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異世界における革命軍の創り方  作者: 吉本ヒロ
4章 15歳、王国内乱編
108/112

新人たちの飲み会

宣言通り短めですが、そこはご容赦を。


アンケートに協力していただいた方、ありがとうございましたm(_ _)m

知らない作品&(あらすじ等)面白そうな作品も多く、見れるかどうか、手に入るかどうかわからないものもありますが、なるべく目を通してみたいとは思っています。

アマゾンが好きではない人間ですので、どの程度手に入るか不明な物も結構ありそうですが・・・

古い作品とか特に(´ε`;)


よろしければまだアンケート継続中ですので、お答えいただけると幸いです。




「今日は飲むぞ!」

「「「おう!」」

「「「「かんぱーい!」」」」



生まれ育った故郷を旅立って出会った仲間達は、誰もが気の良い奴らだった。

兄貴肌のラジ、お調子者のサジ、気は弱いが細かい所に良く気が付くベル、数字が得意なカル。

出会ってまだ一週間だが、打ち解けたのはすぐだった。

真面目なだけの自分には勿体ない、とても良い仲間達。



「「「「……なあ、ゲン。大丈夫か?」」」」

「……大丈夫じゃない。吐きそう」

「「「「まだ飲んでないのに!?」」」」



騎士の訓練は伊達じゃなかった。

いや、実際、先輩達ですらゲーゲー言っている。

それを考えると、いくら手加減されたとはいえ、今吐いてないだけで結構なマシな方だと思う。

なんでも、イザーク様になってから死ぬほど訓練が厳しくなったとかで、既に二割の人間がやめたらしい。

だけど逆に、最近イザーク様がスカウトしたらしい一部の騎士は涼しい顔をしてこなしているのだから、あまり表だって文句も言えないらしい。



「まあ実際、調子はどうだ?」

「どうだと言われても、毎日走って素振りして、ほとんどそれだけで終わってるよ」



ただその距離や回数がおかしいだけで、やってる事は普通だ。



「ちなみにそっちは?」

「もう肩も腰もバキバキ……」

「というか睡眠時間が……」

「あっちこっち走り回されるし……」

「体の良い雑用ですね……」



デスクワークも、それはそれでキツイようだ。



「だけど今日まとめて休みが取れたのって、先輩達のお陰だよな」

「まあ、明らかに気遣ってもらってるね」

「だな」

「うん」

「あれだけ仕事が溜まってたらなあ……」

「「「ねえ……」」」



しみじみと呟く声には、とてつもなく実感が籠っていた。



「僕、明日は昼出勤でいいなんて言われたし」

「「あ、俺も」」

「僕も」

「いなかった時のことを考えれば、いてくれるだけ感謝だよ。なんて遠い目をしてた」

「……」

「なんて言うか、良い人達だよね」



「皆凄い笑顔でイザーク様の愚痴ばっか言ってるけどな」

「僕の所もですよ」

「というか俺達より年下なのに、なんかすごい謎だよな?」

「分かります。今の人手不足も、改革のしすぎが原因のようですし、その改革だって革新的すぎて、発想からしてすごいですからね。それにしても何か焦ってるような勢いなのに、誰もそれを止めないみたいなのが不思議です」



「まあ、言ったって聞きそうにないよなあ」

「だね」

「て言うかイザーク様って、ほんとなんなんだろうな」



「だな……」

「……にしても給料、凄いよな」

「……おう」



ラジが思わず顔を寄せ、小声でぼそりと呟いた。



「ぶっちゃけ思ってたより三倍多いんですけど……」



確かにめちゃくちゃ残業は多いようだが、給料はもっと多いようだ。



「お前はどうなんだよ?」

「武官はそうでもないな。とは言え、それでも予想の二倍だったけど」

「……なあ、どっからお金出てんだ?」

「……さあ?」

「「「「「…………」」」」」



誰もが顔を合わせるが、同時に深入りしてはマズイ気がして無言になった。



「ま、まあこんだけ給料があったらさ。ぶっちゃけツーランクは上の可愛い子とも結婚できそうだよな!」

「あ、分かる。しかも都会だけあって、可愛い子多いし!」



誰もが貧乏貴族家の出だ。

それも家を継げないどころか、当主補佐にすらなれない三男より下の者ばかり。

田舎の村長の娘くらいが関の山かと思っていたが、ここなら商家の娘くらいはいけるだろう。

顔も財産も、何倍も良い相手だ。






「「「「「…………うん、がんばろう」」」」」





誰もがまだ見ぬ花嫁の顔を想い描き、静かな野望に燃える中で夜は更けていった。


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