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「ふうー」


 俺は職人ギルドを出て風呂屋へと来ていた。


 やはり風呂はいい。

 汗を流してさっぱりするし、湯船に浸かれば癒される。


 それにしても、今日は色々と疲れた。

 肉体的にも、精神的にも。


 それに見合うだけの成果があったかと言えば微妙なところである。


 将来的にガラス製品をメインに商売をしていくことが決められたのは好かったのだが、材料を仕入れるためには金貨が百枚単位で必要だとハインツから聞かされた。クロークルにガラスを扱う職人が居ないために、それよりも少量の注文が出せないのだそうだ。

 勿論、そんな大金今の俺に用意出来る訳がない。当てがあるとすれば商人ギルドの融資だろうが、今日登録したばかりの俺では難しいとも言われた。担保となるものは無いし、俺個人への信用も無いからと。

 小物生産を目の前でやって見せればどうかと聞いてみたが、それはやめておけとガチで忠告された。無担保の融資の場合は、個室ではなく、カウンターでの対応になる。他の街の人の出入りも多い商人ギルドでそれをやると最悪拉致られると。

 小物生産にはそれだけの価値があるのだそうだ。

 そのため、ハインツとニコは今、俺が小物生産を見せた人たちに口止めをしに回っていた。

 俺のために、本当に頭の下がる思いである。


 結局、今日の収穫は、僅かばかりの材料と、将来的な方針のみ。

 当面の収入を得る方法については、何も見出せていないのだった。


「はあー、どうすっかな」


 そう思ってもすぐに答えが浮かぶわけもない。

 このまま風呂に浸かって考えていてものぼせるだけなので、俺は風呂を出ることにした。


「あ、服も買わないとダメだよな」


 俺は買った手拭で体を拭いてから、服を着ようと思ってそれに気付く。

 職人ギルドに行くまでニコについて走っていたために、服は汗でベチョベチョなのだった。

 当然、そんなものを風呂上りに身に付ける気になどなる訳がない。

 幸いにも、俺は武器の代わりに高級な服を貰っていたので、その中のシャツとズボンを替えの下着と共に身に付ける。


「はあー、出費の方だけはすぐに思い付くよな」


 俺はそんなことを思いながら宿屋へと戻るのだった。




「いらっしゃい。ん?何だ、あんたかい。どうする?食事にするかい?」

「その前にこれどうにかしたいのですけど」

「洗濯物かい。裏に置いてある空籠に入れといたら、明日他のお客の分とまとめて洗ってあげるよ」

「そうなのですか?助かります。空籠に入れておけばいいんですね」


 俺は女将に言われた通りに宿の裏手に回ると、積み上げられた空籠の一つを取って服などを入れておいた。


「そこに座って待ってな」


 裏手から戻ってきた俺に、女将が一つの席を指差した。

 俺は黙ってそれに従う。

 周りの席では既に多くの人が食事をしており、その匂いが俺の胃袋を堪らなく刺激していた。


「はいよ」


 席に座って五分と経たないうちに運ばれてきたのは、四百グラムを越えていそうな二センチ程の厚みの猪の肉だった。茹でた肉を切り分けて表面を焼き、ソースと絡めた一品で、とても美味そうな匂いを放っている。他には、付け合せの野菜と、スープと、パン。これで全てだ。


「酒が要るなら言っとくれ。ただし、別料金だけどね」

「今日は止めときます」

「そうかい」


 酒は好きだけど毎日の晩酌が必要な程ではない。何かと出費がかさむのだから収入が安定するまでは止めておこう。


「いただきます」


 俺は早速フォークを短冊状に切られた肉に突き刺し、口へと運んだ。


 美味い!


 分厚いチャーシューのような肉に、ステーキソースを掛けたような味とでも言えばいいのだろうか。グルメではない俺に表現出来るのはその程度でしかないが、とにかくこの料理は美味かった。

 他の料理も軒並み美味い。

 パンも、付け合せの野菜も、スープも、みな俺を満足させてくれる。

 パッと見多いと思えた料理も、気付けば全て胃袋に収まっていた。


「ごちそうさまでした」


 正直、一泊二食付き銀貨三枚、日本円で三千円の宿で、これ程満足のいく食事が出てくるとは思ってもみなかった。これは嬉しい誤算と言えるだろう。

 俺は幸福な気持ちでその場を後にした。


 女将から鍵とランプを受け取って部屋へと戻った俺は、椅子に座って異次元収納から木片を取り出した。爪楊枝を作るために。

 テーブルの上に生産ブロックを出して木片を入れる。それから三本分だけ爪楊枝を作り出した。

 早速、その一本を手に取って、歯に挟まっていた肉片を取り除く。


「売れないかな。これ」


 手に持った爪楊枝を見つめながらそんなことを考える。

 先程まで食事をしていた一階のテーブルの上には、爪楊枝どころか、運ばれてきた料理と酒以外には何も無かった。

 現代日本で生活していた俺からすると、飲食店のテーブルには、塩とか、醤油とか、ソースなどの調味料に、箸や、爪楊枝などが置かれているのが当たり前で、それらは店が提供するサービスの一環だった。

