第一話 こんにちは異世界。(男子高校生サイド)
俺はただの男子高校生のはずだった……。
しかし、朝起きたらなんと、女の子になっていた。
自分が女体化したわけではない。俺が寝ていたのは、汚い自室ではなく、何やら屋敷の寝室のような場所だった。俺だったらこの一室で十分に生活できる。
つまり、俺は誰か別人になったということになる。
見た感じ、この女はお嬢様のようだ。年齢は15くらい。どの私立校に通ってるんだろう。(私立なのは確定)
コンコン
ノックが部屋に響いた。俺はそれに戸惑ったが、一旦深呼吸してそのドアを開けた。
「フリッシセス様。朝食のお時間でございます」
そこには何とメイドがいた。
「本物のメイド……?」
「あ、はい。あの……大丈夫ですか?体調が優れないのでしたら……」
「あ、いや、大丈夫……」
本物のメイドを目の当たりにして少し戸惑っていまった。
「とりあえず準備ができたら行くよ」
と言うと、メイドは疑問を持ったような顔をしながら了承し、その場を去った。
さて、一旦整理しよう。
俺は東京に住んでいるただの高校生だ。
昨晩、疲れ果ててベッドに直行して寝たら最後、目が覚めたらこんなところにいるわけだが。
とりあえず今は落ち着いて朝の支度を済ませることにした。
着替えを部屋から見つけ出し、それに着替える。
服を脱ぐ時は申し訳ない気持ちになってしまった。
今気づいたが、やはりこんな家に住んであるだけあって服は全て高級品だ。良い生地を使っている。いつもユニ●ロの俺とは大違いだ。
着慣れないドレスというものを身にまとい。俺は部屋を出た。
そこからも俺は驚かされた。
廊下は広々としていて、天井にはシャンデリアが吊るされてある。内装はまるで、ベルサイユ宮殿を思い出させるほどだ。
流石にベルサイユ宮殿の方が高いだろうが……。
しばらく歩くとあるメイドが
「フリッシセス様!何をしておられるのですか!?」
と俺に言ってきた。
「そう言われても、どこへ行けば良いのやら」
「屋敷で迷うなんて、本当に大丈夫ですか?」
「うーん……。とりあえず連れてってよ」
「は、はい……」
すると、メイドは食事場まで先導してくれた。
無駄に大きい扉を開けると、そこには主っぽいジジイが長テーブルの先端部分に座っていた。その両サイドにはこの身体の主の親族なのだろうか。そういう人達が座っていた。
「遅かったな。フリッシセス」
「あ、ああ……。すみません……」
「?ずいぶんお利口だな。まぁ座れ」
「あ、はい」
俺は空いてる席にちょこんと座った。
(さっきのジジイの言動……。これだけでお利口というくらいだから、普段はかなり我儘なのだろうか)
なんて思っていると、高級料理が目の前に出された。
高級イタリア料理だ。
まず、シチューを啜ってみる。
啜った瞬間。俺の脳に宇宙が生成された。
何だこれは。これはシチューなのか?とても俺がいつも飲んでいるものと同じとは思えない。
これを飲んでしまっては俺がいつも飲んでいるインスタントのやつがドブネズミのうんこに感じるほどである。
無駄に疲れた朝食を終え、俺は学校へ行こうとしたのだが……。
「フリッシセス様。学校は15歳になってからですよ」
学校が15禁になっていた。
「てか待って、お……。私って今何歳だっけ?」
「本当に大丈夫ですか⁉︎フリッシセス様は今13歳ですよ!」
メイドさんは本気で俺を心配した様子で答えてくれた。
しかし、もし海外の女の子の身体に乗り移ってしまったとしても学校教育が15歳からの国ってあっただろうか。
そう考えながら歩いているとステンと転んでしまった。
「いてっ」
足を挫いてしまった。結構痛い。
「大丈夫ですか!フリッシセス様!」
メイドが駆けつけてきた。
「ああ、うん。ちょっと足を挫いたみたいだけど……」
「あらまぁ。ちょっと待っててください!」
するとメイドは何やら詠唱のようなものを唱え始めた。
そしてそれが終わると、緑色のオーラがメイドの身体を覆った。
「『ヒール』」
よくファンタジー小説などで発せられる言葉を言った。
ヒール。一回ググったことがあったけ。確か、healには傷が病気を完治するまたは回復させる意味があるって書いてあったっけ。
その言葉通りに先ほどできたケガはみるみるうちに治っていった。
彼女は魔法を使った。俺はそう理解した。
「どうですか?フリッシセス様」
「あ、うん」
まさか、と思い丁度そこにあった窓を開けた。
とても綺麗な街が見えた。そして遠くには長々と連なる山々。その上空にはうっすらと大きなまるで竜のような生き物が飛んでいた。
その光景を見て俺は確信した。
ここは異世界。
ファンタジーの世界だと。
*****
そこから色々なことが分かった。
まず、俺はこの世界の文字が読める。
もちろん、日本語じゃない。そんでもって、英語でもない。中国語でも韓国語でもアラビアでもスペイン語でもロシア語でもない。
ちなみに後のほうの言語は読めない。
話を戻すが、俺はこの世界の言語を読み、話すことができる。理由は不明だが。
そのおかげで俺はこの屋敷にある文献からこの世界のことをある程度知ることができた。
どうやら俺は一国の王女。いわゆるお姫様らしい。次女のため第二王位継承権を持っている。つまり、姉がいる限り、女王にはなれない。別に俺個人、それが嫌というわけではないが。
俺はどうやら魔法の才が長けているらしい。どうやら、魔力が庶民より多いとされている王族の中でもトップクラスなんだとか。どういう風に測っているのだろうか、試験とか?それとも、生まれたときに水晶みたいなやつで魔力値を測ったりとか?
色々調べていたら、すっかり遅くなってしまった。続きは明日にしよう。
無駄に広い風呂につかり、ベッドにて眠りについた。
翌朝。
目が覚めると見慣れた景色が俺を出迎えた。
やはり、アレは夢だったのだろうか。
少しがっかりした。まあ、夢のような夢を見れただけよかったと思うか。
「雄二……。朝の支度しろよ……」
「あ、ああ」
親父が少しよそよそしく、俺の様子を伺いながら、話しかけてきた。
俺は朝の支度をしようとすると机になにか書いてある紙が置いてあるのに気が付いた。
そこには
『豚小屋に住む貧乏人!これ、どうゆうこと!!
フリッシセス プリュシレランス』
と日本語ででかでかと書かれていた。
ご愛読ありがとうございます。★★★★★やブクマよろしくお願いします。
投稿頻度は他二作品やリアルの方も最近忙しいのでまちまちになるかと思います。★やブクマしてくれたらやる気出るので執筆早くなるかもしれないです。
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面白い作品書くよう精進してまいりますので、よろしくお願いします……。