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転生種族はエルフ一択  作者: 鈴島リン
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1話:あ、これ異世界転生だ

「──めよ…。目覚めよ。」

なに?この声…。

目を開けると真っ白な世界にひげのおじいさんがたっていて、横になってる私の顔を覗き込んでいる。

ギリシャ神話のゼウスと言われれば納得するような、サンタクロースだと言われても納得するような。

というかもっと適切に表すなら「神」なのかもしれない。


「って、何、ここ!?」


急に目が覚めて飛び起きて周りを見渡してみたけど、やっぱり何もない真っ白な世界!(まるで精神と〇の部屋…)


いや、というかこれ「異世界転生ムーブ」に入ってない!?

その手のものはたっくさん読んだよ!

これ完全に「いつものアレ」の空気感が漂ってる!


ただ、一つ疑問なのは基本異世界転生の導入って、

トラックに轢かれたり、超絶激務で過労死寸前の寝落ちだったり、

何かしら死の予兆から入るんじゃなかったっけ。

私、この36歳になるまで非常に平平凡凡と生きてきて、

昨日も普通の日だった気がするんだけど。

小学校・中学校・高校・大学を普通に卒業して、

そのまま新卒ではITエンジニアになって、

まぁ忙しい日はあったけれども死ぬほど激務かといわれるとそうでもなくて。

友達も普通にいたし、彼氏がいたこともあったし、結婚は縁がなかったものの

飲み会に参加したりゲームしたり漫画読んだり、兎にも角にも平平凡凡に生きてたんだけどなぁ。


「放心しとるとこ悪いが、話をさせてもらうが、

 桐生ゆかりよ、お主はもう前世に生がなく、新しい世界に転生することとなる。」


ですよね!


「じゃあスキルもらえますか!鑑定!アイテムボックス!身体強化!

 えーとあと他には…」


「スキル…?とかはないんじゃが、お主の前世ではそんなものが…?」


「いや、なかったけども!お決まりのやつじゃん!」


神様(仮)が悲しそうな顔でこちらを見ている…。


「…スイマセン、先走りました。新しい世界について教えてください。」


「なんだか既に期待に沿えなかったようで申し訳ないが、説明させてもらおう。

 この世界は緑豊かな惑星で、さまざまな種族が手を取り合いながら生きておる。

 小さな諍いは尽きないが、大きな争いはここのところ起きていない。」


種族!

平平凡凡な私でも、読んできた漫画の数は身内では負けなしだったのだ!

私的なりたい種族No.1も熟考に熟考を重ねて結論を出してる!


「エルフ!」


「ん?」


「エルフでお願いします!種族の中にエルフいますよね!?」


なりたい種族No.1は勿論エルフ!

なんといっても、エルフはどんな漫画でも容姿端麗、清廉潔白。

手先が器用で森に愛され森に生きる鉄板が崩されたことはほとんどない!

魔族とか、獣族とか、ドワーフとか気になるものもあるっちゃあるんだけど、

種族レベルの容姿端麗に勝るものは見いだせなかった…!


「分かった。種族はエルフじゃな。勿論この世界に存在しておる。」


「ちなみに(種族は勝手に選んじゃったけど)

 他に何か選べる要素ありますか?(スキルはないし…)」


「年齢くらいかのう。名前は向こうで勝手につけて勝手に名乗ったらよい。」


「25くらいでお願いします。」


若すぎてまた義務教育からも面倒だし、元の36歳も面白味ないし、

ちょっと若返らせてもらおう。


「じゃあ、行ってきますね。」


奥に門のようなものが現れたので、この精神と〇の部屋にお別れを告げ

さっさと夢にまでみたエルフの世界へ向かおう。


門に入る直前、後ろで何か声が…。


「この世界は、『全員が異世界転生者』で構成されておるからの!」

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― 新着の感想 ―
[良い点] ブクマさせていただきました! 主人公がエルフになってどうするのか気になりました [一言] 応援しています!
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