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第51話 喧嘩するほど仲が良い?

 僕は敵が近くに居る事、そしてその能力をトウカと共有した。


「トウカ、敵が来る。構えて」

「ハイなのデス」


 僕達が、敵が現れるのを待っていると、突然辺りが寒くなって来た。


「な、何だか急に気温が下がった気がするのデス。もう一度小屋に戻ってお風呂に入りたい気分なのデス」


 気温が下がった? もしかして、大寒波の能力か?


 その時、空から巨大な火の玉が降って来た。


「トウカ!」


 僕は咄嗟にトウカを抱えてその場を飛び退き、ギリギリで火球をかわした。


「焚き火が現れたのデス。あったかいのデス」


 トウカが地面に落ちて燃えている火で暖をとっていると、林の中から3人の男達が何やら口喧嘩をしながら現れた。


「逃げられたじゃねーか! テメェがちゃんと足止めしとかねぇからだろ!」

「あなたが炎を撃つのが早過ぎるんですよ。私が彼らの足下を凍らせる前に撃ったから……」

「何だぁ? 俺が悪いってのかよ?」

「そう言ってるんですよ」

「テメェ!」

「やめんかお主ら。敵が目の前に居るんじゃぞ」

「ジジイは黙ってろ!」

「ジジイでは無いわ。口調が年寄り臭いだけでお主らと大差無いわい!」


「何だか……仲悪そうな人達なのデス」

「そだね」


 だけどそんな事はこっちには関係無い!

 不意打ちを食らったんだから、反撃して良いよね!


「ウインドカッター!」


 風の刃が男達を切り裂いたと思われたが、何故かウインドカッターは男達の遥か頭上をすり抜けて行った。


「うおっ! あっぶねー!」

「んなっ?」

「大外れなのデス。ゆーゆはノーコンなのデス」

「いやいや、ちゃんと狙ったって」


 いや、もしかしてこれって、老眼鏡の能力か?


「ほれ見ぃ。お主らが喧嘩なんかしておるから、相手に反撃の隙を与えてしもうたではないか」

「おじいさんが守ってくださったんですね? ありがとうございます」

「だから、年寄りでは無いと言うとろうが!」


 やっぱりか。目のピント、というより距離感を狂わされたのか……ならば!


「ストレングス! アクセル!」


 僕はトウカと自分に強化魔法をかけ、接近戦に持ち込む事にした。


「トウカ! 一応強化魔法はかけたけど、危なくなったら逃げてね!」

「了解なのデス!」


 僕は猛スピードで活火山達に接近した。


「来るんじゃねー!」


 両手でボールを投げるように、次々と僕に向かって火球を投げて来る活火山。

 僕はそれを強化した盾で防ぎながら接近する。


「こいつ! 止まらねぇ!」

「でしたら!」


 大寒波が地面に両手を付くと、その場所から僕に向かって地面が凍りつき始めた。


「バーニング!」


 僕は全身に猛烈な炎をまとい、氷を溶かしながら更に接近する。


「何ですって!」

「ならばワシじゃ!」


 老眼鏡が前に出て両手を前にかざした。

 

 おそらくは僕の視覚認識を狂わせようとしてるんだろうが……

 視覚情報を無視して、マップに表示された光点に狙いを定めて殴りつけた。


「グボアアアー!」


 そして右ストレートが見事に老眼鏡の顔面を捉えた。

 吹っ飛び気絶する老眼鏡。


「何だと? ジジイがやられた?」

「何故正確な位置が分かって……華惨!」

「おう!」


 大寒波が何か目配せし、活火山がそれに呼応して炎を出した瞬間、小規模な爆発が起こった。


「何だ?」


 咄嗟に防御魔法を張ったのでダメージは無かったが、煙が晴れた時には活火山達は老眼鏡を抱えて、かなり離れた位置に移動していた。


「う〜ん。距離を取られたか〜」


 それにしても、今のも炎魔法なのか?

 何か炎魔法と言うより、爆裂魔法みたいだったけど……


 ステータスを見た限りでは、威力は変化するとはいえ、活火山が使えるのはあくまでも炎魔法のみの筈なんだけどな〜?


 僕の頭の上にハテナマークが出ていると、見かねたトウカが正解を教えてくれた。


「水蒸気爆発なのデス!」


 水蒸気爆発? 聞いた事ぐらいはあるけど……


「私も詳しくは知らないデスが、高温な物質と水が接触すると爆発が起きるって聞いた事があるのデス!」

 

 そっか……正に活火山と大寒波のコンビネーション攻撃って訳か。

 このチーム、喧嘩ばっかしてるけど、お互いの能力をちゃんと理解してるんだなぁ。

 いやそういえば活火山は、怒れば怒る程炎魔法の火力が上がるらしいから、もしかしてあの喧嘩自体も実はわざとやってるのか?

 だとしたら、中々侮れないチームだぞ……


「あの至近距離であんな巨大な炎を出すなんて、バカなんですか? もう少しで私達まで巻き込まれる所でしたよ?」

「ああんっ? 巻き込まれてねぇんだから良いじゃねーか!」

「巻き込まれる寸前だったと言ってるんです! 言葉を理解出来ないんですか? やっぱりバカなんですか? 敵に倒されるならまだしも、味方の誤爆でリタイヤなんて恥晒しもいいとこですよ!」

「何だとテメェ!」


 目を覚ました老眼鏡が、再び喧嘩を始めた活火山と大寒波の2人を止めようと間に割って入る。


「また初めおった……やめんかお主ら!」

「真っ先にやられたジジイは引っ込んでろ!」

「おじいさんは足手まといなので引っ込んでいてください!」

「だから、お主らと大して歳は変わらんと言うとろうが! どっちもバカなのか?」

「何だと!」

「何ですって!」


 あ〜、これガチで仲悪いわ。





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広範囲攻撃するしかないな! と思ったらマップで( ˘ω˘ )
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