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公園バトルその後

パソコンが壊れまして投稿遅くなりました。

ニューパソコンで気分一新。投稿再開します。

「なにをするか!?」

自分の拳をさする時流は涙目になりつつ僕を睨み付ける。


「なにをするかだって?聞きたいのは僕の方だ!時流!お前は雅を殺す気か!?」


時流は溜息まじりの表情を浮かべた。

「お主に言ったであろう。このままいけばこの世界は滅びると」

「滅びるとは聞いたが人を殺すとは聞いていない!!」


時流は目を細める。

ついさっき僕の命を救った時のような慈しみの目ではない。

背筋の凍るような冷たい目だ。


「お主。世界と一人の命とどちらが大事だ?」

「それは・・・・・・」


パソコンを覗けば毎日飛び込んでくる事件に巻き込まれた人々。

ネットの社会であれば、平気で答えられたであろう。

いや。きっと間髪入れず答えたはずだ。

世界を救う為ならばいたしかたない犠牲だったと。

でも僕の立っている場所は現実であった。


僕は何も言えずこうべを垂れる。


「だけど・・・・・・だけど・・・・・」


僕の言葉を出せない。

ただできる抵抗はただ立ちつくすことだけであった。


「うむ。わかっておるようじゃのう」


僕の姿を見て時流は微笑む。

そして次の刹那


「雲母!お座り!!」


時流の命令に抗う事もできず、僕はひざまずく。

そして時流は僕の頭を軽々と飛び越えていいった。


「時流!」


僕は声にならない声を叫んだ。


約束したんだ!

雅を助けるって!

あおいと約束したんだ!


雅を救うって!


僕の望んだ結末はこんな悲しい結末じゃない!

誰もが笑って過ごせる世界だ!


大きな渦に巻き込まれた人間を、世界を守るためには仕方ないからと冷たく言い放つなんて僕にはできない!


僕は無理矢理立ち上がる。

地球上とは思えないほどの重力に逆らい立ち上がる。


「と!き!!なが!!れえええええええええ!!!!」


体中の穴という穴から血液が噴き出してきた。


契約に逆らおうとする僕の意志と身体がせめぎ合う。

だが!


僕は立った。


そこで僕は固まってしまう。


命令だったからではない。


時流は雅に口づけをしていたのだ。


「ええええっと」


僕は目を背ける。

いや。目のやり場に困ってしまう。


見ていいのかな?

できたら見たい。


見ちゃおーっと。


時流は雅の口を吸い続けている。

真っ白だった雅の肌は徐々に徐々に紅く染まっていく。


(やばい。これ見てていいのかしら)


僕の目は僕の意志から逆らうようにその行為を凝視してしまう。

えっと。

本能が精神を上回る瞬間というのかな?


「さてと」


時流は舌なめずりをして立ち上がる。

足下には肌を赤く染めた雅が糸の切れた人形のように横たわっていた。


「え?何?終わったの?」

違う意味にしかとられないような台詞を僕はつぶやいてしまう。

「ああ。終わったぞ」


「ええ!?」


「なんじゃ!雲母!お主発情でもしたのか!?鼻血が凄いぞ」

「ご!誤解だ!鼻血だけではない」

「凄まじい鼻血じゃのう。全身から吹き出しておる。興奮するにもほどがあるぞ」

「いや!これは!興奮したけど興奮からきた出血じゃないというか・・・・・・」

「相変わらずキモゐのう」

「キモくない!正常な男子高校生なら正常な反応というか」

「キモゐ」

「「ゐ」が旧文字って」

「よく気づいた」

「ええ!?」

「それだけお主がキモゐということじゃな」

時流は目を細め満面の笑みを浮かべる。

「今年の流行語大賞はは「キモゐ」で決まりじゃな」

「決まらねえよ!だいたいなんでお前が流行語大賞とか気にしてるんだよ!」

「では今年の漢字一字として認めてもらおう」

「漢字入ってねえし!」


あらかた突っ込みを入れ終えた僕は本題に入る。

今のやりとりで僕も時流も肩で息をしているのは秘密だ。


「神坂雅はどうなった?」

「ああ。我が狐を吸った」


やっぱりか。

僕の想像力でもそれくらしか思いつかない。

でもそんな平和な方法・・・・・・。


平和とは言い切れないが肉弾戦を避ける方法があったのなら、なぜ最初からしなかったのだろう?

