ゼロは俺が君に抱いている思いを知らなかった
「ふ〜わ・・・眠いな・・・そろそろ授業か。準備準備〜」
俺は机の中にある数学の教科書とノートを取り出した
普段教科書を置き勉している俺は教科書を忘れることはない
ただし!定期テストによるお持ち帰りしてテスト後の最初の授業では忘れてしまう!
これが俺の特技!勉強道具忘れてしまう術!
「何自慢するしているのよ」
隣の席の女の子は俺に呆れて呟く
「聞こえていたのか?ゼロ」
「いえ、何を言っているのか分かっただけよ」
「何・・・まさか噂の『テレパシー』を使えるのか!すごいな!」
「使えないわよ」
青髪の女性は俺の言葉に対して冷たく答えた
酷いですな
青髪金眼でこのクラスで目立っている外見をしているこいつの名前は本名零
珍しい苗字を持つ
本名をほんみょうと呼ぶ
本名と呼ぶのは本人あまり好きじゃないみたいなので皆で下の名前を呼んでいる
俺は零を英語で呼んでいる
ゼロってカッコいいだろ?
ゼロって呼んでいる人は数える人しかいない
その1人になるって俺はこいつの特別って感じがある
「ねえ、すまないけど私、数学の教科書忘れてきたの。机くつけていい?」
教科書を忘れたのか俺に確認する
「いいぞ。でも、ゼロらしくないね、忘れ物をするなんてさ〜数学昨日あっただろうに。もしかして宿題を終わらせるために持って帰ったのか?」
「ええ、そんなものよ。教科書私に見えるように真ん中に置きなさい」
「はいはい」
こうして授業が始まった
数学の先生はすぐに問題を黒板に書いてすぐに答えを書く
誰に聞かずに説明して問題を消すので授業のスピードについてこれず、赤点を取る人が毎回出てくる
ノート回収はなく、ワークだけ提出物があるのは楽だ
ノートを書くのに追いついていない生徒達からしたらラッキーだと思っているだろう
俺は書くスピードが早いのですぐに先生が書いているところまで追いついてしまう
字は綺麗だよ
前にノート見せて欲しいとクラスメイトに貸した時ノート見やすかったって褒められるくらい綺麗だぜ
「あいからずノートを書くのが早いわね」
ゼロは俺のノートを見る
「おいおい、俺のノートを見ないでくれ。字が綺麗だと自覚しているけど見られると恥ずかしいよ」
「恥じらう理由は分からないけど・・・あの先生早すぎるのよ。書くスピードが」
「ベテランと俺達比べるなよって俺のノート取るんじゃない!」
数学の先生の年は50歳超え
長年教師をしているからか黒板に書くスピードが早いのは当たり前
俺達が生きている時間より長い教師生活を送っている人と俺達を比べるのはおこがましい
あと、ノート取られたから俺黒板の問題を写せない
問題発生だよ
このままじゃ取り返す前にまだ書けていないところが先生に消される!
「ゼロ。返してくれ」
「ごめんごめん。はい」
すぐにノート帰ってきたぜ
ん?ノートの端になんか絵が描かれている
猫?
「おいおい、猫を描くなよ」
「消さないでね」
目をキラキラして消さないでと言ってきた
うっ可愛い・・・
俺はゼロが書いた絵を消すことができず、そのまま授業のノートを取る
猫に違和感を覚えながら
授業終了後
「きょーつけーれーいー」
『ありがとうございました!』
授業が終わって俺は教科書とノートを机の中に入れて寝ようとすると叩かれた
痛くないが誰だ?俺の頭に叩いたのは
俺は起きると近くにいたのはゼロだ
「昼食。何寝ようとしているのよ」
「俺の勝手でいいだろ?お前は俺のオカンか」
「貴方のお母さんになろうか?」
冗談を受け止めないで
「断る」
「あら、酷い」
「友達をお母さんと呼ぶ高校生なんて周りからしたらやばいやつと思われるよ俺」
そんなの嫌だよ
これ死後数百年馬鹿にされる
子孫まで俺を馬鹿にするかもしれない
「いいのに。」
「断りま〜す」
俺は弁当を出して食べる
ゼロは椅子を持ってきて俺の前に来て弁当を開いて食べ始めた
「中間テストどうだった?俺は平均80点以上だったぞ」
「私の勝ちね。満点よ」
「マジかよ」
全教科満点って凄すぎるな
「貴方・・・もっと食べないの?その量少ないと思うわ」
「お前だから俺のオカンか」
俺の弁当は一段弁当で周りの人達と同じ量の弁当だ
少ないとは思わないがゼロの弁当は三段弁当
俺の弁当と比べると少ないがそれはお前が食べる量が多いからで俺のは普通なんだよ
「普通くらいの量だよ。周りの人達の弁当と同じくらいの量だから心配することじゃない」
「ふ〜ん、私から見たら皆少ないわ」
「お前が食べる量が多いだけーーー」
「あ?」
俺を睨むゼロ
怖いですよ。美人が睨むと怖いという言葉はここから来たのだろうか
「怖いよ。笑顔笑顔、美人だから笑顔になって」
「それを突然言われる私の気持ち考えてよ・・・」
顔が赤くなるゼロ
「ほら、可愛いじゃないか。笑顔ではないけど」
「うるさい」
赤くなるゼロは俺から振り向く
「浅瀬君の癖に・・・私がどう言う感情を抱いているのか分かってないくせに」
ボソッと何かを言ったゼロ
あっ俺の名前を言ってなかったな
俺の名前は浅瀬波人
高校1年生だ
俺は生まれながら耳が良くてさっきゼロがボソッと小さい声で言ったことを分かっています
どう言う感情を抱いているのか・・・ゼロがそう言っているがこれはどう言う意味だろうか?
