと戦っていた。

「そんな遠距離では儂に傷を与えることだって不可能じゃぞ。お主にも、トライデントがあるであろう。」

『ですが!』

狂歌はポセイドンの言葉に反発した。

 無理もないポセイドンのトライデントと狂歌のトライデントには大きな違いがあるからだ。

 それは本物か否か偽物はどうあがいても本物には勝てない。そう思っている狂歌の思考が次の行動を妨げていたのだ。

「お主の考えはまだ甘い。」

するとポセイドンが狂歌の考えを読み取ったかのように言った。

「誰が、何時、偽物は本物に勝てないと決めたのだ?お主が勝てると信じれば、思えば、結果は変わる。お主が勝てぬと思うから勝てぬのだ。来い!お主の・・・新藤狂歌の真の実力をもって儂を倒してみせよ!」

ポセイドンが威勢よく言うと狂歌の心が揺らめいだ。

-そうだ、私が諦めてどうする!

 そう思うと狂歌は気合いを入れ一旦攻撃を止めた。

「くるか。」

『はい。私の実力をもって貴方を倒します!』

-水神の武器よ、今ここに!

水神の三叉槍(トライデント)

狂歌が唱えるとトライデントがでてきた。

-水龍よ氷龍よ我がもとに来て、我が力となれ

水氷龍(すいひょうりゅう)

狂歌が唱えると水龍と氷龍がトライデントを挟んで囲んだ。

『行きます!』

狂歌はポセイドンに向かって走り出した。

「そうだ。」

ポセイドンは笑いながら頷きトライデントを構えた。

「行くぞ!」

ポセイドンはそう言いトライデントを持ち突撃した。

だが狂歌のトライデントに偽物のトライデントにポセイドンのトライデントは破れ無様に散った。

 そのまま狂歌のトライデントの勢いは止まることなくポセイドンの胸を打ち抜いた。

「がはっ。はは・・・強くなったのう。最初からじゃと比べ物にならぬわい。それではお主にこの力を授けねばな。」

そう言うとポセイドンは狂歌に力を与えた。

「それでは、な。」

そう言うとポセイドンは龍に食べられるかのようにトライデントに飲み込まれた。

『ありがとうございます。』

狂歌が一人でにお礼を言うと何処からか声がした。

『はっはっはっは。礼などいらぬわい。』 

狂歌は驚いて辺りを見回したが何もなかった。

『ここだここ!地面を見るのじゃ。』

そう聞くと狂歌は地面をみたするとそこには、滴のようなものがあった。狂歌が持ち上げるとそれは滴の形をした髪飾りだった。

『それは儂の魂のようなものだ。それが壊れれば、儂は本来奉られてる場所か天界に帰らなければならぬ。だからそれを髪留めにするのだ。さすれば何時でも対応できるからの。』