 この宿でそれらが一切無いということは、提供するべきサービスとは思われていない可能性もある。


「あ、マイ爪楊枝でも持ってんのかな?」


 俺はふと、昔にテレビで見た金属製の爪楊枝のことを思い出した。

 あれは確か、中世ヨーロッパの貴族が使っていたものだったはずだ。

 ああいった物がこの世界で普及しているなら、木で作る使い捨ての爪楊枝など必要無いかもしれなかった。


「その辺りは明日調べるか。取り敢えず、歯ブラシだな」


 この世界の歯ブラシは、木の棒の先を細かく割いたものでしかない。あんなものどう考えても奥歯とか、歯の裏側とかはろくに磨けないだろう。

 それが三本銅貨二枚で宿屋のカウンターで売られている。こちらの方が爪楊枝よりは商売になりそうだ。


 歯に挟まっていた肉片や、野菜の繊維などを爪楊枝で取り終えた俺は、生産ブロックを再び出して、爪楊枝を作った残りの木片を入れた。

 後は異次元収納の中から毛皮の切れ端を取り出して入れれば作成に取り掛かれるのだが、あれは他のゴミと一緒に放り込んだので分別など出来ていない。頭の中に浮かび上がる異次元収納の中のリストにも、入れた順に『ゴミ1』『ゴミ2』としてしか表示されていなかった。


「あー、どうすっかな」


 これから寝ようとする部屋にゴミをぶちまけて分別する気になどなる訳がない。あの嫌な匂いを嗅いでは、美味しい食事で得た心地良さも吹き飛んでしまう。正直、外に出て分別する気にもならなかった。


「中で分別出来ればいいんだけど」


 異次元収納の中で分別が出来ればいいのにと思った瞬間、頭に浮かび上がるリストの表示が変わった。

 『ゴミ1』『ゴミ2』などと表示されていたものが、『毛皮』『革』などに変わっている。

 そして、MPも1減少していた。


「おおー、便利」


 異次元収納の整理機能とでも言えばいいのだろうか。そのお陰で俺は嫌な匂いを嗅がずに済んだ。


 すぐに異次元収納から適当な量の毛皮を取り出す。

 欲を言えば、異次元収納から直接生産ブロックに入れられたらいいのだが、二つは別物だけに無理だろう。


 ところが、毛皮を入れようと生産ブロックを見れば、既に毛皮がその中に入っているのだ。

 そして、MPが1減っていた。


「出来んのかよ!」


 俺は異次元収納に突っ込みを入れるように、手に持った毛皮を異次元収納へと叩き込んだ。


 まあ、何にせよこれで歯ブラシ作りに入れる。


 先ずは木片を成形し、次に毛皮から毛を抜取る。そして、それらの中で曲がっているものをピンと伸ばしてから束ね、程よい長さに切り揃えてからヘッドの部分に差し込む。その後、毛が抜け難いように、周りの木で締め付けるようにイメージした。


「これでいいかな」


 そうして出来上がった歯ブラシを手に取ってみる。

 俺が使っていた馴染みのある歯ブラシと比べると、本体部分はそう変わらないが、ブラシの部分はかなり柔らかい。これは使った毛の性質によるものだろう。軽く引っ張ってみたが、それで抜けるようなことはなかった。

 最後に匂いを確かめてみると、微かに獣臭い。

 まあ、それ程気になるものでもないし、一応及第点だろう。


 まだ木片は残っているので、残りも歯ブラシにしてしまうことにした。


 今度はブラシに使う毛に関して、動物の種類ごとに分け、先程よりも硬めな毛質のものを選んで使用する。そして、切り揃えて束ねた後、根元を融合して一つにし、より抜け難いようにしてみた。


「さっきのよりいいな」


 俺は、先程より自分好みの歯ブラシに仕上がったことに満足しながら、残りの木片を歯ブラシに変えてく。

 使う動物の毛を変えたり、ヘッドの形を変えたりしながら、最終的に五本の歯ブラシを作り上げた。


 俺はその中の自分好みの一本を手に取り、一階の水場へと向う。

 水場に辿り着くと、念入りに歯ブラシを洗ってから、異次元収納から取り出した塩を付ける。


 歯磨き粉って何で作ればいいんだ?


