10/11
秋の長夜
薄雲越しに注ぐ玲瓏な月明かりが、冬に向かって冴え渡る空気が、暖かだった時間と、悲しかったことと、そんなものばかりを想起させて、掻き立てて、抱えた空虚と喪失感が輪郭を持って、ありありとその存在、或いは無存在を感じざるを得なくて、何度も殺した筈の「愛されたい」が五月蝿く喚いて暴れ出して、だから、だから、秋は嫌いだと、そう昔から言っているのです。
*********************************
下のアスタリスクは字数調節です(200文字ないと投稿できない)