ポセイドンが言うと狂歌は頷き髪を少しまとめ頭につけた。

『うむ。』

そう話してると世界にノイズがかかった。

『これは?』

狂歌が聞くとポセイドンが答えた。

『どうやらもう終わりのようだな。』

ポセイドンが言うと狂歌は静かに目を瞑った。


*

「はっ!」

恭介は天叢雲剣で戦い月読は影で造り上げた刀で戦っていた。

「ふふ、貴方は強い。ですが、そんな攻撃では私は倒せません!」

「そんなの分かってますよ!」

そう言うと恭介は幾重もの手裏剣を月読に投げた。

「それが分かってないのです。」

そう言うと月読は手裏剣を全て弾き返した。

「くそ。」

「ですから、貴方は兄を越えられないのです。」

そう月読が言うと恭介は拳を握りしめた。

「だから、貴方は兄より強いと思えば良いのです。そうすれば貴方が自ら見出だしている限界を越えれるでしょう。」

月読の言葉に恭介は心を変え集中した。

-そうだ、俺は今まで自ら限界を作ってきた。でも新しい仲間の為に過去を引っ張るのはやめよう。

 そう思うと恭介は顔を変え構えた。

「そう、ですね。分かりました。行きます!」

陸奥(あいつ)だって過去を乗り越え俺たちに話してくれたんだ。

「いい顔です。」

そう言うと月読は笑った。

「伊賀流忍術」

-隠密

すると恭介は気配ごと消えた。

「これは、何処でしょうか。」

月読が辺りを見回してもいなかった。

「伊賀流忍術」

-暗殺

月読が振り向いたころはもう遅かった。

「ぐっ。」

だが月読はかろうじて防いだ。

「これは危ないですね。」

月読は冷や汗をかいた。

「防がれましたか。ですが!伊賀流忍術」

-月光龍

恭介の刀が黒く輝いてる龍のように月読を襲った。

「面白い。」

そう言うと月読は真正面から迎撃の体制に入ったが、月読ごと龍に食べられるかのように斬られた。

「強く、なりましたね。貴方はもう貴方の兄を越えました。最後にこの力を・・・。」

月読が言うと恭介に最期の力をやった。すると月読がそのまま刀の中へと消えていった。

「月読様・・・。」

恭介が言うと返事がきた。

『呼びましたか?』

「!?」

恭介は突然の言葉に驚いた。

『ふふ、刀の柄を見てください。』

恭介は不思議に思いながらも柄をみた。

 そこには月の形をしたものがあった。

「これは?」

恭介が聞くと月読が答えた。

『それは私の魂です。この刀が再起不能になれば私は本来奉られてる場所か天界に帰らなければならないのです。』

「そうなんですか。」

恭介たちが話してると世界にノイズが走り崩れていった。

『どうやらこの世界とはもうお別れの時間のようですね。』

恭介はそのまま目を瞑った。


*

「はっ!」

皐月とガイアが戦ってるとガイアが口を開いた。

「流石、強くなりましたね。」

「そう、ですか!」

皐月は幾重もの矢を放ってるがガイアはそれらを打ち落とす。

「ええ、そうです。ですが貴女が私に勝つにはまだ足りません。」

ガイアの言葉に皐月が聞いた。

「なら、どうしろと!」

「それを自ら見つけるのです。ですが、まぁヒントくらいはさしあげましょう。私を倒すには龍等の聖獣、神獣の力を使わなければなりません。」

そうガイアが言うと植物の柱が皐月を襲った。

「くっ。」

「それに話しを聞くときも警戒しなければなりませんよ。」

皐月は何も警戒していなかったわけではない、ガイアの攻撃が速すぎたのだ。

「さぁ、立ちなさい。そして私を倒すのです。」

「は、い。」

そう言うと皐月は立ち集中した。

「いきます。」

-龍よ我に力を、汝の力をあの者に

緑龍

皐月は召還魔法ではなく攻撃魔法を唱えた。

 その魔法は龍となりガイアを襲ったガイアは身構えたが龍に食べられるかのように飲み込まれていった。

「そうです。それでいいのです。では私の力を貴女に。」

そう言うとガイアは皐月に力を渡した。

 するとガイアは消えていった。

「ありがとうございました。」

皐月は一人でにお礼を言った。すると返事がかえってきた。

『礼には及びませんよ。』

その言葉に皐月は驚きはしなかった。

「そんな事は無いですよ。」

『ふふ、やはり貴女の師から教えてもらってたのですね。』

ガイアが言うと皐月は頷いた

「ええ。まぁ。それでこれですよね。」

そう言うと皐月は葉の形をした髪飾りをとった。

『ええ、そうです。』

そう皐月達が話してると世界にノイズがかかり崩れていった。

『どうやら、この世界とはお別れのようです。』

「はい。」

そう言うと皐月は静かにその場に立った。


*

ドゴーンと榛名のミョルニルとトールのミョルニルがぶつかり合う音がした。

「強い、流石神ね。」