 歯を磨きながらそんなことを考えたが、考えたところで満足のいく答えなど思い付くはずもない。そんなもの一度も調べたことなど無いのだから。


 こういう時に携帯が無いのは辛いな。


 調べたいものがある時に即座に調べられることの出来たネット社会が何と便利だったことか。異世界生活一日目でしっかりと痛感させられる。

 そう思いながら歯を磨き終えた俺は部屋へと戻った。


 まだ寝るには早い時間である。

 作るべき商品が思い付いていればその作成に勤しむのだが、生憎と手持ちの品の大半が油を拭き取った古布では何も思い付かない。


「あー、油の除去でもしてみるか」


 油を除去さえすれば、油を拭くための布という価値は生まれる。売れる商品になるかどうかはともかく、今のまま持っているよりはましだろう。


 俺は生産ブロックを出して、一枚の油を拭き取った古布を異次元収納から送り込んだ。

 その布に染み付いた油を分離するイメージを浮かべると、すぐに褐色の油が分離していく。分離した油を異次元収納に送り、完了させると古布が残った。


 俺はその古布を手に取って匂いを嗅いでみた。

 油臭くはないものの、使い古された布の何とも言えない匂いはする。まあ、油だけを分離するイメージしか持たなかったのだから当然といえば当然だ。

 今度からは油以外の汚れや、匂いなども除去するイメージでやった方がいいかもしれない。


 よくよく考えれば、そのイメージは洗濯そのものではないか。こうやって小物生産を使っていれば、あの汗でベチョベチョな服も一瞬で着れるようになっていたのだ。


 でもまあ、今更取りに行くのも何だし、服を洗いたいという気持ちもあるし、洗ってもらっておくことにしよう。


「うーん、やっぱり脆いな」


 古布の質感は、やはりというか、かなり劣化が進んでいる。ちょっと力を入れるだけですぐに破れてしまいそうだ。正直、このままでは使い捨ての油を拭く布という以外に商品価値は見出せない。


 待てよ。

 それは常識に囚われているからではないのか?

 初めて小物生産を使った時のように、常識を取り払うべきなのでは?


 そう思った俺は、すぐに生産ブロックを出して古布を入れた。


 ガラスに変われ!


 当然ながら変化は無い。流石にそこまで無茶苦茶なことは出来ないと思っていたけど、一応やってみた。


 さて、これからが本番だ。先ずは古布に染み付いた匂いを取るために、古布から染料以外のものを分離するようにイメージする。そうすると、薄緑色の古布が若干鮮やかになったように見え、肉眼では確認出来ないものの、分離出来たものの存在がはっきりと意識出来る。それら分離したものは異次元収納へと送り、古布の加工に取り掛かった。

 売れる物にするためには古布の強度を回復するだけではダメだ。ただの端切れにしかならないのだから。

 そこで俺はこの古布を糸にすることにした。

 強度を回復するために切れている繊維を繋ぎ直す、なんてイメージするのは面倒くさいので、全てを融合させてしまうことにする。


「はは、何か美味そう」


 俺のイメージによって、生産ブロックの中には薄緑色の白玉団子のような物が出来上がっていた。

 それを数本の繊維に変えて束ねた後、縒りを入れて糸に仕上げた。


「うん。問題ないな」


 出来上がった三メートル程の糸を手に取って質を確かめる。

 強度は全く問題無い。売り物にするには長さが足りないだけだろう。

 俺は油を拭いた古布全てを糸に変えることにした。


「じゃあ、やりますか。・・・待てよ」


 俺は糸を仕舞うために出現させた異次元収納を見てふと思い付いたことがある。

 これから行おうとしていたことの中で、油を拭いた古布から油と匂いの元などを分離することは異次元収納で出来るのではないかと。

 『ゴミ1』『ゴミ2』となっていたものが『毛皮』『革』に分別されたように、『油を拭いた古布』も『古布』『油』などといったように分別出来るのではないかと。


 結論から言えば、あっさり出来ました。

 何処まで出来るかやってみたら、原子にまでバラして分別出来ました。

 凄いね、異次元収納。


 そうして油などを取り除いた古布を、繊維の種類、染料の種類、色の濃さなどで細かく分類した。そうすると、十分な長さの糸が作れるものと、そうでないものに分かれる。十分な量が無いものは、濃さの違うものに混ぜるか、染料を抜いてから糸にした。

 出来上がった糸は革を芯にして三十メートルずつ巻き取っていく。

 出来たのは十五。これを銅貨一枚か、二枚で売ろうと思う。


「今日はこんなものかな」


 取り敢えず、今日作れる売れそうな物はこんなものだろう。

 明日は朝から材料探しをしないといけないし、今日はもう寝てしまうことにする。


 ただ、その前に俺はMPを使い切ってみることにした。MPは使えば使うだけ増えるはずだから。


「MPが0になったら気絶するのかな?」


 魔法が使えるファンタジー物では、MPが0になると気絶すると描写されていることが多い。実際にどうなるかは分からないが、気絶する前提でいた方がいいだろう。どうせこの後は寝るだけだ。寝る準備をしてからMPを使いきれば、気絶したところで何の問題も無い。むしろ睡眠薬代わりになるので都合がいいくらいだろう。


