プロローグ
異世界ものの小説が書いてみたくて、ちまちま書き溜めたので投稿させていただきました。
ちょっとずつでも更新していきたいです。
実家へ帰るため車を走らせていた。始めこそ慣れない高速道路で緊張していたが、ちょっと考え事をできるくらいには落ち着いてきた。
今日の昼飯のことを考えながらハンドルを握っていると、観光バスが左車線をゆっくり追い越して行った。制服姿の学生が退屈そうにこちらを見ている。そうそう、移動中ってテンション下がるんだよな~、俺も修学旅行とかあんなだったわ。懐かしいな。
うちはさほど裕福だったわけではないが、かといって貧乏で苦労した記憶もあんまりない。古いけど持家で、外食だって月に1回程度は行っていた。一応大学だって通わせてもらったし。
良く言えば平均的な家庭だったと言えるだろうか。なので、たまに家族で旅行に出かけるときは心底楽しかったものだ。予定ぎゅうぎゅうの観光バスツアーは正直大変だったが、家に帰るとまた行きたいとも思う、あれ何なんだろうな。あぁ、思い出したらなんか旅行行きたくなってきた。
実家への道のりということもありノスタルジックな気分に浸りそうだったが、背後で大きな音がして現実へと戻される。
バックミラーを見るとトラックが傾きながら近づいてきていた、それを目視するとほぼ同時に強い衝撃が全身を襲い、意識が飛んだ。その後のことは覚えていない。