表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かみや×みめも  作者: 疼きちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/7

1話 としあきと年明けは似ている

 どうやら、年が明けるとおめでたいらしいです。

 何がおめでたいのかは分かりませんが。


 まったく、おめでたい連中です……。

 新年早々、お酒を飲んで騒いでいる親戚たちやそのお友達連中を見てニヒルにほくそ笑んでいる小学生、他にいますか、っていねーか、はは。


「おめでたい連中」


 いました。しかも私と違って声に出しています。

 居間の隅っこにいた私の隣に座りながら、悪戯っぽく笑う女の子。


「って思ってるんでしょ、芽依(めい)


 私の心の声を勝手に代弁しやがっていただけでした。


(もみじ)、人の心を勝手に読まないでっていつも言ってるでしょう」

「ふっ、芽依が分かりやすすぎるのよ」


 無表情クール系黒髪ロングの私が……分かりやすすぎる……?

 予想外の言葉に、思わず背景に宇宙を背負ってしまう私です。


「馬鹿な、そんなはずは……じゃあ、私が今考えていることを当ててみてくださいよ」


 椛ごときでは絶対に当てられないようなことを考えてやろうとおもいます。そうですね、例えば……としあきと……。


「としあきと年明けは似ている?」

「!?」


 思考を読まれるどころか先回りされた!?


「私って……サトラレだったんですね……」


 十一年生きてきて明かされる衝撃の事実でした。

 いや、でも、椛にいつも心を見透かされてたし……じゃあ、いつも考えていたあんなことやこんなことも周囲には筒抜けだったんですね。死にたい。死んでしまえ私。


「サトラレって何?」


 勝手に死にたくなってる私の隣で、椛は疑問の表情を浮かべていました。


「芽依、椛」


 頭上からの声に顔を上げると、お母さんが私たちにポチ袋を差し出していました。


「わっ、優ちゃんありがとー!」


 椛は自分の叔母である私のお母さんのことを、ちゃん付けで呼びます。三十代なのに小学生と見分けが付かないからといって、不敬です。


「芽依、どうしたの。元気ないわね」

「お母さん、私、サトラレだったみたいです」

「そう。元気出して」

「何ですかその娘がまたおかしなことを言ってるみたいなドライな態度は」

「まさか。私はあなたが生きているだけで嬉しいわ」


 無表情でそれだけ言って私にお年玉を渡すと、お母さんは騒いでる親戚たちのところへ戻っていきました。

 我が母親ながら適当というか、読めないというか……。


 それからも何人かからお年玉をいただきました。両手いっぱいのポチ袋、幸せいっぱい夢いっぱい。これはおめでたいです。あけましておめでとうの意味を今ようやく理解できた気がします。


「さぁて、一番しょぼいのはどいつでしょう。やはりニートでパチンカスの芹沢さんでしょうか」

「新年早々最悪の吟味するのやめなさいよ……」

「椛、また私の心を読みましたね……?」

「口から溢れ出てたのよアホ」


 ちなみに芹沢さんからのお年玉は、良いご縁がありますようにというメッセージカード付きの五円玉でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