互いに向き合って
前回の続き。
あの洞窟は、子どもだけが歩ける高さで、
大人や、特に背が高い子どもだと、
穴の上部に頭がぶつかるの。
もっと大きな鍾乳洞で、山のふもとまでの道路が整備されると、
全国的な名所になるのかも。
ところで、洞窟の中を歩くうちに、
おしっこしたくなってきたの。
いっしょだったA子とB夫も。
お昼になったので、濡れていない岩にみんなで座って、
おにぎりを食べて、水筒の水を飲んだの。
食べ終わってすぐ、私が「おしっこしたい」。
A子とB夫も同じ。
ここで彼女が「想定外」の発言を。
「お互いに向き合って、しゃがんでおしっこしよう」
あの頃は3人ともガキんちょ。
B夫もかなりせっぱ詰まってたようで、
「わかった」と言って、すぐにしゃがんでおしっこを。
私たちも、もれそうだったので、あわててしゃがんでおしっこ。
洞窟が一種の共鳴体だったようで、
放尿の音がかなり響いたの。
A子いわく、「B夫クンのおしっこって、細くて勢いがないのね」
彼は赤面。
まだ子どもだったので、ボッキとかはまったくなし。
あそこは本当にかわいい感じだったの。
私とA子は、B夫に比べると、太くて勢いのあるおしっこだったの。
広い範囲に飛散させながら。
A子は大人になってから、「あれは独創的で斬新な発想だったわね。
二十歳くらいの男女でAV にしたら、そこそこに売れたりして」。
う~ん・・
こういうのは、○○出版系?!
カラミなしだと、そういう愛好者にはウケるかも。
ところで、あれからの私たち3人。
まだつき合ってるの。
高校は、私とA子が同じで、私立の女子高。
そこからエスカレーターで、系列の女子短大へ。
B夫は秀才で、偏差値がチョ~高い高校に入って、
東大に現役で合格。
「大学院に進みたい」って言ってるの。
彼は確かに秀才だから、将来は学者になれるかも。
今の3人・・
「月イチ」くらいで会ってるの。
それぞれのお家を、持ち回りで「お茶会スポット」にして。
どうということのない話をして、時間は長くても30分くらい。
B夫はお家が裕福で、アルバイトなどはしないで、
とにかく勉強ひとすじ。
私かA子かどちらかがB夫と結婚すると思うけど(私たちの親も公認)、
「おカタい夫婦」になるのは確実。
今思えば、「洞窟でおしっこ」が、
「はめを外した?唯一の経験」だったのかも。
私たち3人は、「体の関係」はいまだになし。
今どき珍しい、「天然」記念物かもね。