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†灰色のプロローグ




 あいまいなものを色に例えて『グレイ』と呼ぶ。


 黒でもなく、白でもなく。混沌と混ざり合った色。それが『灰色』。



 ここが『灰色の世界』と呼ばれるのは、どこの地図にもなく、しかし確実にあり、現実世界と幻想世界の狭間に存在することから、そう名付けられた。


 時間と空間が継ぎ接ぎになり、現在と過去とが隣り合わせに混在する世界。


 ありえないようだが、『灰色の世界』は、すぐそこに不思議な扉を開けて存在している。



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