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76・集落

挿絵(By みてみん)


「兄貴っ見えた、あそこだ!」


 ジョルクが指差す方向に集落らしき物が見える、その門の近くに男とナルが居るのが目で確認出来た。どうやらあの集落の中に奴等の隠れ家があるみたいだな。


「ん? ……なぁ兄貴、俺の索敵魔法じゃ三人分の魔力反応が見えるんだけど……あそこにゃ二人しか居ないよなぁ?」

「ーーそうだな、見た感じ……俺にも二人に見えるな?」


 何だろう……魔法で姿を隠しているのか? でも此方に気が付いてる訳では無さそうだし……隠れるメリットが分からない。


 男の方は中肉中背、鍛えてやれば直ぐにベンチプレス70kgぐらいはなんとか上げれそうな体格だ。走者(ランナー)タイプが多い騎士団員に比べて意外にガッシリ系だな……あ、筋肉の付き方の話ね。 

 ズタボロのコートを着ているが穴からチラチラ見える紅い紋章がワイルドなお洒落感を醸し出している……気がする。


「うん、知ってるぞーー地味な格好の中に一つだけ派手な色入れたらオシャレなんだろ? 何だっけ……そう()()()だ!」


 マッチョにもオシャレ知識がある事を披露する俺、別にタンクトップばかり着てるわけじゃ無いんだぜ?


「へぇ! 兄貴は物知りだなぁ!」

「ーーお、お洒落だと?? あの小汚いコート姿の事を言っているのか? …………平民のセンスは分からんな……」


 もう一人は当然見慣れたナルの姿だ、だけどヤバい薬でも飲んだみたいなハイテンションだ。ピョンピョン飛んでるし……あんなナルは見た事無い。そして時折右手に填めた人形(マペット)に向かって話し掛ける様な仕草をしているのが見える。


(……くそっ、確定演出じゃん)


 あの仕草、どうやらナルは操られているようだ……だけど噂の人形創作者(パペットクリエイター)はサイラスが倒したんだよな? 近くで確認こそしなかったが、確かにそれらしき死体はあったーーグサグサの穴だらけのヤツが。


 それじゃあ、ナルを操っているのは誰なんだ? さっきギュスタンは()()()()()使()()()()()()()()()って言ってたよな? 


「ジョルク、魔力の反応が何処から出ているか分かるか?」

「ん? まぁ、多分イケると思うぜ? ちょっとやってみる」


 ジョルクは目の前のギュスタンを索敵魔法で空から確認し始める。遠くの索敵をするのは当然だが、意外と自分のすぐ横を索敵魔法使って見る機会は無い。


「こう見るとやっぱ人によって魔力量が違うから見え方も違うなぁ! へー、ギュスタンの魔力量はこれくらいなんだなぁ」

「おい早くしろっ! どうも落ち着かん……」


 見られているギュスタンは恥ずかしいのか若干嫌そうに身を(よじ)っているーー乙女かっ!?


「兄貴は……あれ? おっかしいなぁ?」

「よしジョルク、取り敢えず分かるんだったらあっちを先に見てくれ! ナルと男ともう一つは何処から魔力が出てる?」


 ある程度距離が空くと確認し辛いのか、ジョルクは目を皿にして暫く食い入る様に見つめていたが不意に指で瞼を押さえ揉み出した。


「あ〜キッツイなこれ! 目ん玉が飛び出そうだなぁ! だけど何処から魔力が出てるかは大体分かったぜ!」


 空からと目視の両方で確認するのはジョルクにかなりの負荷が掛かるみたいだな。魔力量の違いが個人を判別出来るならデメリットだった敵味方の選別も出来そうだったけど……魔力量は魔法を使えば変わるしそもそも味方全員の魔力量を覚えるってのは無理があるか。


「ーーで、一体何処から魔力は出ているのだ?」

「あー多分……ナルの持ってるあの人形だなぁ」

「人形? あの兎の人形か!」


 人形から魔力か……あの人形に何か絡繰(からくり)がありそうだな。人も人形も両方を操る人形創作者(パペットクリエイター)、サイラスが倒したヤツも本人じゃなく、ナルの様に操られていた人形(別人)だった可能性が高いーーと言うよりそうなんだろう。


 そうであれば人形創作者(パペットクリエイター)が倒されたのにナルが操られているのにも辻褄が合うしーーあの人形が本人って事は流石に無いよな?


「多分、本体は別に居るパターンだな……」

「サイラスが倒したのは別人と言う事か」


 人形を操ってる魔法士を特定出来ない限り永遠と湧いてくるやつじゃん、どうやったら本体分かるんだよ? 


「あっ、なぁナルが村に入っちまうぜ? どうする兄貴、やるか?」

「待て、門は中から開いたみたいだし、まだ他に仲間が居るのかも……今動くのは不味い」


 集落の規模には不相応な頑丈そうな門だ、また集落の周りも高さ2mくらいの木製の壁でぐるりと囲まれ所々に紅い旗がたなびいている。

 小さな集落なのに随分と物々しい雰囲気だ、森の中だから大型の獣対策なんだろうか?


「ジョルク、中に何人居るか分かるか?」

「そうだな……少なくとも十人は居るかなぁ?」


 十人以上かぁ……村人全員が敵って事は無いだろうけど……それでも真正面から行くのは無謀過ぎる、少なくともナルは操られている間殺される心配は無い筈だーー此処は慎重にいこう。


「ーーもうすぐ日が暮れる、夜を待って忍び込むのはどうだ?」

「忍び込むのか兄貴? だけどーーほどこから入るんだ、なぁ?」


 裏門くらいはあるだろうけど見た感じかなりガッチリした作りなんだよなぁ。物見櫓もあるし、門の警備もしっかりしてる。集落というよりはまるで軍事拠点って感じだ。


「……最悪穴でも掘って下から行くか?」

「ふんっ! アレくらいの壁ならば俺の爆破魔法で簡単にーー」


「待て待て、忍び込むんだよ! 爆破なんてしたら直ぐバレるだろうが、アホか!?」

「ば、馬鹿者! 加減位出来るわっ!」


 そういや、バクスを助ける時に使った爆破はそれ程大きな音はしなかったな。


「そ、そうか、悪かった。ーーじゃあ頼むぜ? 潜入出来るかどうかはお前に掛かってるからな!」

「ふんっ!」


 若干プンプンしながらギュスタンは集落の周囲を見に行った、どこかの壁の薄い場所が無いか調べるんだろう。しかし、潜入ミッションなのに爆破魔法のギュスタンに大声で詠唱しちゃうジョルクか……不安しか無い。

今回も読んで頂きありがとうございます!


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