そんな解決方法があったのなら僕は全身全霊で協力した。

変態的な意味でなく。

いや。協力したであろう。


「じゃあ雅を殴る事はなかったんじゃないか?」

「ん?」

「だから!雅を殴る事はなかったんじゃないか?って言ってるんだ」


時流はシャドウボクシングをしながら呟く。


「顔はやめたよ。ボディボディ」

時流の拳は甲高い風切音を放っている。


「昔のヤンキーかよ!だいたいお前いきなりこめかみぶん殴っただろう」


僕はさらに突っ込んでしまう。


「冗談じゃ」


何が冗談かさっぱりわからない。


「時流!だいたいこのあとどうするつもりなんだよ。神坂雅は痣だらけだろうし、俺の返り血で、雅の着ていたワンピースは事件現場と化してるぞ」


時流はあっけらかんとした表情を浮かべた。


「そんな事、決まっておろう。お主が着替えを買ってきたらどうじゃ?」


現世に地獄という物があるとすればこの後、僕がした行動であろう。

血まみれになったのは神坂雅だけでなかった。

僕も血まみれだったのだ。


慌てて家に帰り、血まみれになった服を着替え、その足で服を買いに行き、ワンピースを購入するというミッションインポッシブル。

そして着替えの時、僕は気づく事となる。

(あれ?傷がふさがっている?)

考えて見ればあれだけ血を流していたのにまだ動けているのは不思議なくらいなのだ。



それよりも。今は。

いざという時の為に机に隠しておいた万札を使う事となる。

だがお金の問題よりもさらなる問題は僕が女性服を買うという現実だ。


僕が女性服を買ってただ出てくる人間に見えるだろうか?

大丈夫。

僕はみんなの期待を裏切る人間ではない。

そう。

言ってやったのだ。


足早に立ち去りたいのはやまやまではあったのだが、これしかない。


「プレゼントなのでラッピングお願いします」


極力、平静を装っていたけれど大丈夫だろうか?

まっすぐ女性服コーナーに入っていったとき店員さんがインカムでなにやら話していたように感じたけど。


僕は大仰なラッピングに包まれた真っ白いワンピースを持って店を飛び出す。

すぐに解くであろうリボン。

そう。これは雅にではなく僕の思い出へのプレゼントなんだ。


自転車はもちろん立ち漕ぎだ。


早く血まみれになってしまった神坂雅を着替えさせなくては!という使命感が僕を突き動かす。


勘違いしないで欲しい。僕の行動は正義だ。

万札を払う価値があるからとかいう下心はまるでない。

これから起きる一夏の思い出に興奮しているわけではない。

そして僕は公園に到着した。


「うおおおおううう!」


時流が驚き声を上げる。


「早かったのう」

「飛ばしてきたからな」


時流が冷ややかな目で僕を見つめる。

「早すぎるじゃろう」と。


なにをもって時流が早いと言っているのか意味がわからない。

これから起きる夢タイムに向けて僕は眼鏡をかけてきたのだ。


「お主。眼鏡なんぞかけておったか?」

「気のせいだ!いや!機能性だ!」


時流はあきれたような顔を、いや。あきらかに呆れているが気にしたら負けだ。


「まあ良いわ。着替えは雲母。お主がやれ」

「イエッサアアアアアア!」

「返事が良すぎるであろう」

「いえ。そんな事はありません」

「我の手足となるのじゃぞ」

「わかりました」

この台詞が時流との契約をさらに深くしていくことになるとは夢にも思わなかったが

これから思う夢の時間を思えばまさに釣りがくるほどであった。

「では、我がお主の目となろう」

時流は僕に肩車をし、手のひらで僕の目を隠した。


わかってもらえるだろうか?

涙がとまらないこの現実を。


「違う!違う!雲母!右手を。ああ違う!向かって右じゃ!」


僕は目隠し状態でで神坂雅を着替えさせたのである。


雅の着替えを終えさせた僕の目から血の涙がながれていた。


月も雲に隠れ闇が深まっていく中、僕の服に手をこすりつける少女の姿があった。


時流である。

「お主。我を汚すな」

「汚してなんかないよおおお」

僕の涙は止まらない。

神坂雅が無事で良かったという安堵の気持ちだ。

誤解は誤解しか生まないのだよ。


着替えという大きな問題は片付いた。

僕は公園の水道に口を当て喉を潤した。


少しだけ落ち着いた僕は時流に話しかける。



「世界が滅びる原因って狐憑きだったのか?」

「当たらずとも遠からずともというところじゃのう」

「説明しろよ!」

「説明しても良いのじゃが、今はまだやるべき事がある」

「なにを」



「・・・・・・お主。娘をこのままここで寝かせておくつもりか?」

「ですよねえ・・・・・・」


小説や漫画のように戦いが終わった後、いきなり朝を迎えられる訳がないのだ。

先ほどの着替えに加え、まだ仕事は残っている。


気絶した神坂雅をどうするか。


「どうしよう?」

「我に聞くな。お主かどうにかせい」

「途方に暮れてます。」

「思った事をそのまま口にするでない。お主には頼れる友人とか、こやつの友人とかは知ってはおらんのか?」

その言葉を聞いて僕はあおいを頭に浮かべた。

「あいつなら知っているかも」

「なら呼び出せ。呼び出してこの狐娘を連れ帰ってもらうがいい」


僕の思考が止まりそうになる。


公園で気絶している神坂雅を見つけたから迎えにきてくれって?

