第四話 吐き出せ駄メイド(お姫様)
「フリッシセス様―。早く食事場に来てくださいよー!」
「あー!もううるさいですわよ!黙ってなさい!」
「ひえー。元に戻ってるー」
私が朝から書庫にこもりっぱなし。
すると駄目メイド。略して駄メイドが私を急かしにきた。
「あれ?さっきなんて?」
私は先ほどのメイドの発言に違和感を覚えた。
「え?『戻ってる』って」
メイドがそう発した瞬間。私はダッシュでメイドに駆け寄った。
「それ、どうゆうこと!もっと詳しく教えてちょうだい!」
「は、はいー。でもその前に朝食食べてくださーい!」
*****
食後、私はその駄メイドを部屋に連れ込んだ。
「えっと……。何のご用で……?」
メイドは凄く緊張していた。当たり前だ。この私が鋭い表情でメイドつまり、貴方のことを見ているのだから。
「さぁ、昨日の私の様子についてとことん吐きなさい。嘘をついたらその貴方の頭上にあるウォーターボールが落ちてくる羽目になるわよ」
「その嘘かどうかはどうやって分かるんですか?」
「貴方忘れたの?私、拷問用魔法は大体習得してるから、嘘発見魔法なんて勿論使えるわよ」
するとメイドはごく小さな声で
「何でそんな無駄な魔法ばっかり覚えるんですかね」
と言った。
「なんか言った?」
「いいえ!何でも」
彼女は全力で首と手を振った。
*****
「まず、私は昨日この屋敷にはいなかったの」
「え?いましたけど?」
「多分それは入れ替わり相手だと思う。貴方……。昨日の私に違和感を感じていたでしょう?」
するとメイドは指を頬にあて、思い出したかのように。
「ああ!そうですね!」
と叫んだ。
話によると、昨日の私は言葉遣いも私らしくなく自分の屋敷なのに迷っていたようだ。で、性格はいつもよりお利口……。
話を聞いた後、メイドはびしょ濡れになって泣きながら部屋を出ていった。
でもやはり、さっきのメイドの話を聞くに、昨日の私はまるで別人のようだったと言っていた。
つまり、これは確定と言っても良いのか?
私は頭を悩ませた。
そういえば、私はフリッシセスから彼に入れ替わった時も、彼からフリッシセスに入れ替わった時もどちらも眠りについていた。
この現象と眠りには何か深い関係があるのだうか。
そう考え、私はまたあの世界に行けば、何か行動できて、何か分かるんじゃないかと思い、今一度、眠ることを決意した。
夜に寝れば良いのではないか?とは思うと思うかもしれないが、私は今、試したいと思っていた。一種の興奮状態になっていたのかもしれない。
第三者からの入れ替わりの術。私たちの常識ではあり得ないこの問題の真相を突き止めるため、私は眠りについた。