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愛犬家2  作者: ねこのみーちゃん
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中年女性と結婚詐欺師のグループがその女性を観察し、ターゲットに定めるて公園を舞台に展開するドタバタ

モモコが偶々いった鞄屋でも、同じことが起こった。もちろん亭主と以前行った場所であるが。倉持が見知らぬ若い女性とふたりきりで楽しそうに買い物をしていた。

数日して、倉持が今度入社した高卒の女の子は仕事が出来て、すっかり頼っても安心な位なんだ。と、言った。しかも控えめなんだと言った。倉持が会社のことを詳しく話すことは無かった。思わず楽しい事を隠して置けず溢れ出て来る様だった。モモコは悟った。彼は恋をしている。

モモコは静観していたが、数日してモモコの母親も交えて話合いの機会を持ちたいと倉持から提案が有った。

地方から態々モモコの母親が出て来たが、テーブルの上にはTV電話を設定したパソコンと紙がいち枚載っていた。

倉持はずっと胸を押さえていた。

紙は離婚届だった。倉持のサインは既にしてあった。

倉持は母親に対して、「モモコさんは料理を始め妻としての基準を満たしていません。」と言った。母親はモモコを振り返り「あなたも離婚したいと思ってるの」と聞いた。モモコは頭を振った。母親は「これを知っていた?」矢張り頭を振った。母親は言った。「あなたの言っている事は不当です。」「家事などは出来無い事は分かっていたはず、だから反対したのです。」「しかし数年経っています。」倉持はTV電話を起動した。倉持の田舎の母親が写し出されていた。「息子の結婚が遅かったために、当初から息子から口出しを止められていたので、結婚話も結婚生活も干渉しませんでしたが、あまりに酷い。」倉持は続きを制して、意を決した様に胸元から写真を取り出した。「これは今年入社して部下の女性です。僕は彼女が好きです。お母さん分かって下さい。」

モモコは写真を見た。モモコより三才年下でモモコより美人だった。矢張りショッピング先で見掛けた女性だった。

モモコは身にそぐわぬ位プライドが高かった。泣いてすがって復縁を乞うとか、冷静に亭主の不倫の証拠を集め、お金を取るだけ取るとかという道を選ばなかった。モモコの母親の不当だという言葉と揉めた空気が続きそうな中で、モモコはもう良い、分かったと離婚届に自分の名前をサインした。

マンションをせめて譲ってと言うモモコの母親に、可成り値上がりしたから無理だと否定され、頭金の100万円を返して欲しいということに、何故返さなければいけないのかと返答された。追い討ちを懸けるように倉持の母親から、結婚に口を出さずに数年経つのに、子供さえ出来ない、妹さんにも子宝がないということだからあなたの娘さん達は欠陥商品だ。というのにさすがに倉持も言い過ぎだと止め様としたが、今度の彼女は肉体関係が出来たと報告を受けたときに、不妊検査を受けさせて、異常がないと分かったので今度は大丈夫といったので、その場の空気が凍った。

モモコは実家に帰った。母親は自営業だから娘ひとり面倒見られるのかと、独りごちた。

新婚なのに妹の桜子は戻った姉を心配して、様子を伺いに来た。説明が遅れたが、モモコには母親に似て、美人で何でも卒なく熟す妹が居る。

母親は妹に、少しでもご飯を食べたし、そっとして置こうと思って部屋で休ませて居る、と言った。

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