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オレンジ  作者:
5/5

小学校-4

 7月21日


 夏休みが始まった。




 小学校初めての夏休みが始まった。と言っても、いつもと変わらず友達と遊ぶ毎日。ただお昼から夕方まで遊べるだけだった。それは私たち一年生だけでなく、他の学年の人も同じだ。どの公園に行っても、見た事のある顔の子供たちが必ずいた。

私は圭と加奈子ちゃんと近所の公園に行った。そこは人気が少なく、好きに遊具を使える公園だった。


「やっぱり人いないね」


圭が言う。私は軽くうなづいた。

私たちはそこから、ブランコや鉄棒で思いっきり遊び始めた。

そこでふと、この前の疑問が頭に浮かんだ。


「ねえ、二人に聞きたいことあるんだけど」


二人の視線が私に向けられる。


「みかんとオレンジってどう違うの?」


唐突な質問だったと思う。

しかし圭はあっさりと答えた。


「同じじゃないの?」

「同じ?」

「うん、だってみかんの事英語でオレンジって言うんでしょ? お母さん言ってたよ」


圭の答えに私は納得がいかなかった。だって、テレビで見たオレンジはみかんとはまったく違ったものだったんだから。大きさも形も、色も少し違って見えた。


「何でこんな事聞いたの?」


圭は私に問いかけた。素直にテレビで見て不思議だったから、と言えばよかったのに、なぜか私の口からは違うものが出てきた。


「別に、なんとなくだよ」




 家に帰ると、また家の中がうるさかった。

知らない靴がたくさんある。またお兄ちゃんの友達が来てるのだろうか。

私の足は、リビングへとまっすぐ向かっていった。


「あ、お邪魔してまーす」


私を見たお兄ちゃんの友達は、きちんと挨拶をしてきた。私もそれにきちんと対応する。その後すぐ、私は自分の部屋に入った。

電気をつけ、ベッドに飛び込む。


なんだ、島岡君はいないのか。


心の中で浮き出た言葉。そんな考えに少し戸惑う。別に会えなくてもいいじゃないか。私のあの人は何の関係もないのだ。


友達の妹と兄の友達、ただそれだけ。



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