出来損ないのワタシ
ずっとずっと比べられてきた。
私は、彼が生まれたその時からーー自分はなんてちっぽけな存在だろうと己の無力さを憎み、孤独と戦ってきた。
眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経抜群とくれば、彼が周囲に人気が出るのは必然で。
彼の周りには常に人が集まっていた。
名ばかりの姉の私は、素知らぬ顔で学校生活を耐えなく。地味で冴えない、運動なんて体力が持たずできない私は、ひたすら勉強に明け暮れた。
勉強していれば、弟の顔を忘れられるから。
勉強していれば、認められる気がして。
努力は裏切らないと信じていた。
なのに、難なく弟は私を超えていく。
大学も、恋愛も、就職も、彼には敵わなかった。私? 一方私と言えば、無理がたたって一時期学校を不登校になってしまい、病気を発症。心の病だって。今は、趣味のゲーム配信しながら、闘病生活兼実家の家事手伝いと就活をしている。
私の負けだよ。
弟よ。