言えない理由ではないが、それよりも、僕を殺そうとした神坂雅に、あおいを会わせたらどうなるか?

神坂雅が安全だとわかるその時まで、雅とあおいを引き合わせる気にはとてもならなかった。


僕は汗ばむ手でらくらくテレフォンを握りしめた。


今日に関してだけは気楽にかけていたはずのあおいの電話番号を見て目がくらむ。

だがかけるしかない。今の僕にできる最善は電話を掛ける事だからだ。

プププ。

電話は3コールほどで繋がった。


「あ!雲母!相変わらず雲母だね」

「着信登録されている名前が急に変わるわけないだろ!相変わらずだよ」


ふふっと笑うあおいの声が聞こえる。


「で、どうしたの?何か悩み?まさか昼間見たパンツが忘れられないとか言わないでよね」

「ぱ」

「パンティーが忘れられないとか」

「言い直すなよ!」


あおいの声を聞いて少しだけ落ち着いてきた僕は用件を伝えた。


「神坂雅の家を知ってるか?」


電話越しにでもわかる妙な沈黙。

苦しい。息が止まりそうだ。


「・・・・・・知ってるけど昼間の事を気にしてるの?こんな時間に突然、家にお邪魔したら変態扱いは免れないよ」



雅に会うために家を訪れるならまだいいが、失神した雅を送り届けるのである。

雅の親にどう言い訳をすべきか、今から気が重い。


僕は上ずりそうになる声を抑え言葉をつづけた。


「いいんだ。教えてくれ」


「教えるもなにも。雲母の知ってるお店だよ」

「お店?」

「うん。相良崎高校の目の前にあるじゃん。神坂商店」

「神坂雅って、文具店の娘なのかよ!」


相良崎高校では忘れ物した時は神坂商店を頼れという言葉があるくらい品揃えが豊富なお店である。


「で。雲母。もしかして今からお邪魔するつもり?」

「ははは。まさか。ありがとう。じゃあまたな」


僕は抑揚のでない笑い声を上げ電話を切った。

お邪魔ぐらいならまだ良いが。

神坂商店のおばちゃんなら僕も顔は知っている。

いや。

常連と言っても過言ではないだろう。

顔バレどころか名前も知られている。

どうしよう。


体中から噴き出した汗をぬぐう僕の手元を見て、時流が目を輝かせた。


「なんだよ」

「なんじゃおぬし!かっこいい携帯を持っているではないか!?ボタンだらけじゃぞ!」

「馬鹿にしてんのか!?」

「いや!ナウい!」

「いつの時代の人間だよ」

時流は僕の手から携帯を奪い、はあああああぁぁあぁと憧れのため息を出す。


(ああ。そういえば子供ってボタンとか好きだよな)


「かっこいいのお」

「格好良くないよ」

「いや。たまらぬ。この流線型のボディ。ふくよかなゴムの感触が感じられるキーボタン。最高傑作じゃぞ」

「おい!時流!ボディとかキーボタンとか流線型とか言うな。キャラ崩壊するぞ」

「構わぬ!この未来形フォルムを見てキャラとか気にしておる場合か?」

「キャラ作ってたのかよ。まあいいや。あんまりボタン触るなよ。僕は雅を送り届けるからな」


らくらくテレフォンをべたべた触る時流を公園に置いていき、僕は神坂雅の家に着く。

いわゆるおんぶの体制だ。


背中にあたる感触など気にしない。

気にしないが伝えておこう。

むにょ。

だった。

神坂雅をおんぶしながら意味もなくジャンプしたのは言うまでもない。

むにゅだったのだ。


公園から神坂雅の家は近かった。

それはそうだろう。

相良崎高校も公園も、そして神坂公園もすべて目と鼻の先だったのだ。

僕は最後のもうひとジャンプを決めようとした瞬間。


店の前で心配そうに廻りをうかがうおばちゃんに出会う。

そう。

神坂商店のおばちゃん。神坂雅のお母さんである。


「あ!!雲母君!!」


ですよね。

常連ですもんね。


おばちゃんは僕の背中で眠る雅を見つけた。


「雅!」


「ああ。大丈夫・・・・・・だと思います。公園を散歩してたら倒れてる雅・・・・・・さんを見つけて。送り届けたんです」

僕はできる限りの平静を装う。

だが平静が正解だったのかはわからない。

人が倒れていたとしてその人間を家に送り届ける。

不自然極まりないだろう。

だがおばちゃんの反応は意外な物であった。


「良かったあ!雲母君に見つけてもらったんだね」


意外な反応に僕は驚く。


「この子ったら最近・・・・・いや。なんでもない」

おばちゃんは言葉を濁す。

おばちゃんにしかわからない苦労があったのだろう。


今ではあまり気にしていなかったが、改めてみると、神坂のおばちゃんの髪は、前より白髪が増えていたように感じた。

「雲母君。ありがとう」

おばちゃんは僕に深々と頭を下げる。

「いや。そんなことないですよ。では僕はこれで」

雅を玄関におろし、颯爽と立ち去ろうとした僕の背中に声がかかる。


「疲れたろう。あがっていき。お茶でも入れるから」

あがっていき?

