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ウクライナ情勢(第四回 ウクライナをロシア衰退の銃爪にするリスク)

作者: カズ ナガサワ

 ウクライナ情勢について、既に3回の、リアルタイムに近い投稿を行って来ましたが、スピード感はマスコミや他の評論家の方々よりかなり早く、また内容も日付と見比べていただき、どれだけの深さと的確性であるか見て読んでいただければご理解いただけると思います。


 さて、次の展開として、ロシアの実態がロシア国内外に露呈したときの反響は、ある程度は予想できると思いますが、それがロシア内部の分裂や極端な軍事勢力の支配下に落ちたときの問題について、元CIAPのRichard・Bernard氏と緊急対談をしてきました。現時点では先ずあり得ないと思われる戦略や、国際防衛の裏話を聞いてきましたので、ポイントをお見逃しなく! 英語を日本語に正確に訳すことが出来なかった部分は、少し細かい説明を加えております。


2022.4.3(jp.time)

カズ「こんにちはリチャード。忙しいと思いますが端的に、現時点の切迫した問題と、これからボディーブローの様に効いてきそうな問題を話して下さい」

リチャード「カズには既に耳に入っていると思いますが、喫緊の課題は難民支援です。わるいけど日本は極めて消極的な対応と言わざるを得ません。そして先々の、問題は山積みですが、私が一番心配しているのがロシアの実態が皆んなに知られたときの衝撃と失望です。自国が滅びゆく状況を目の当たりにしたとき、自分だけが助かればいいと思う人間や、弱った国を餌食にしようとする国が出てきます。ロシアは今までそうやってハゲタカの様に振る舞って来たので、今度はロシアを痛めつけようとする番だと、世界の多くの人達がそう思うでしょう」

カズ「なるほど、明確な話しだと思いますが、難民はこのままだと長期間の支援に切り替える時期が必ず来ると思いますが、どう考えますか?」

リチャード「まさに、そこの点が問題で、ロシアも難民問題を分かって交渉のカードに使って来るでしょう。停戦合意や帰還の時期は、ロシアが鍵となります。他国に攻め込んで、その国の人達や周辺国に多くの迷惑や恐怖を及ぼし、憎しみの増殖を生むばかりです。既に長期支援として、国家間の調整や国家予算に組み込んだ国もあります。その点は未だ日本は遅れています」

カズ「確かに、難民問題は今後もボディーブローの様に効いてくる一つですが、他には何かポイントはありますか?」

リチャード「そうですね! 先ず、現時点でも対ロシア政策の足並みが揃っていません。例えばインドは経済制裁に消極的ですし、中国は様子を窺っています。ロシアが国際社会にこれだけのダメージを与えても、その国の利益になれば武器や人まで出すという国がいます。それは、戦争の長期化を生み、直接的な問題から、間接的な問題に広がり、過去の冷戦に近い状況を招きます。やはり本当の意味で平和であること。そして自由であることが必要です」


カズ「なるほど、では具体的な中身に踏み込みます。軍事衝突は他の場所でも起こると思いますか? 特にロシア軍との間で」

リチャード「国境問題を抱えている国はロシアが弱体化すれば攻めて来るでしょう! つまり、ロシアが今やっていることと同じですから。特に大国の中国は可能性はあると思います。あとは、ロシアの飛び地となつているカリーニングラードという場所は気になります。ロシアがそこに核を配備したり、軍事拠点にすれば、過去にロシアから攻められた周辺国は黙っていないでしょう」

カズ「僕もそう感じてました。それでは、NATOや旧ソ連からの独立国、或いはポーランド等の、あまりロシアを快く思っていない国の対応はどうでしようか?」

リチャード「先ず間違いなくそれらの国の世論は反ロシアに急速にシフトするでしょう。軍事や経済、基本的な人の繋がりまで。例えばオリンピックやワールドカップ等の平和的なイベントはロシアを排除すると考えられます。とても悲しいことです。そして、対ロシア体制として、隣接国は軍事的な強化と連携に走り、各国境に部隊を配置するでしょう。NATOやアメリカもそれを後押しすると思いますが、それに対抗して、先ほどの飛び地の話しが出て、更に緊張が高まります。恐らく、西側諸国はロシア隣国での軍事演習や基地の建設を進めるでしようが、ロシアは様々な手段でそれを阻もうとするはずです。例えば、エネルギー供給や食糧、水路、鉄道、航空ルート、サイバーテロ、要人暗殺等のあらゆる妨害で、苦しめようとするでしょう。こうならないためにも、なるべく早期に停戦にこぎ着け、早くウクライナや周辺国に日常が戻るよう、世界全体が協力して事にあたらなければなりません」


カズ「では、ロシアの政権について率直な意見をお聞かせ下さい」

リチャード「この点が色々と意見が分かれるところで、ロシア国内やロシア軍、或いはロシアの経済界でもストレートな意見は出せないから、今の状況があると言えます。私は、普通に考えれば、政権ですから民衆が後押しすれば大統領になれますし、民衆が反対すれば辞めればいいだけですが、ロシアでは異常に無理をして、違法、違憲にしてまでも権力にしがみつく風習のようなもの、あるいは国民性や歴史的な人の思考が根付いてしまっていると思います(上手く訳せない!)。その権力に対するコンプレックスのようなものが一定レベルにある限り、プーチンと同じ政治家を生み出すことでしょう。長くなりますが、このコンプレックスを急激に取り除くと、間違った自由主義や、格差を広げ、国が割れたり、内戦が起こることも心配です。大国が変わるにはそれだけの時間と、人々の変える意識と痛みに耐える覚悟が必要です。その意味で、ペレストロイカ以後のロシアは不十分な状態で、無理に政権を長引かせたと言えます」


カズ「最後に、日本の課題と、北方領土問題についてお聞かせ下さい」

リチャード「シンプルが一番! 日本の良さを世界は高く評価しています。また、極端な平和主義国家で身動きが取り難いこともです。ただ、政治家の質はあまり高いとは言えないと思うので、民間レベルでもきたんのない意見交換や協力をしてほしい。君の様にだが。そして、日本の国民の注目はどうしても北方領土にいくと思うが、ハツキリ言えば、ウクライナやクリミアの問題解決なしに、まともにロシアを相手に交渉出来ると考える方が間違えていると思うな。既にロシアは国際社会の中で信頼を失っていると思わないはずはないし、そんな相手と日本だから特別扱いされると思う方が馬鹿げた考えだと思う。過去に縛られず、しつかり現実を見極める。これが基本だ! 君に言うレベルの話しじゃないがね!」

カズ「また頼むよ! ありがとうリチャード」


〜おしまい〜


             文責(作者)カズ ナガサワ

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