人間なのに魔族の国に転移した?!
人間のカイは突如、魔族の学園に転生(転移)してしまう、そこは人間と魔族は血で血を洗う戦争を数千年の間続けていた。
しかし、カイは規格外の力を秘めていた!!
プロローグ:規格外の生徒
空が割れ、漆黒の雷鳴が轟いた。
気がつくと、青年――カイは、見知らぬ巨大な石造りの広場に立っていた。
鼻を突くのは、焦げた匂い。周囲を見渡せば、そこには禍々しい角や翼を持つ、尻尾を持つ明らかに「人間ではない」者たちが、困惑した表情で自分を見つめている。
(……ここは、どこだ?)
カイが自身の掌を見つめたその時、脳内に凄まじい情報が流れ込んできた。
前世の記憶。そして、この体に眠る底知れない力。大気中に漂う魔力の流れが、血管を流れる血液よりも鮮明に感じ取れる。
「……なるほど。使い方は、本能でわかる」
彼は無意識に指先を動かした。それだけで、周囲の魔族たちが一生をかけて練り上げるような高密度の魔力が、彼の意志に従い、静かに、しかし凶暴に胎動を始めた。
「貴様……何者だ!? 結界の内側に現れるとは!」
黒い鎧を纏った魔族の衛兵たちが、槍を構えて駆け寄ってくる。
現在、人間と魔族は数千年の間激しい戦争を繰り広げている、魔族の聖域であり学び舎である『冥王学園』に、人間が一人で現れるなど万死に値する。
絶体絶命の瞬間。
「待ちなさい! 彼は私の客人よ!」
鋭い声が響いた。紅い髪をなびかせ、一人の少女が割って入る。
名はセシリア。この学園でも高名な貴族の娘であり、魔族としての格も高い。セシリアの家系は魔力を感じ取ることが優れており、カイの魔力が人間のものであると見破っていた。そして、彼女はカイの瞳を一目見るなり、直感した。この男は、この世界の理を覆すほどの『魔力と力』を宿していると。
「セシリア様、しかしこの者は……」
「私の縁者が、極秘に送り込んできた特待生よ。……文句があるの?」
セシリアの毅然とした態度に、衛兵たちは渋々槍を下ろした。
数十分後、学園の裏庭で、二人は向き合っていた。
「……助かった。だが、なぜ俺を庇った?」
カイの問いに、セシリアは不敵に微笑んだ。
「あんた、人間でしょう? 隠しても無駄よ。私の目は欺けないわ」
心臓が跳ねる。だが、彼女に敵意はなかった。
「今、外は戦争でめちゃくちゃよ。魔族は劣勢このままでは負けてしまうかもしれない。
……ねえ、カイ。あんたのその力、私が上手く隠してあげる。その代わり、私の『親友』として、この退屈な学園生活を面白くしてくれない?」
カイは、目の前の少女を見つめた。
自分が人間だとバレれば、即座に処刑されてしまう。行き場もなく、頼りにする者を探していたカイはこの提案を呑んだ。
「いいだろう、セシリア。俺の正体を知る唯一の魔族として、頼りにさせてもらう」
こうして、最強の力を隠し持った一人の人間が、魔族のエリートが集う最高学園に「特別生徒」として入学することになった。
世界を揺るがす、カイの冒険が幕を開ける。
こんにちは!今回はこの物語を読んでいただきありがとうございました!
この小説は自分が初めて書いたものなので違和感があれば指摘してくれるとありがたいです。
では、次回でまたお会いしましょう!!