え?

いや。

帰りたい。

僕の意志とは無関係に神坂のおばちゃんは腕を引っ張る。

「それに差し出がましいお願いだけど、雲母君。娘を部屋まで運んでくれないかね?」


おばちゃんは玄関に寝かされた雅の頬を優しくなでた。

「雅の穏やかな寝顔は久しぶりに見た。だからこのままベットで寝かせてやりたくてねえ」

そこには、僕の知ってる神坂商店のおばちゃんの顔ではなく、母親の顔であった。


雅を、雅の部屋のベットに寝かせた時はとてつもない何かに襲われそうになったけど、ここは割愛させていただこう。


母親が後ろにいたからね。


おばちゃんに促され客間に通された僕はお茶をいただいた。

雅の事を根掘り葉掘り聞かれると思っていたが、なぜか僕の事を根掘り葉掘り聞かれた。

「あんた。彼女はいるのかね」

あまりに関係のない質問に僕はお茶を吹き出しそうになる。

その後も脈絡のない質問が矢継ぎ早に飛んできたが、僕はお茶を飲み干し神谷商店を後にした。


玄関を出て数歩。

僕はどっと疲れが噴き出す。


とにもかくにも大きな問題は片付いたのだ。




(しかし。時流、今夜はどうするのかな?家とかあるんだろうか?)


あれだけの動きを見せた少女。

そして僕に対して圧倒的な命令を出した少女。

今更だけど、時流の言葉を信じる自分がいた。

彼女の言うようにこの世界の者ではないのだろう。


だが、少女は少女。


街頭すら少ない、夜の公園に置いていくほど僕の心は強靱ではない。

僕は公園に到着する。


「時流!帰ったぞ!」

帰ったといっても、僕は公園が家ではない。

そこは誤解がないようにしておきたい。


・・・・・・??


返事がない。


闇夜の中、不思議と遠くまで見える僕は時流を探す。

(いない・・・・・)

時流がいない。

不気味なほど静まり返った公園の中で僕は叫ぶ!

時流と。

今まで僕は夢でも見ていたのか?

いや。ありえない。

体は軋み、背中に残っているマシュマロの感触。ゴホン。


あえて言い直させていただこう。

体は軋み、背中には人の体温が残っている。


なにより、神坂おばちゃんに淹れてもらったお茶の味は夢の中だとは思えないからだ。

僕は公園の隅々まで歩き回る。


「ときながれえ!」


そして僕は公園で朝を迎えた。

雀のさえずりを目が覚めた状態で迎える事になるとは。


朝日が眩しい。


(やっぱり夢だったのか?)


もしかしたら僕は夢遊病にでもかかってしまったのだろうか。

不思議な夢を見て公園で目が覚めた。


家に帰れば、僕のらくらくホンは充電器にささっているのだろう。


僕は自分なりの答えを見つけ、背もたれにしていた、コンクリートの小さな山から立ち上がる。

おしりをぱんっと叩き、土を落とした僕は朝日に目を細めた。


(そうだ。これは夢だったんだ。早く家に帰らなくちゃ)


その直後、僕は飛び上がることとなる。


「うるさいのう」


そう。

僕が背もたれにしていたコンクリートの山。

そこに遊具として通されたトンネルの中から時流は這い出してきたのだ。


「時流ええええええ」


僕は時流を抱きしめる。

その感情はうれしいとか無事で良かったとかそういった事を超越していた。


「いたたたたたたた。頬をすりつけるでない!」

「だって!」


「どさくさにまぎれて!きさままあああああああああああ」

殴られた。

がっつり殴られました。


時流が不機嫌そうにというより、僕と視線を合わせなくなったのが気になります。

顔面血まみれとなり、四つんばいになった僕の目の前にらくらくホンを落とす時流。


「とりあえず。お主は寺子屋に行って狐娘の様子を見てこい。もう問題はないはずじゃが」

「わがりまじだ」

口の中を切りまくった僕は精一杯の返事をした。


そして気づく。


「遅刻だああああああ!」


僕は公園の隅に置かれた自転車に飛び乗り自宅へ向けてこぎ出すのであった。


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