がんばったね
僕は、時を待つ。
いつ終わるか分からない時を。
無事を祈り、幸せを祈り。
不安が少しでもなくなるように・・・
悪い方へ、結末を送らせないように・・・
手術室と書いてあるところの明かりが消えた。
それは、時の終わりを告げるもの。
幸か不幸かは分からない。
でも、医者は口をあける。
「おめでとうございます。女の子ですよ。」
不安がとれ、立っていられなくなる。
なにごとにも耐え難い、この幸福感。
となりで妻の両親も、わが両親も喜んでいる。
妻の顔を見ると、つかれきった顔。
でも、幸せな顔。
きっと、自分もこうなっていると分かる。
出会いから始まり、何年もの時を経て
妻と自分は愛を形にできた。