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私の声は誰にも聴こえないし届かない  作者: 轟 十六夜
戦いの幕開け
14/20

修行

「ぐっ!はっ、ぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・。」

恭介は強大な力のあまり膝をついた。

「やはり、ですか。ではこれでどうでしょう。」

すると月読はその力を弱めていった。

 そしたら恭介の息が戻り段々と膝をあげ最後にはおぼつかないが立てるようになっていた。

「はぁ・・・はぁ・・。すいません。」

恭介は自分の力の足りなさに謝った。

「いや、何を謝るのですか?これだけ耐えたのは普通に凄いですよ。」

「そう、ですか。ですが・・・。」

「ええ、貴方の兄ならばもっと耐えれたでしょう。」

恭介はその事実に歯を食いしばった。

「ですがそれは兄です。貴方と兄は違うでしょう?」

「ですが・・・。」

「貴方が今考えるべきことはそれではありません。それに兄はもっと耐えれたと言うのならそれを越えてみる努力をしてください。」

「はい。」

恭介はそう返事をした。

「それでは、始めましょう。の前に貴方の力を確かめなければなりませんね。ふむ少し気配を消してください。」

「ええ、分かりました。」

すると恭介は自らの気配を断った。

「な!」

恭介はそこである異変に気がついた。

 それは気配の残りかすがなく、まるで空気かのようにその場に溶け込んでるのだ。

「やはり、貴方の力はそれでしたか。」

「すごい。これが神の力・・・。」

恭介が感動してると月読は口を開いた。

「いえ、まだ分かりません。クナイを投げてください。」

恭介は言われた通りクナイを投げると物凄いスピードで飛び、武器の気配も無かった。

「成る程、忍者としての力が上がった。ということですか。」

「すごい。」

と恭介が感動してるといきなり倒れた。

「うおっ!」

「体がついていけてないようですね。まぁずっと使えば慣れるでしょう。それでは修行を始めたいと思います。まず彼処に的があります。それを二秒以内に撃ち抜いてください。」

そう言い月読は二百メートル離れた所を指差した。

「な、」

恭介は驚いたいくら速くなったとは言え、百メートルを一秒でやらなければいけないのだから。

「これができたら、次に行きます。」

「分かりました。」

恭介はそう言うとクナイを投げた。

 だがクナイは横に行き、かすりもしなかった。

「くそ。」

恭介はそう呟きクナイを投げた。

 だがまたかすりもしなかった。

 ずっと投げ続けてやっと当たるようになったが、二秒以内には無理だった。

「努力あるのみ、ですよ。」

「はい。」

恭介はそう言い投げ続けた。


*

「くっはぁはぁ、ぁぁっ・・・・んっ。」

皐月強大な力のあまりたつのすら苦労した。

「やはり、ですか。」

そう言うとガイアは力を弱め皐月が楽に動けるようにした。

「くっ、」

「これくらいですか。」

「はぁ・・・はぁ・・。」

-体から力が沸いてくる。

「それでは、力を確かめますか。ちょっとあの的を撃ち抜いてください。」

「はい分かりました・・・・・・・・て、え?」

皐月はその数を見て驚いた。

 パッと見百はあるであろう的をこの神は撃ち抜けといったからだ。

「あ、そうそう。全部一気に、ですよ。」

「な、」

その的を一気に撃ち抜くとなると物凄いまでの魔力コントロールが必要だ。

「っ分かりました。」

だが皐月は心を決めて撃ち抜こうとした。

無数の矢(インフィニティアロー)

