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時流れ

少女の名前を時空ときそらと書きましたが、時流ときながれに変更致しました。

「ところで雲母(笑)はどこに行くつもりだったのじゃ?」

「なんで(笑)がついてるんだよ!」

「なんとなくじゃな」

「なんとなくで名前を呼ぶときに(笑)をつけるなよ。学校に行く途中だったんだよ」

「寺子屋か。お主はまだ卒業できておらぬのか?」

時流ときながれは再び眉を八の字に曲げた。

「うるさいなあ。どのみち日本では年齢を迎えなければ小学校も、中学校も、高校も大学も卒業できないシステムになってるんだよ」

「ほう。そうか。無事に卒業できるといいのお(哀)」

「く!( )の中身ににレパートリーが増えている!」

僕たちは通学路をとぼとぼと歩いている。

すでに登校時間は過ぎているから走っても無駄だろう。

なにより走る気力もないのだが。

「それより、時流はホントに小学生じゃないんだな?中学生でもないんだな?」

「しつこいのう。既に我は社会人じゃ」

「な!?」

「OLと呼んでも過言ではない」

時流れは無い胸を反り返す。

僕はぺたんとした。いやぺたんとしてみた。

なあああああああああああ!

時流は焼けたアスファルトを転げ回っている。

よほど嬉しかったのであろう。

「お主!いや!貴様は、いちいち胸を触らねば話ができんのか!?」

「貴様って敬意の意味だよね。あなた様って意味だったというし」

「ほほう。馬鹿のくせに言うのう」

時流は襟を正す。

いや。襟を正したというより、着物の袷を正している。

守備力アップという言葉が僕の頭に浮かんだ。

「では、お主にわかりやすく言ってやろう」

「ふふん。くるなら来い!」

「下卑」

「ぐああ」

少女に下卑と言われた。

やはり胸を触るのはいけなかったのであろうか。

スキンシップだったのに。

「というか、お主が我の芳醇な胸ばかり触るから話が進まぬではないか!!」

「時流。いいか?胸というものはなあ」

「キモイ」

僕は現代風の言葉で袈裟斬りにされる。

切っ先が見えない程であった。

「だから!お主!話が進まぬであろう?」

「なんの話だっけ?」

「我が寺子屋の生徒かどうかじゃ!」

「そんな話してたっけ?」

鳥頭とりあたまじゃのう。まあよい。お主がわーわー騒いでいる姿は周りに見えてるようじゃが」

「いや。平日の真っ昼間から小学生を連れて登校してる姿は異様でしかないと思うけど」

「よく分かってないようなので言うが周りの人間には我の姿は見えておらぬぞ」

「それって」

「そう。お主は」

「さわり放題」

時流は素早く腕で胸を隠す。

「欲望が過ぎるぞ!ペドファイル」

「え?ぺど?」

「ああもう!話が進まぬではないか!!」

「正直楽しくなってきてたので」

「まあよい。よくないがまあよい。ちなみにお主の学校というのはここから半里ほど行った4階建ての建築か?」

時流は人差し指を真っ直ぐ伸ばした。

「そうだけど」

「ちょうど良い」

僕は首を傾げる。

「ちょうど良いって?」

「我と行き先が同じじゃ。ま。同じじゃなかったら無理矢理にでもお主の目的地を変えさせるつもりだったのじゃが」

「え?」

「え?とはなんじゃ」

「高校生が少女を連れて登校とか」

「だから少女じゃないと言っておろうが」

「君。家に帰りなさい。今ならまだ間に合う」

「我の胸を触っておいて何を言いたいのかわからぬが、ひとつ言えることは」

「ん?」

「周りから見たらお主は今、一人でぶつぶつ喋っているように見えるということじゃな」



「・・・・・・早く言えよ!!!」

「お主が説明させなかったのであろうが!」

時流が本当に周囲に見えていないとすれば、僕はもう顔真っ赤である。

「まあ。我が周囲に見えていたらお主は事情聴取は免れなかったのじゃがな」

「そうだった!」

僕はあまりの出来事に膝を折ってしまった。


「ともかく」

時流は声のトーンを下げた。

「お主にはあの建物に潜入操作をしてもらう」

時流が指さす先には僕の学校があった。

話している間に学校へは着いたようだ。

「いや。潜入操作も何も」

「五月蠅いのう。何事も雰囲気が大事じゃと教わらなかったのか?」

「学校では教わらなかったけど」

「もうよい!お主と話していると本当に話が進まぬ!とにかくじゃ」




お主は腕にひっかき傷をもつ者を探せ


これが時流から受けた初めての依頼(命令)であったのだ。


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