榛名は余裕のない笑みを溢しながら言った。

「ふははは、久方ぶりだな。こんなに体を動かしたのは。」

だがトールはその逆に余裕のある笑みを見せた。

「やはり、お前は強いな。だが復讐に縛られ過ぎている。」

そうトールが言うと榛名は歯を食い縛り言った。

「私には復讐しか生きる意味が無いのよ!それでも縛られてると言うの?」

榛名の言葉にトールは首を横に振り反論した。

「違うあるであろう。お前と共に戦う者が、それに次の標的はお前自身かもしれないのだぞ。」

トールの言葉に榛名は攻撃を止め首を傾げた。

「何を言っているの?標的はあの二人でしょう。」

「そうではない。考えてみろ。同じ学年に神憑きで漆黒の騎士団と関わりがある。もしくは調べていた者がいるのだぞ?」

トールの言葉に榛名は目を見開いた。

「まさか!」

榛名が驚くとトールは頷いた。

「そうだ、分かったか。だからお前は仲間のために自身のために戦わなければいけないのだ。」

「でも・・・。」

榛名はトールが突き付けた仮説に恐怖をしていた。

 今までは死は怖くはなかった。だが力を奪われるとは死とはまた別の意味をようするからだ。

 自らの力が何も関係のない人たちに振るわれるそんな恐怖が。

「あの少年と少女は自らの力を奪われるのを覚悟してあの者らと戦っているのだぞ。」

榛名はそれを聞くとハッとした。

-そうだ、アイツらはそれでも迎え撃っているんだ。それなら私だって!

「そう、ね。行くわよ!」

榛名は覚悟を決めた顔をした。

「そうだ!それでいい。来い。」

「はぁっ!」

-雷神の鎚よその一撃をあの者に!

雷神龍

するとミョルニルの周りに龍のようなものが絡まりトールへと榛名は走っていった。

 トールは身構えたが龍に食べられるかのように飲み込まれていった。

「それでいい。では俺の力を、お前に!」

そう言うとトールは榛名に力を渡した。するとトールは消えていった。

「そこいるのでしょう?」

榛名が言うとそこにミョルニルが現れた。

『ほう、よく気づいたな。』

「ええ、でもその前にこれは?」

榛名は突如として現れたミョルニルを不思議に思い聞いた。

『ああ、これは俺だ。これをお前のミョルニルに吸い込ませろ。』

榛名は言われた通りしたすると一目みただけで威力が上がったのが分かった。

「これは・・・。」

『よし、出来たな。それじゃあそこに落ちてるものを拾え。』

「それは知ってるわ。調べたもの。」

そう言うと榛名は雷の形をした髪飾りを拾い髪につけた。

 すると世界にノイズがかかり崩れていった。

『どうやらこの世界とはお別れのようだ。』

そう言うと榛名はその場に立った。


*

「かっ。」

アーリーと天照が戦っていると天照が口をひらいた。

「ふふ、最初からしたら大分強くなりましたね。」

「ありがとうございます。」

アーリーは天照の言葉に礼を言った。

 だがその威力を弱めはしなかった。

「私は貴女に勝ち、仲間の為に戦いま!!」

アーリーが言うと天照は頷き微笑んだ。

「そうですか。それでは貴女の本気を私に!」

「はい。」

-炎龍拳

アーリーの拳に龍のようなものが絡まり天照へと行った。

 すると天照は龍に食べられるかのように拳に殴られて拳に龍に飲み込まれていった。

「そうです。では私の力を貴女に。」

そう言い天照はアーリーに力を渡してそのまま消えていった。

「ありがとうございました。」

アーリーは一人でにお礼を言った。すると返事が返っててきた。

『ふふ、礼には及びませんよ。』

アーリーは一瞬驚いたがすぐ理解してその言葉を否定した。

「いいえ。私が強くなれたのは貴女のおかげです。」

『そうですか。』

「あの、それで右手に違和感があるのですが、何か知りませんか?」

アーリーが聞くと天照が答えた。

『では見てみなさい。』

そう天照がいうとアーリーは言われたとおりにみた。

 するとそこには太陽の形をしたものが埋め込まれていた。

「これは?」

アーリーが聞くと天照が答えた。

『それは私の魂です。それは貴女が死ねば私は本来奉られてた場所か天界に還らなければなりません。』

「そうなんですか。」

『これを、とる方法もあります。それは召還です。召還は魔法とは違い私を召還させることができるのです。ですがそれは緊急事態の時に使ったほうがよいです。』

そう話してると世界にノイズがかかり崩れていった。

『もうお別れのようですね。』

そう言うとアーリーやマグマに飛び込んだ。


そして全ての修行が終わり神との戦いが終わった。 


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