「ゼロ・・・俺の顔を嫌いになったのか?」
「違う!あっ・・・」
「えっ俺のことを・・・」
「全然違うから!嫌いでもないし好きでもないから!」
「それを言われると俺の心傷付くんだけど!?酷いよゼロ!」
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「あれから2年か、早いな・・・」
桜が咲く季節になり、いつものような日常から別れる
現在、私は学校で1番大きい桜の木を見ていた
2年も経てばあの頃の日常が懐かしくなる
何年経とうとしても恋心ってものは消えて無くならない
髪色が特殊で昔いじめられた時、助けてくれたあの人に恋心を抱いて数年
彼に1秒でも近くにいたいために頑張って頑張って近づいてきた
そんなことをしていたら時が過ぎてしまったな・・・
「もっとここであの人と一緒に居たかったな・・・」
目から涙が溢れる
今日は卒業式
彼と一緒の道に辿ったのか分からない
もし、違ったらもう会えないかもしれない
そんなことを考えている自分に嫌になった
素直に好きも言えず、後悔してしまう人生を送ってしまうんじゃないか
初恋の相手に告る自信もなく、過ぎてしまうーーー
「お〜い、ゼロ!ここにいたのか」
彼の声がした
私は涙を拭き取る
「何。浅瀬君」
「お前がクラス写真終わった後どこにいたんだと探していたんだよ。探している途中に大きい桜を見惚れていたらお前がいたんだがどうした?顔赤いぞ?」
私の顔に近づいてくる
「大丈夫。今日卒業するでしょ?昨日まで会った日常を振り返っていたの」
「ふ〜ん、ゼロは思い出を大事にするんだな。思い出を大切にすることはいいよ〜時に辛くても儚いことはなく、飾られた絵画のように止まった時計のような思い出は忘れるなんて俺もしたくないからな。お前に出会った時みたいに」
「・・・ええ、そうね。私も貴方と出会ったことを一生忘れない」
私は彼に伝える
ただ、物足りなく感じた
思い出は忘れなくない
でも別れるのは1番嫌だ
もっと触れたいし、もっといたい
そんな気持ちを伝えることは私にはできない・・・
「ああ、俺も一生忘れないよ。今も過去もこれからも。ここで別れなんてせず、お前に伝える。」
「!?」
それはどう言う・・・
「お前に出会って3年過ぎた。俺のことを構って遊んで一緒に勉強して・・・俺の人生に光をくれたお前のことを忘れなかった。お前との出会いや日常は俺にとっての光だから」
まるでーーー私も想いを伝える
「それは私も。髪色のことで虐められた私を救ってくれたことを今でも覚えている。誰も助けてくれなくて絶望を抱いていた私に希望を与えてくれた貴方を忘れたくない!だから・・・」
「待ってくれ。ゼロ、それは俺が言う。」
私の言葉を止めてーーー
「本名零さん、貴方ことが好きです。私ー浅瀬波人と付き合ってくれ」
告白された
私は嬉しすぎて涙が溢れる
当然私の答えは
「はい!お願いします!」
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「まさか告白されるなんて思わなかったな〜」
あれから数年後俺は彼女と一緒に散歩していた
「元々あの日に告白するつもりだった。でも、クラスの皆と写真撮った後、ゼロ居なくなっただろ。だから探し回ったんだ」
「そうなんだ・・・でもよく私が合格した大学に合格したのよね。あの大学、偏差値高かったのに」
「それはお前のおかげだよ。お前が俺に勉強を付き合ってくれたから合格できた。君と一緒にいることができたのもまた君のおかげだ」
「そうか、私のおかげなんだね」
「ああ、努力したよ。君がいたおかげでね」
俺は笑った
するとゼロは少し早く歩いく
そして、振り向いて俺を見て質問する
「私さ。君が私に恋をしていたなんて分からなかったけど私に恋したのはいつなの?」
そんな質問に俺は答えた
「それはひ・み・つ」
「ええ〜教えてよ!」
「嫌だね。恥ずかしいもん」
「恥ずかしいとかじゃなくてさ。教えて!」
「ええ〜恥ずかしいな〜今は言わない!」
「むう〜」
頬を膨らますゼロ
俺がいつ君に恋をしたのかは教えない
いつか分かるかもしれない
俺が君に言うかもしれない
ただ、分かったのは
ゼロは俺が君に抱いている思いを知らなかった