 俺は一旦部屋を出て用を足してくることにした。


 用を足して部屋に戻ってくると、俺は服を脱いで異次元収納へと仕舞っていく。やはり寝る時は下着とTシャツだけがいい。

 まあ、今はTシャツが無いので下着だけになるのだが。


 Tシャツのような服も明日探してみよう。


 そうして下着姿になった俺は、ベッドの布団に潜り込んだ。


 生産ブロックを出すのはテーブルの上にした。ここならランプの火に近いので明るいし、ベッドからも見易い。


 俺は異次元収納から石を生産ブロックへと送り、人形へと変化させた。

 それを、歩かせたり、走らせたり、アニメーションのように動かす。そうすると、MPはみるみる減っていく。

 やはりMPを無駄に使うにはこうするのが手っ取り早い。

 その後もどんどんMPを使っていく。

 そうしてMPの残りが二桁になると、眠気が襲ってくるようになった。

 その眠気はMPが減る度に強くなっていく。

 仕舞いには眠気のためか、アニメーションのような流れる動きをさせることが出来なくなり、石の人形は段々とコマ送りのような動きになっていた。

 それでもどうにか動かし続ける。

 そして、MPの残りが10を切ると酷い頭痛がしてきた。だが、残り僅かなのでそのまま石の人形を動かしてMPを消費していく。


 5、4、3、2、1、・・・


 MPが0になった瞬間、俺は気を失った。




「・・・ん」


 俺が目を覚ました時、部屋は薄暗かった。

 ランプの火は既に消えていて、窓や戸の隙間から差し込む光がほのかに部屋を照らしている。


 そんな中、生産ブロックは俺が気を失った時の状況のまま存在していた。


「残ってる」


 意識が無くなったから、生産ブロックは消えていると思っていた。


 それがどうだろう。一切の変化なく存在しているではないか。

 これは非常にありがたい。

 意識が無くても維持されるということは、もし、作りかけの物がある時に眠くなって寝てしまっても構わないということなのだから。


 まあ、このまま生産ブロックを出していたところで意味は無いから、中の石の人形を異次元収納へと移して解除する。


 その後、俺は能力値が昨日と比べてどう変わっているのかステータスを確認してみた。



田坂悠馬 25歳 男

種族 :人間

MP :4019/4020

筋力 :14

生命力:16

器用さ:29

素早さ:15

知力 :62

精神力:60

持久力:20

スキル:言語自動変換

    パラメーター上昇ボーナス

    小物生産

    異次元収納

    鑑定



 これは予想以上に能力値が上がっている。

 MPは前日2680だったものが4020だから1340増えている。ということは、使ったMPの半分の量が増加すると考えて間違いないだろう。

 他に数値の上がった項目は、生命力が+1。素早さが+2。知力が+5。精神力が+10。持久力が+3。

 昨日の行動を考えると、素早さと持久力が上がったのはニコに付いて走り回ったからだろう。生命力についてもそうなのかもしれない。

 知力については小物生産を使ったからという線が濃厚。

 やたらと上がった精神力については、まあ、色々あったからということだろう。正直、数値が上がると分かっても、昨日のように人に囲まれて子供に諭されるなんて羞恥プレイは遠慮したい。

 数値が上がっていない筋力と器用さについては、それらを鍛えるような行動を取っていなかったから上がらなかったと。

 何にせよ、能力値を上げたければ、頭も、体も、フルに使えってことか。


 パラメーター上昇ボーナスのおかげか、能力値は予想以上に簡単に上がる。これなら戦闘スキルなど無くてもすぐに戦えるようになる気がする。

 そう思うと何だか高揚してきた。


 これはもう鍛えるしかないだろう!


 俺はベッドを飛び降りると、勢いよく木の窓を開け放った。


 すると、路地を挟んだ向かいの建物の窓に、驚いた様子の中年女性の姿が見てとれた。


「あ、おはようございます」


 驚かせてしまったことに恐縮しながら、気まずさを誤魔化すように挨拶をする。


「もうとっくに昼を過ぎてるよ。それにしても、若い人は元気だねえ」


 笑いながらそう返してくる中年女性の視線は、しっかりと俺の下半身を捉えていた。


 そこは、当然ながら下着一枚。

 しかも、寝起きのためか、しっかりと自己主張なさっている。


 !!!!!!!


 俺はすぐに股間を押さえて、窓の前から身を隠せる壁の所へと飛び退いた。


「あっはっは。ウブだねえ」


 俺のその行為に、中年女性は一層笑い声を上げている。


 はあー。穴があったら入りたい。


 異世界生活二日目初っ端に羞恥プレイをするはめになった俺だった。


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