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アオノツドイ  作者: ふなつさん


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第0話

奥野蒼史(おくのそうし)ですっ!北中出身で、先輩の紹介をきっかけにここの高校を受験しました!

  とりあえず、中学の時もやっていた生徒会役員になることを目標に、高一の一学期全力で楽しみます!」

少し低いながらに明るく、はつらつとした声が、常南学園1−2の教室に響く。

今日から高校生。

私が変に緊張しすぎているわけではないようで、

教室全体から緊張した空気が感じられる。

順に自己紹介がされていく。

 「門野弘毅(かどのひろき)です。蒼史と同じく北中出身。仲良くしてください。」

奥野くんのような明るい感じとは違ったが、落ち着いた微笑みが印象的だ。

北田さんはいかにもギャルだーって感じ。河野くんと武田くんと田村くんは同じ中学らしい。

そんな風に自己紹介を聞いていると、気づけば私の番。

 「廣田玲那(ひろたれな)です。第三中出身で、読書が好きです。1年間よろしくお願いします」

昨晩はドキドキしながら試行錯誤していたはずなのに、気づけば無難なことを言って座っていた。

 「文月彩葉(ふづきいろは)。陸上やってます!私も玲那ちゃんと同じく読書が好きなので

                           同志がいたら語りたい!1年間よろしくね!」

急にキラキラした女子に名前を出され、びっくりして文月さんを見ていると、着席する時に

 「あとで話そ!」

と声をかけられ、さらに訳がわからなくなる。

なぜなんの特徴もない私にこんなふうに声をかけてくれたのだろう。

読書について言ってた人なんて他にもいたのに…

なんて思いつつ、心のどこかでこれからの高校生活を楽しみにしている自分がいた。



始業式が終わり、解散となった。

帰る支度をしている私を、文月さんが呼び止める。

 「私さっき読書好きって言ったけど、」

印象づけのために言っただけとでも言われるのかと思いきや

 「実は漫画とかアニメも大好きなんだけど、玲那ちゃんは?」

と予想外の発言が飛んできたことに加え、質問までついてきた。

 「私もすきだよ」

とこたえると、

やっぱり!という反応と同時に私の手が文月さんによって引かれる。

 「帰りどっか寄ってはなそ!

  もっと玲那ちゃんと仲良くなりたい!」

なんてクラスの中心にいそうなキラキラ女子に誘われてしまったら断れるはずもない。

もちろん快諾してついていった。


私たちは駅前の小さな個人経営のカフェに入る。

するとそこには、自己紹介で大いに目立っていたあの奥野くんと門野くんの姿があった。

私としては気まずい限りだったのだが、文月さんは何食わぬ顔で二人に相席しないかと誘っている。

目の前のコミュ力お化けに圧倒される私をよそに、3人は大きな机に移動。

文月さんは私を手招きしている。

 「はやく!せっかくだし早めに友達作っといたら馴染みやすいじゃん!」

私は「失礼します…」と渋々席に着く。

順にあらためて自己紹介をしていく。

3人が仲良くなることで私が浮くのではなんて心配していたが、その必要はなかった。

相席しているのに、男子二人はなんの部活に入るかを二人で話しているし、

文月さんは私におすすめの漫画をたくさん教えてくれた。

 「これこれ!最近5巻出たんだけど、まじ面白いから!確かアニメ化の話もあるよ!」

 「見たことないかも…どこに売ってる?」

 「気にいるかわかんないし一回これ一巻貸してあげるから気に入ったら買いなよ!

  私の最寄り駅の本屋に売ってるから、そんときは一緒に行こー」

そんな会話をしながらお互い本を勧めあっていると、気づけばあたりは少しずつ夕焼け色になっていた。

 「そろそろ帰ろうか。まだ初日だしねー」

奥野くんがいうと、文月さんも

 「そうだね。明日も朝早いしね」

と同意。結局そこで解散となった。

男子は少し買い物をしてから帰るということで先に別れ、

文月さんとも駅で電車が逆方向だと判明。文月さんは、

 「ちゃんと明日こそは彩葉って呼んでよー。

  私だけ玲那ちゃんって読んでるの寂しいから」

といい帰っていく。そういえば名前呼びにするよう言われたっけ。

結局男子たちのことはよくわからなかったけど、とりあえずいい人たちそうだったな。

ふず…玲那ちゃんも可愛いし優しいし、なんか楽しくなりそう。

中学時代とは一変して、私はそんなことを思っていた。

もうあんな生活を送ることはないって、信じたいな…

そう思いながら私は改札を通って帰路についた。

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