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くじらの鰭  作者: 星の数
1/1

ふたり

「魂には〈地図〉があるらしい」


のぞみはユウちゃんのその言葉に、大袈裟なほど首を傾げてみせた。



「〈地図〉ゥ…?それに魂って。なんでまたユウちゃん、そーゆーふわぁっとした話するワケ〜〜〜?哲学者じゃないんだからわかんないよ、あたし」


のぞみは怪訝そうな顔で言う。


当のユウちゃんは、その態度に怒りを表すより先に、わざとらしく溜息を吐いておいた。


そこにはわかりやすく、ユウちゃんの発言を一蹴したのぞみへの軽蔑の念が込められていたが、べつだんのぞみは気にしているそぶりを見せなかった。




中学校の一日の教育課程を終え、放課後。


「成山神社」の隣のせまい敷地に、「まあ適当にばらまいておきました〜」といった具合の、

動物を模したスプリング遊具やブランコ、シーソー等のおもしろくもない遊具たちがいい加減に配置されていた。


のぞみとユウちゃんは、そんな閑散とした公園の隅のベンチの横に自転車を留め、語り合っていた。


語り合っていたとはいっても、たいした話はしない。

今日も清水先生はカッコよかった〜だとか、

公園の遊具といえばすべり台!なのに、この公園にはなんですべり台がないのか〜だとか、

そういうような「駄弁ってる」という単語が似合う、話題である。



そして、この公園。


色も形もつまらない遊具も、

所々に敷きつめられた特にこれといって特徴のない石のタイルも、

言ってしまえば、ふたりがそんなくだらない話をするのにちょうどよい塩梅のものであった。




「──あのさぁ、ユウちゃん。じゃあ、こんなん知ってる?」

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