就職
「私ね、甘楽に言いたいことがあるんだ」
夏祭りの時彼女は言った。
「なにが?」
俺は素っ気なく聞く
「大きくなったら甘楽のおよめさんになりたいんだ」
それを聞いて驚いた。幼馴染にそう言われると思っていなかったからだ。
俺はその言葉に返事をした
「 」
だがその言葉は花火でかき消された
なんと聞こえたのだろうか。それ以来彼女と話すことはなかった。
(なんてこった)
つい昔の事を思い出してしまった
思い出すのも無理は無い。なぜなら話さなくなった幼馴染達が俺を誘拐してきたんだ
でももしかしたら夢かもしれない。そう思ったが
「何無視してんのさ」
高絵が話した
やっぱ夢じゃなかった。
「なんで俺を家政夫にすんだよ。家政婦いなかったか?」
俺の記憶では1人いたはずだが。
すると今度は高律が言った
「その家政婦さんが育休を2.3年とる事になってさ〜」
「そう。君家事得意だったろ?だから代わりになってくれないかと思ってな」
高絵が俺について覚えているとは思っていなかった。なんだが照れるな。
「まあそこまで言うならやってやるよ」
こうして俺は幼馴染のもとで働くことになった。