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True COLORS  作者: Myui
2/7

・・・・

 雑踏の中その人は立っていた。

両手で箱を持っていて、少しだけ視界が悪い。焦茶いろの髪の毛をオールバックにして少しだけ猫背。

「…すみません…」

視界が悪いせいか、歩いてくる人にぶつかってしまう。

その後も謝罪をしながら進む。手にはくしゃくしゃの紙。

【◯月◯日 11:00 受付に】

殴り書きのメモを再度確認する。時間はメモの5分前。

よろけながらも受付へ。荷物を床へ置く。

「…す、すみません…ここへ来るように言われていた者なんですが…」

にっこりと受付の人が笑う。

「おはようございます。どなたに御用でしょうか?」

「あ…えっと…このメモだけでして…」

さっき確認していたメモを見せる。

受付の笑顔は崩れない。

「少々、お待ちください」

すっと立ち上がり、受付の人は他の2人の元へと向かう。

頼りの無さそうな人、くしゃくしゃのメモ、謎の箱、それは怪しいだろう…。

受付の中で何やら小さな声で会話が行われる。すると、先程対応した人とは別の1人が、にっこりと笑って話しかけてくる。

「大変、失礼いたしました。…さとう…はじめ?様でよろしかったでしょうか?」

「…はい」

「大丈夫ですよ。お話は伺っておりますので」

受付の人はさとうの、不安でいっぱいの顔にくすりと笑った。

「ここで待たせておけとのことです。」

「…えっ?」

「大丈夫ですよ。その方でしたら良くあることです。」

再びにこりと受付の人は笑う。

とりあえず、受付の端に荷物ごと寄る。

入ってきた方向を見つめる。多くの人が行き交い誰もが忙しそうにしている。時計を見る。

メモの時間より10分過ぎていた。再びぼうっとする。

「おい」

と言う声かけと同時か多少速く、さとうは振り返った。

「…なんだよ…急に振り返りやがって…」

「すみません…」

「まぁ、いいや…おい!嬢ちゃんたち!お仕事どうもな、これ好きなの飲みな!」

急に現れた人は、受付の女性たちに差し入れを渡した。

「吉田さん、ありがとうございまーす!」

それに対してヒラヒラと手を振る吉田。

「おい、行くぞ」

「…あ、はい…」

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