皐月が繰り出して放つと全ての矢が同時に全ての的に当たった。

「な、」

「これが、貴方の力。どうやらコントロールが上がったようですね。次はこれをやってください。」

そう言うとガイアは五千はある的をだしその的は生きているかのように、四方八方へと飛んでいった。

「これを?」

「ええ、そうです。」

皐月は思わず苦笑いをした。

 これを撃ち抜くには先程よりも、もっと大量な魔力が必要だからだ。

「分かり、ました。」

皐月はさっきと同じようにやったが、的には少し当たるものの百すら当てれなかった。

「く、」

「頑張ってください。貴方にはそれだけの才能があります。」

「ありがとう、ございます!」

そう言い放つが中々当てれなかった。

「諦めなければ、その分見返りは大きいですよ。」


*

「かっ!はっがっ、ぁ・・はぁ・・はぁ・・・・。」

榛名はその力の大きさに苦しみを味わっていた。

「流石にこれは無理か。まぁ耐えられても困るのだが・・・。」

そう言うとトールはその力を弱めていった。

「はぁ・・はぁ、さっきので充分よ。」

榛名がそう言うとトールが反論した。

「何をいう。あれを続けてたら、体が弾けとぶぞ。」

「くっ、でも。」

「強くなりたかったら、修行をしろ。そしたらさっきの力も操れる。」

「わかったわ。」

榛名は納得こそしなかったが強くなるときいて何も言わなかった。

「それでは、お前の力を確認しよう。そうだなまずこの鎚を出してみよ」

そう言うとトールはミョルニルを、否、ミョルニルにそっくりな雷を物質創造魔法でだした。

「!それは。」

「うむ、お前の予想どおりであろう。」

榛名は何かに気付き言おうとしたがトールはそれを察し、せいした。

「てことは・・・。」

「ああ、そうだな昔話をするか。俺は前はある女に憑いてた、そこで俺はその女と交流を深めていった。ある日その女がミョルニルを貸してくれといった。俺は危ないと思い駄目だと言ったが、女はそれを聞かずにもちだした。すると女はミョルニルを軽く持ち振った。そのときその女は八歳くらいだったからな。俺は当たりだと思ったよ。だが鵺翔がその女に憑いた。俺を追い出して、な。女はミョルニルを武器として使ってて、俺はその時からミョルニルが無くなったのさ。」

榛名はトールの話を最後まで聞くと驚愕した。

「そんなことが・・・。」

「ああ、そうだ。まぁお喋りはここまでにして始めるか。」

「ええ、わかったわ。」

そう言うと榛名はミョルニルを創造した。

「これは・・・。」

榛名はそれをみて驚いたなんせ今までとは格が違ったからだ。

 それにみただけでその絶大な威力がわかり榛名はそれをみて感動した。

「すごい、これが私の力?」

「どうやら、そのようだな。ふむ、これを割ってみよ。」

そう言うとトールは大きな鋼の塊をだした。

「これを割ればいいの?」

「ああ、そうだ。」

榛名が聞くとトールが答えた。

 榛名は力をこめミョルニルを振り落とすと鋼は豆腐を叩いたかのように潰れた。

「な、」

「成る程これ程の力か。面白いそれではこれはどうだ。」

そう言うとトールは島ほどあるオリハルコンのような物をだした。

「これを割れと?」

「いや、潰せ(・・)

榛名はその大きさに驚き苦笑いをした。

 しかもそれを潰せと言うのだから。

「わかったわ。」

そう言うと榛名は一息つきミョルニルを振り落とした。

 だがオリハルコンにはヒビ一つ入らなかった。

「くっ。」

「まぁ最初は無理だろうが、やってけば何とかなる。」

だから頑張れ、とトールは言いそれを見守った。


*

「ぐっ・・・はっ、ぁぐ。」

アーリーはその力の強さのあまり膝をつきそうになったがプライドが許さなかった。

「ふふ、やはり、これは無理ですか。」

そう言うと天照は力を弱めていった。

「はぁ・・・。」

アーリーは動けるようになった。

「力がみなぎる!」

「ふふ、ではどんな力か確かめますか。それでは正拳突きをしてみてください。」

「はい。」

アーリーは言われた通り正拳突きをするとその力に驚いた。

 空気は押し出され前に向かって風が吹いたのだ。しかも音が遅れてやってきた。

「ほほう、次はこれです。」

すると天照はそう言うと大きな鋼のハンマーを取り出した。

「この一撃を耐えてください。」

「え、」

アーリーはその大きさにビックリした。

 だが心をきめ受けることした。

「わかりました。」

「それでは。」

ドーンと大きな音をたてハンマーはアーリーの体に叩き落とされたが、アーリーは無傷だった。逆に鋼のハンマーが粉々になった。

「な、これは・・・。」

「成る程。鋼・・・・いや金剛石と言いますか。金剛の肉体こんな感じですかね。」

アーリーは息を飲んだ。

 今までの体が自分のではないみたいな威力を発しているのだから。

「すごい・・・。」

「驚くには、まだ早いですよ。修行を続ければもっと強くなれます。ですからそのためにこれを砕いてください。」

天照はそう言うと火山が埋まるくらいの金剛石をだした。

「これを、ですか?」 

アーリーは天照の言葉をきき言葉を失った。

「ええ、そうです。」

「な、」

-でもやるしか、ない!

アーリーはダイヤモンドを殴ったが凹みもしなかった。

「まだだ!」

そう言い殴り続けた。


*

「これは、凄いですね。」

ヴェルダンディがその光景を見て驚いた。

「うむ、神憑きでしかもその力の6‚7割を我が物にしたというのは凄いのう。」

「え、ええ普通は2‚3割がやっとだというのですけど・・・。」

すると今まで黙っていたスクルドが口をひらいた。

 それくらい驚いたのだろう。

「ふむ、これは面白くなってきたのう。」

「ええ、そうですね。」

そう二人は笑った。


*

世界樹ユグドラシルの中で半年が過ぎたとき、陸奥は滝を真っ二つに斬った。

「うぉぉぉぉ!」

と雄叫びをあげ滝は二つにわかれた。

「よくやりました。あれを半年でやるとは流石です。それでは次は斬撃を飛ばしてあの滝を横に斬ってください。」

とまた別の滝を指差しそう言った。

「え・・・・。あっ、はい!わかりました。」

陸奥は一瞬嘘だろと思ったが気を取り戻し修行に励んだ。


それから体感時間の半年がたち、陸奥は滝を横に斬撃で真っ二つにすることができた。

「やったぁ。」

陸奥は疲れのあまり地についたが、咲耶がそれを許さなかった。

「休んでは駄目ですよ。次はあの滝を下から真っ二つに斬ってください。」

そう言いまた別の滝を指差した。

 次の滝は今までの滝より二倍の大きさがあった。

「嘘、だろ。」

しかも下からと言うことは滝の流れが邪魔するからより難しいのだ。

「嘘ではありません。」

「は、い。わかりました。」

陸奥は疲れながらもやりはじめた。


またまた半年(体感時間)がすぎて陸奥は地べたに這いつくばった。

「おめでとうございます。」

その言葉に陸奥は飛びはねようとしたが次の言葉で絶望へと変わった。

「あと一回頑張りましょう。」

「・・・」

「次はもう楽ですよ。3ヶ月あの滝にあたり続けて、もう3ヵ月間桜の所で瞑想すればいいのですから。」

その言葉に陸奥は笑みを溢した、が、咲耶が指差した滝を見て苦笑いへと変わった。

 その滝は今までの滝の十倍はあるか、という大きさだった。

「わかり、ました。」

そう言うと陸奥は滝にあたった。


また半年がすぎて二年間が終わりの日になった。

「おめでとうございます。それでは最後は私です。」

「え?」

陸奥は咲耶が言った言葉に疑問を抱いた。

「貴方は私の全ての力を授けるに値する力を得ました。ですがまだ足りません、私を倒して私の力をその刀に取り込むのです。」

「はい。分かりました」

陸奥は咲耶の言葉に心を決め、刀を構えた。


*

狂歌が的を半年で撃ち抜くとポセイドンは無数の的をだした。

「次はこれじゃ、休んでる暇はない。」

『ぐっ、分かりました。』

そう言うと狂歌はその的を打ち出した。


『はぁ・・・はぁ・・。』

狂歌は疲れで片膝をついたがポセイドンにせいされた。

「休んでる暇はないぞ。次はこれじゃ。」

そう言うとポセイドンは遥か遠方に万を越える的をだした。

 その的はまるで生きてるかのように四方八方に飛んでいた。

『あれを撃ち抜け、と?』

「ああ、そうじゃ。」

狂歌は絶望の顔はせず打ち出した。


半年が過ぎると狂歌はクリアした。

「それでは。次はこのトラデントを創成してもらおう。」

狂歌は今までのように動かなくていいと思い安堵のため息をついたが、トラデントを創成するという言葉に言葉を失った。

『嘘・・・・・。』

「嘘ではない。」

『分かりました。』

狂歌は疲れきった顔で返事をして取りかかった。


半年で完璧に作り上げることができてその形は本物と見比べても見分けがつかないレベルまで達した。

『やったぁ。』

「うむ、よくやったのう。次はここで半年間瞑想するのじゃ。」

『はい!』

狂歌は今までより一番簡単な内容だったから、元気よく返事をして取りかかった。


半年が過ぎると最後の日となった。

「それでは儂と戦ってもらう。これがお主に力を授ける儀式だ。」

『分かりました。』

そう言うと狂歌は戦いの準備をした。

『それでは。』


*

恭介が二年間の大変な修行を終え最後の日となり、戦いの時がきた。

「よくぞ。これまでの修行耐えてくれました。」

月読がそう言うと恭介は頭を下げた。

「そんなこれくらい普通ですよ。俺には絶対やらねべいけない事があるので。」

「そうですか、では!」

「はい。」

恭介はそう言うと構えをとった

 

*

皐月も最後の日となった。

「貴女の力を、全力を見せてください!」

「はい!」

そう言うと構えをして戦いの準備が整った。


*

雷が落ちる中二人は最後の日となり戦いの前に話しをしていた。

「因縁の相手は同じだ。だから俺を倒してあの女・・・バステノを潰してくれ。」

「そんなの言われなくてもするわよ。」

榛名はそう言うと構えをした。

「私はいつでも大丈夫よ。この戦いに勝って私はあいつらを潰す!」

「そうだ、その意気込みだ。」

二人は構えた。

「いくわよ!」

そう言い榛名から攻撃を仕掛けた。


*

最後の日となって決心を高めたアーリーは、最後の鍛練をした。

「準備はもう良いですか?」

「ええ、大丈夫です。このマグマに鍛えられた体を使う時がきたのですね。」

「ええ、そうです。」

「ふふでは行きますよ!」

そう言うとアーリーは構えをして飛びかかった。




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